ぜじろぐ

SAMBATOWN・ゼジの書くブラジル音楽やその他あれこれ

ミルトンの新着DVDを早速観てたら

2006-12-23 17:40:48 | DVD

レッド・ツェッペリンの「Going to California」をやっててびっくりしたっ!

糖尿病リバウンドで太っちょさんになったミルトン・ナシメントが、アルバム「Pieta」を出した時期でしょうか、秘蔵っ子マリーナ・マシャードを伴ってのライヴDVDですが、いやとにかくマリーナ・マシャードの方が圧倒的に凄いです。フェルナンダ・ポルトやヘナータ・ホーザにひけをとらない素晴らしい才能がここでくすぶっています。早く彼女はリオかサンパウロへ行ってちゃんとしたプロデューサーにCD作ってもらわんといかん。どうもミナスに籠もったままだと、ちょっと日本人リスナーのツボからハズれ気味のフォークロックに走りがちな傾向があるように感じられるのは店主だけでしょうか。

それはともかく、カリフォルニアです(笑)。後ろでテロー・ボルジスがヴィオラなんか弾いちゃってますよ。もろハマりのサウンドです。くっそう、このパターン狙ってたのに。先越されちゃいました(んなアホな)。

このDVDはミルトン全盛期のパフォーマンスをあまり期待しすぎると正直肩透かしをくらった気分になるかもしれませんが、それは望むだけ無理というものです。まあ確かにドレッドヘアは似合いませんね(くすくす笑い)。ありし日のキャスケット帽姿で壇上に上がってくれればなあ。それだけでお金取れますよ。という冗談はさておき、死線をさまよった後の大悟の境地といいますか、「も、ワシ、ここでそのまま死んでもええもんね。後はみんながちゃんとやってくれるもんね」みたいな安心感がミルトンの周りにオーラとなって発散されています。復帰後間もない頃の旧作「Tambores de Minas」の時の、あの痛々しさはどこにも感じられません。そしてリンコン・シェイビ(この人のドラミングの弾力感といったらもう!)ほかサポートメンバー達が一体となってミルトンを支えようという意気込みがひしひしと伝わってくる懸命な演奏に大変好感が持てました。こちらも誠意を持ってしっかりと観さえすれば、そういうものはやはり感じることができるものですね。
後は繰り返しになりますが、マリーナ・マシャードの存在感。これは是非一度ご覧になっていただきたいと思います。

でも、やっぱり、ミルトン一人で歌う「A lua girou(月は巡った)」では、ぼろぼろ涙が出て止まりませんでした。やはりこの人は最高です(よよと泣く)。

陶製パンデイロ!!

2006-12-22 18:53:41 | パンデイロ

こんにちは、最近愛媛のみかんばかり食べている店主です。
本日は面白いネタをご提供させていただきます。

サンバタウンのある愛知県には常滑(とこなめ)市というところがありまして、そうそう、中部国際空港の所在地ですね。このあたりは瀬戸・多治見(もっとも後者は岐阜県だけどね)に次いで陶器が有名な土地なんであります。ここで生産された作品は「常滑焼」の名で地元ではおなじみです。
その常滑焼のお仕事に従事する人達が、「陶器で造られた楽器で演奏会をしよう」というものすごいプロジェクトを立ち上げられ、たまたまそのメンバーの一人がウチのお客さんだったこともあり、その陶製楽器のラインナップのひとつに我らがパンデイロが取り上げられた次第なんであります。

まずはこの記事をご覧下さい!
ここで書かれている「名古屋市の楽器店」とは、ええ、申し上げるまでもなくサンバタウンのことでございます(ホホホ)。

最初この企画を持ちかけられた時は「・・・やめた方がよくないですか?」と正直思いました。まず重量。通常のボディは木材なんですけど、それが焼いた土(ていうかもう岩石同然ですわな)になるわけですから持った感じはさぞやズッシリきちゃって演奏どころではなかろうと。それから強度。握ったらそのままグワシャッと潰れやしないかと心配です。そうでないにしても、スザーノ奏法で左手をブンブン振り回して右手にガガガガガッと当てまくっていたら突如木っ端微塵に砕けちゃうんではないかと、そんな悲惨な光景をつい想像してしまいました。とはいえども「やってみなけりゃわからない」の精神で、とにかく最後までお付き合いしようということに相成ったわけであります。

