ゆっくり行きましょう

気ままに生活してるシニアの残日録

吉祥寺「リベルテ・パティスリー・ブーランジェリー」でランチ

2023年06月22日 | グルメ

吉祥寺に行く用事があったので、ランチをどこでするか考え、リベルテ・パティスリー・・ブーランジェリー(LIBERTÉ PÂTISSERIE BOULANGERIE)で食べることにした。ここには何回かパンを買いに来たことがある。

この店はホームページによれば、「2013年、LIBERTÉ(リベルテ)は、オーナー・創設者のミカエル・ベニシューによってフランス パリ10区のサンマルタン運河近くにある、若手のクリエーターや企業家など、新しい感覚のライフスタイルを持つ人々が集まるエリアに、フラッグシップストアとしてオープンしました。パリはブーランジェリーだけでも1,200店以上存在し、世界で最も競争の厳しいパティスリー・ブーランジェリー市場です。LIBERTÉはオープン以来わずか3年の間に、「バゲット・トラディション」や「パン・オ・ショコラ」、「クロワッサン」、「タルトシトロン」など各部門のコンテストや口コミなどで常に上位に入るほどの実績から、人気店の地位を確立しています。LIBERTÉの世界展開1号店として2018年3月24日に東京本店を上品で瀟洒な住宅街を背景にしながら、多様な魅力を有する街、東京・吉祥寺にオープン、2018年10月5日に京都店をオープンしました。」とある。

何回か来て、クロワッサンなどを買って帰った。吉祥寺店の2階にレストランもある、一回ランチを食べてみようと思っていたので、今回挑戦してみた。場所は東急のすぐ裏。

2階に上がってみると、スペースは結構広く、空いているテーブル席に案内された。周りを見るとほとんど女性客ばかり、60才を過ぎた中年オヤジは完全に浮いている。が、そこはめげずに案内された席に座り、ランチメニューの中から3種のデリプレート(季節ごとに旬野菜をふんだんに使った3種の彩りや香り豊かなデリが楽しめる“ザ・野菜”のプレート)とコーヒーをたのんだ。1,991円。

出てきたものを見ると、ワンプレートにレタスを中心とした野菜がいっぱい盛り付けてあるヘルシーメニュー。パンはこの店で焼いたパンを食べ放題とのこと。やはり女性向けのメニューである。場違いな感じがしたがコーヒーを飲みながらランチプレートを食べて、くつろいだ。店内はスペースに余裕があり、窓も大きく外がよく見える開放的なデザイン。ゆっくり来る寛げる雰囲気がある。

元サラリーマンオヤジとしては食べるスピードも速く、じっと座っていることもできず、食べ終わると手持ち無沙汰になり、早々に切り上げた。雰囲気はよかったですよ。

ご馳走様でした。


末広町の「徳仙」で天ぷら定食を食べる

2023年06月21日 | グルメ

上野でマティス展を見る前に付近で昼食をとろうと思い、ネットで探して末広町の徳仙に行ってみた。初訪問である。電信柱に貼付けてある住所は台東区上野になっている。

この店は天ぷら定食、天丼だけの店のようだ。末広町の昔ながらの街並みの中に緑の木に囲まれた店が見えてくる。時間が遅かったので直ぐに座れた。メニューを見ると、天ぷら定食1,500円、上天ぷら定食3,000円となっている。私は天丼よりも天ぷら定食が好きだ。天丼はタレがちょっと甘い場合が多いからだ。

ちょっと考え、奮発して上天ぷら定食をたのんだ。目の前で作ってくれるのは天ぷら屋の良いところだ。客の見てる前でいい加減な仕事はできない緊張感があるし、料理を作るところを見るのは好きだ。店は高級店ではなく、庶民的な食堂という感じであった。気楽な感じで天ぷらを食べられるのはうれしい。

出てきたものをいただいたが、おいしかった。私はとんかつも天ぷらも衣だけがやたら大きくギザキザした感じのものは好きではない。どうも中身の天ぷらのネタやとんかつの肉に自信が無い店がそのようなことをやるのではと見ている。その点、この店の衣は薄めで上品な感じでうまかった。

上天ぷら定食は並に比べて天ぷらの数が多いのかもしれないが、シニアが食べてみてちょっと量が多かったなと思った。今度は並を食べてみよう。

ごつそう様でした。


上野に「マティス展」を観に行く

2023年06月20日 | 美術

上野の東京都美術館で開催中の「マティス展」を観に行った。マティス展は20年ぶりとのこと。NHKの「日曜美術」やテレビ東京の「美の巨人たち」でも取り上げていた注目の展覧会だ。入場料はシニアで1,500円。チケットは事前にネットで購入した。今日は学生服を着た小学生と思われる集団が鑑賞に着ていた。良いことだ。

マティス(仏、1869-1954、84才没)が若いときの作品から晩年の切り絵紙、ロザリオ礼拝堂まで時系列に展示されているのは勉強になる。展示室は次の通り別れていた。

  1. フォービズムに向かって(1895-1909)
  2. ラディカルな探求の時代(1914-18)
  3. 並行する探求(彫刻と絵画)(1913-30)
  4. 人物と室内(1918-29)
  5. 広がりと実験(1930-37)
  6. ニースからヴァンスへ(1938-48)
  7. 切り絵紙と最晩年の作品(1931-54)
  8. ヴァンス・ロザリオ礼拝堂(1948-51)

鑑賞した感想を述べてみよう

  • マティスの絵は前から好きだった、その色彩感、カラフルさがなんと言っても素晴らしいからだ。今回の展示でもそれらのマティスの特長がある絵がいっぱい展示されていたのはうれしかった。
  • 展示作品の解説を見て始めて気づいたのだが、マティスの絵の特徴の1つは、色彩の他に、「窓」と「画中画」、「赤」、「アトリエ」などだ。絵の中にこれらの要素が描かれているものが多い。そう言われればそうだな、と勉強になった。
  • 晩年、病気になって手術もして、体が不自由になってからも創作意欲は衰えず、その時できることをやる、という考えで、ベッドで寝ていてもできる切り絵紙を始めたり、ロザリオ礼拝堂にいたっては長い棒の先に筆を付けてそれをベッドから礼拝堂の壁に向かって描くということもやった、芸術家の執念とでも言う制作姿勢はすごいの一言だ。
  • マティスのことはまだ詳しく勉強したことがないが、音楽が好きで、ヴァイオリン奏者を描いた絵が2,3あったのには驚いた(22番:窓辺のヴァアイオリンン奏者、44番:ピアノの前の若いヴァイオリン奏者など)
  • 若いときにシニャックの影響を受け、点描で書いた絵(10番:豪奢、静寂、逸楽)が展示されていた。シニャックの絵とそっくりで、こんな絵を描いていたなんて知らなかった。

さて、展覧会の運営サイドのことについても若干コメントを述べておこう

  • 今回の展覧会は写真撮影原則禁止だが、許可されたものはOKとなっていた。その許可されていたところとは、1階の展示室全部であり、上記の4から6の時代の作品であった。ここにはかなりのマティスらしい作品が展示してあり、これらを全部撮影OKというのは有難かった。評価されるべきであろう。
  • 撮影が許可されないところでも撮影している人がいたが、係員がきちんと注意していた。ダメなものはダメだときっちり注意することは大事だ。また、入場料は65才以上は割引になるが、それを証明するものを要請された、これも大事なことだ。自己申告だけで済ませている展覧会や美術館も少なくない。

1時間半くらい鑑賞して、満足して美術館を後にした。ファンであれば行く価値は十分あると思う。

最後に料金設定についてコメントしたい。正規料金は2,200円と高くなっているが、65才以上は1,500円に割引している。個人的には有難いが、こんな老人優遇は止めるべきだ。美術館やオペラ・クラシック音楽を聴きに来るような老人は金を持っている人が多いのではないか。むしろ、若者世代を1,500円に優遇すべきだ。金がないのは若い世代だ。非正規雇用の若者もいっぱいいるのだ。

ついでだが、最近、年金変更通知が来て2%も上がることがわかった。長いデフレの時期に本来減額すべき年金をほとんど減額してこなかったとおもったら、インフレになった時は直ぐに増加だ。政府はルール通りに運用すべきでしょう。