そうして数日後「焼き上がったよ」との連絡を受け、届いた陶器枠にContemporaneaのパーツを組み付け、完成したのがコレ!上の画像でございます!(いやホント組み付けてる最中に割れなくて良かった良かった・・・)
いかがです、この釉(うわぐすり)の渋さ。製作者の渡辺さん、グッジョブ!コンポラ皮ヘッドもあえてくすんだ色合いのモノをあてがったところ、これが実にわびさびの世界。ていうか渡辺さん、よく皮ヘッドのリム円にドンピシャで収まるようにろくろ回せたもんですねえ。感服します。音も想像していたようなカッキンカッキンな感じとは程遠く、素晴らしいサステインにただただ驚くばかり。ジングル音もほとんど問題なし。今回は時間がなくアルミフープによる軽量化は実施できませんでしたが、そいつをカマせて100gほどウエイトを減らしてやって、あとは強度面の課題さえクリアすれば、世界に誇れるパンデイロがここ愛知から誕生することになりましょう。

ちなみに明日23日(土)、この陶製パンデイロを始め、常滑焼パーカッションの数々が半田市で開催されるクリスマスコンサートにて初お目見えとなります。ご興味のある方は是非!

・・・しかし、「パンディロ」っていう表記、やっぱりちょっと気になります(苦笑)。

サンバタウンなんちゃってカフェ再開の巻

2006-12-20 15:01:48 | 連絡事項

ううう、いきなり寒くなってまいりましたね。店主寒いの大嫌いなんですよ。ぶるぶる。
そんなわけでサンバタウンもアンダーグラウンドサービス「なんちゃってカフェ」を再開し、冬を意識したドリンクメニューを用意致しました。

画像に「おしながき」が見えますが、ブラジリアンエスプレッソ「カフェジーニョ」はもちろんのこと、カラダの芯からあったまれるお飲み物がズラリとウルトラ兄弟大集合的バラエティで皆さまをお待ち申し上げております。特に「はちみつレモンマテ茶」と「とうがらし梅こぶ茶」は一発で暖房不要になります。クルマでお越しでない方は風邪の予防にテキメンな「ホットカイピリーニャ」もございますですよ。いずれも凶悪な味のものはありませんので安心してお試し下さいませ。

前にドリンクサービスやってた時期があったのになんで最近やめてたの?と疑問を持たれた方もいらっしゃるかもしれませんが、それはね、すみません、めんどくさかったから(自爆)。それからお客さんから「カフェジーニョ下さい」と言われて準備にかかっても、それからまたお客さんとのおしゃべりに戻ったり他のお客さんの応対をしたりして、最後に「あのう、カフェジーニョって・・・」「はッ!!」というやり取りをもう何万回も繰り返したりしてましたしね(苦笑)。でも店主もう怠けません。忘れません。気をつけてちゃんとお飲み物をお出ししますのでよろしくお願い致します。

それから期間限定で、店主の実家・愛媛のみかんを無料サービスしてます。言っちゃ悪いですが名古屋周辺で流通しているそんじょそこらのみかんとは甘さの次元が違います。フルーツ大好きっ子・ビタミン不足っ子の方は是非お立ち寄りの上ご賞味下さい。ってゆっとる間にも店主自らひょいぱくひょいぱくで写真の個数から少し減っちゃいました。明日また補充するざます。

シヴーカ、永眠す。

2006-12-16 12:25:57 | 連絡事項

ドリヴァル・カイミ、エルメート・パスコアルと並び、店主が勝手に「ブラジル三大好々爺」と呼んでいたセヴェリーノ・ヂアス・ヂ・オリヴェイラ、通称シヴーカ(写真中)が15日、喉頭ガンで亡くなりました。享年76歳。彼がドミンギーニョスやオズヴァウヂーニョらと共演した晩年の名作「Cada um belisca um pouco(ちょっとずつつまみ食い)」を聴きながらご冥福をお祈りします。