映画「モーリタニアン 黒塗りの記録」を観る

2023年06月19日 | 映画

自宅で映画「モーリタニアン黒塗りの記録」(THE MAURITANIAN)(2021、米・英、ケヴィン・マクドナルド監督)を観た。

ストーリーを述べれば、弁護士のナンシー・ホランダー(ジョディ・フォスター)はモーリタニア出身モハメドゥ・スラヒ(タハール・ラヒム)の弁護を引き受ける。9.11の首謀者の1人として拘束され、キューバのグアンタナモ収容所で投獄生活を何年も送っていた。ナンシーは不当な拘禁だとしてアメリカ政府を訴える。政府から米軍にモハメドゥを死刑判決に処せとの命が下り、スチュアート中佐(ベネディクト・カンバーバッチ)が起訴を担当する。真相を明らかにして闘うべく、両サイドから綿密な調査が始まる。ナンシーは機密書類の開示請求をするが政府から届いた機密書類はほとんどが黒で塗りつぶされていた・・・

この映画は実話だそうだが(以下ネタバレ留意)、こんなことがあったとは知らなかった。驚愕の内容である。9.11テロの犯人を何が何でも捕まえて処刑したい米政府の怒りと焦りがとんでもない冤罪を生んだ。主人公のスラヒはオサマビン・ラディンの衛星電話から電話を受け、9.11の首謀者の1人をあまりわけがわからないまま一晩だけ自宅に泊めたために容疑をかけられ、さしたる証拠もなく長期間拘束され、自白を強要される。裁判で無罪を勝ち取ったにもかかわらず、その後も数年拘束された。

こんなことがあって良いものだろうか、9.11はブッシュJr政権、無罪判決とその後の拘束はオバマ政権でなされた。アメリカという国は頭に血が昇るとかっとなって制御がきかなくなり、大量破壊兵器が無いにも関わらずイラク戦争をし、この映画のように無実の人をさしたる証拠もなしに長期間拘束して罪をでっち上げ、無罪確定後も拘束を継続し、いまだに謝罪も賠償も関係者の処分もしていないという国だ。日本の隣国が外国人を明確な根拠もなく次々と拘束するのと大差ないではないか。

日本もよくよく考えてアメリカと付き合うべきだ。日米安保は賛成だが、アメリカがいつ手のひら返しをするか常に備えるべきだ。日露戦争勝利後のアメリカの豹変を忘れてはなるまい。日米で政権や防衛大臣が変る都度、日本の首脳は日米が基軸だとか、尖閣列島は日米安保の対象範囲であることを確認したとかのコメントを発表するのはやめた方が良いと思う。虎の威を借りて隣国を牽制しようとの意図だろうが両方の国から軽蔑されるのが落ちだ。外務省出身の元高官などもテレビ番組で日米の信頼関係を疑いもなく強調し、それが一番大事だと述べているが、それが崩れたらどうするつもりなのか。大国をうまく利用するくらいのしたたかさが求められると思うが、それができたのは暗殺された安倍元総理くらいのものだろう。

ところでこの映画で米軍のスチュワート大佐を演じていたのはベネディクト・カンバーバッチであり、彼は先日観た映画「イミテーション・ゲーム」(こちらを参照)に出ていた主人公であった。全く意図せず彼の出ていた良い映画に巡り会えたのは幸運であった。今回も彼は良い演技をしていた。

 


映画「コレクティブ 国家の嘘」を観る

2023年06月18日 | 映画

自宅で映画「コレクティブ 国家の嘘」(2019、ルーマニア・ルクセンブルク・独、アレクサンダー・ナナウ監督)を観た。この映画は、2015年10月30日にルーマニア・ブカレストのライブハウス「コレクティブ」で起きた火災により60名以上の若者が死亡し、多数の人が負傷した事故の原因について政府を追及したスポーツ新聞記者と政府の新しい保健大臣になった若手改革政治家をめぐる物語だ。