あとで少し書き足したいと思います。
ひとまずはポル語で恐縮ですがこちらの詳細ニュースを(ブラジルUOLの音楽欄ニュースより)。

はい、というわけで日が明けてからさて何を書いたらよいものか・・・と思案中のワタシですが、実は店主、そんなにシヴーカのことを知ってるわけでもないんですよね(苦笑)。アルバムも数枚しか聴いてないし。でも上記写真のCDだけは本当によく聴きました。サンバタウンでもこのアルバムは在庫を切らしたことはありません。推薦コメントには「一発で幸せになれます」と書いてます。そしてサンバタウンの在庫商品の中でも「最も部屋の掃除がはかどる1枚」と申し上げて良いでしょう。まるで宝石のように輝く三つのアコーディオンの音が心を温めてくれる名盤です。

しかしながらここで出てくる三人、すなわちシヴーカ、ドミンギーニョス、そしてオズヴァウヂーニョがそれぞれどの音なのかを聴き分けることが未だにできずにいます。特にタイトル曲「Cada um belisca um pouco」ではその名のとおり、三人が交代交替でアコーディオンのメイン演奏を取るんですが、このバトンの受け渡しがまた天にも昇りそうなくらいの素敵さ。ふいごのシューカシューカ伸び縮みする音や、鍵盤がカタカタ鳴る音までもがリアルに聴こえてきて、ああ生身の人間が今こうやって音楽を奏でてるよ、と少し違った角度で感動したものです。

折りしも名古屋のホーダ・ヂ・ショーロのメンバーが、つい先日シヴーカの「Dino pintando o sete」を記譜してくれて、みんなで練習を始めたばかりのところ。そこへ彼の訃報が入ってきました。あまりありがたくない巡りあわせに何と言えば良いのか言葉に詰まりますね。せめて我々は心をこめて彼の残した曲をしっかり練習して味わいましょう。

偉大な先人達が次々と天に召されていきますが、それでも時は流れ、我々も年老いていくのです。矢尽き刀折れるまでワタシも悔いなくひたすらに走り続けたいと思います。

ジャコオオオー!

2006-12-07 17:58:36 | CD

落ち着け店主(ハァハァ)。

こんにちは、12/9(土)の熊本尚美&Paulo Aragãoのショーロデュオライヴを前に早くも心落ち着かないワタクシです。ライヴ、というよりもその後に行われるホーダ・ヂ・ショーロを前にして、というのがより正確な言い方ですね。店主、今回はいつものパンデイロはもちろん、初めてカヴァキーニョで参戦します。課題曲は2曲のみなんとかやっつけおっつけで覚えました。CochichandoとNa Gloria。後者は名古屋讃歌にしてやろうとの店主の一存で決めた課題曲ですが、ギャラリーも楽しんでいただけるように頑張りたいと思います。前回2月にCafe Dufiさんで同企画を開催したときは、特にホーダ稽古が良い雰囲気で、お店のスタッフの方々にも喜んでいただけました。あれの再現を目指します。土曜の晩は是非Dufiさんでリオの疑似体験をお楽しみ下さい!と引き続き集客努力に余念のない店主を笑って見守ってやって下さい。

さて。
本日、やっと、ようやく、待望のアイテムが杁中に到着しました(なんでそういつも杁中って地名を強調するかね)。その名も「Tocando com Jacob」、ブラジル不世出のバンドリン奏者にしてショーロ作曲家、ジャコー・ド・バンドリンの楽譜&マイナスワン音源付2枚組CDのセット教材です(税込6,200円)。
これがまた至れり尽くせり。まず音源はLP「Chorinhos e chorões」「Primas e bordões」の2枚、計24曲を収録。オリジナルトラックのすぐ次に、ジャコーの演奏のみ抜いたマイナスワン音源が続きます。そして楽譜はクラリネット等の移調楽器用にB♭ヴァージョンまで用意されております。素晴らしい。正にジャコーなりきり教材。まるでお子様雑誌「てれびくん」の付録によくあるペーパークラフトの仮面ライダーなりきりキットみたいです。いやそういうのと比較したら怒られそうですが、これでこの価格は絶対お値打ちでしょう。ウチではなんとか10セット確保致しましたが、既に先行予約で数組は押さえられています。週明けになって生き残っていたら通販に回しますので是非ご用命下さいませ(←思い切り宣伝)。

・・・これでバンドリンTAB譜も収められてればなあ・・・。とおそろしく低レベルな願望がふと顔をのぞかせる店主の胸のうちをわかってくれる方はいらっしゃるでしょうか。ああ、エポカ・ヂ・オウロの伴奏をバックに、本来ジャコーの奏でしメロディを自分が代わりにいつの日か紡ぎ出すことができるかと思うと胸のトキメキがおさまりません。これって恋?
というわけでとにかく来年こそはマイバンドリン、絶対確保します!

店主ボーゼンとす。

2006-12-06 14:35:51 | CD

いやあ、なんといいますか・・・。
10月に「もっと情報発信せねば!」と意気込んだはいいけれど、11月の記事エントリ数わずかに3。ちなみに10月は4。こ、これはいけません。なんとかせねば。

というわけでちょっとピント外れの店主、情報発信のベクトルをあらぬ方向に向け、サンバタウン通販のCD・DVDコーナー店舗在庫を一気に掲載するという行為に出てしまいました。ていうかまだ作業完了してない・・・(嗚咽)。
まあそれはともかく、偉そうに画面表示しておきながら実は在庫などちっとも用意しておらず、オーダーが来てから取り寄せを開始したり、で何ヶ月もかかった挙句に取り寄せに失敗したら「取り寄せできませんでしたのでご注文はキャンセルさせていただきます」とか後になって恥知らずなことを平気でぬかすどこぞの大手通販サイトとは違います。もちろん収益向上・効率化を目指すうえでは無在庫経営は必要不可欠な考え方ですが、個人的に店主はそういうややもすると顧客の神経を逆撫でするような経営手法・商売の仕方があまり好きではありません。ていうか嫌いです。
(註:もっともサンバタウンも店舗で売れた分を通販の在庫データにすぐ反映させず、品切れのモノを表示したまんまにしてお客様に迷惑をかけたケースも多々ありますが・・・)
某自動車メーカー勤務時代に叩き込まれた「カイゼン」のノウハウも今となってはどこへやら、ムリ・ムダ・ムラをふんだんに抱えつつも必ず在庫のある商品のみを掲載し、注文が来たら電光石火の如く商品をお届けする、それがサンバタウンのやり方です。バカだとお笑いの方も多いでしょうが、こんな考えに共感して下さる寛大なお客様と仲良くお付き合いしていければと願う店主ゼジでございます。でもまとめ買いディスカウントとかはやっぱ考えないとね。考えます。ハイ。

数えてみれば(今まで数えとらんかったんかい)CD・DVDタイトル合わせて目算だと約700タイトルといったところでしょうか。中にはすごい名盤(と店主が勝手に考えているだけのアイテム)なのに、サンバタウン開店以来微動だにしなかったものもあり、さすがにいくらなんでもこれはもったいないかなと思った次第です。現在はワンポイントコメントしかつけておりませんので、これからジャンル等のカテゴリ分類・商品詳細説明・試聴サイトのご案内など、付帯情報を充実させていこうと思っておりますが、果たしてそれらの作業量がどれだけのボリュームになるのか想像しただけでも手塚治虫の「火の鳥」的ライフワークになるんではないかと(なれへんなれへん)背中にぞぞ気が立ちかけましたが、ここは敢えて現実から目をそらし、何も考えないことにして作業を続けることにします。

次回のアップロードでひとまず店内在庫の公開は終わります。あとは新着アイテムを順次コンスタントに掲載していくルーチンを作り、通販ご利用客の皆様にもすぐ新作情報を目にしていただけるように、一所懸命頑張りますので応援よろしくお願いします!なんてデビューしたてのアイドル歌手みたいなことを言ってしまいました。
じゃあ、今から、作業を続けます・・・。