火災により27名の若者が死んだ、しかし、その後本来助かったはずの若者が次々と病院で死亡し、死者は60名以上になった。そして病院の内部者から弱小スポーツ新聞社に通報があり、病院の診療態勢は不適切で、製薬メーカーからの消毒液を何倍にも薄めて使って院内感染が発生していたのがわかった。製薬会社も認可を受けた消毒液の希釈倍率を守っておらず、この薬を認可した当局もなぜ認可したのかハッキリしない。

それぞれの関係者が患者の救済より利益の確保を重視し、賄賂、腐敗、事実隠蔽などをして既得権を不当に維持していたことが次々と暴かれていく。病院経営者は腐敗していたが医療従事者の良心は残っており、内部告発により事態が明るみに出るというところが唯一の救いだ。

そして疑惑が報道されると政権は倒れ、医療担当の保健大臣もウィーン出身の若手の大臣となる。この新大臣が制度改革を目指すが、既得権益者からあらゆる妨害を受ける。新聞社にも記者の家族にも何が起こるかわからない脅迫も届く。ところが、改革の途中で選挙が行われ、問題を放置していた政党が再び多数をとり政権につくことになった、この結果を聞いた記者たちと改革を推進してきた保健大臣は・・・・

この映画で毅然と政権の不正を追及したのが弱小新聞社だということが意味深である。大手新聞社も既得権益者であり、例によって見て見ぬふりをしていたのだろうか。

ルーマニアという国は今まで全く知らなかった。ちょっと調べてみると、オスマン帝国の傘下、そこから独立、王制、王制廃止・共産主義体制、政変により共産主義廃止、NATO加盟、EU加盟という変遷で、激動の歴史を有している。現在は共和制、議会制民主主義、日本とも外交関係・経済関係もある。医療体制が政府も含めてこんな状態でEU加盟の条件を満たしているのか疑問だが、今後、少しルーマニアのことも勉強しないといけないと思った。

 


歌劇「ポントの王ミトリダーテ」を観る

2023年06月17日 | オペラ・バレエ

テレビで放映していた歌劇「ポントの王ミトリダーテ」(全3幕) を録画して観た。

これはモーツアルト作曲のオペラ・セリアである。オペラ・セリアとは神話や伝説を題材にしたオペラのこと。 

テレビの説明では「かつて黒海沿岸に実在したポントス王国に紀元前1-2世紀に在位した国王ミトリダデス6世は共和制ローマとたびたび交戦した。この国王を題材にして17世紀のフランスの劇作家ラシーヌが、王と2人の息子が1人の女性を同時に愛する、という虚構の設定に基づく悲劇「ミトリダート」を書いた。これがオペラの原作となった」とのこと。

この原作をベースに作曲したのは当時14才のモーツアルトである。14才でこの題材が理解できるか疑問だが、周りからの数々の妨害に関わらず完成させて上演に成功したという。そしてこの作品はモーツアルト親子の第1回目のイタリア遠征時に完成させたもの。当時のオペラの本場イタリアで成功した。イタリア語も堪能であったらしい、そうでないと歌詞に合った音楽などできず、当時作曲家よりも力の強かった歌手たちからダメだしを受けただろう。

初めて観るオペラだったが、感想を述べてみよう

  • 予習はしたが、初めてのオペラをいきなり理解することは無理だった、ただ、良いとも悪いとも思わなかった。シーファレ(王の次男)は女性のアンジェラ・ブラウアーという歌手が務めていたが、なぜ女性でないといけないのかわからなかった(これは作品に体する私の不勉強のためであろう)。あまり上演されることがないオペラだと思うが、今後も機会があれば観ていきたい。
  • 演奏時間は2時間半くらいで長い方ではないが、ところどころ同じせりふが繰り返され、冗長と感じるところがあった。

演出が日本人の宮城聰さん(1959年、東京生まれ)というのが驚いた、日本人がオペラの本場で重要な役割を担っているというのは誇らしいものだ。宮城さんのインタビューで、彼の考えが伝わってよかった。宮城さんの演出に関することでいくつか述べよう。

  • 宮城さんは、当初台本を見たとき、結末が絶望的なものに思えてどうしようかと考えたが、「戦いの後、復讐の連鎖にならなかった例もあるのではと思い、それは先の大戦後の日本だ、それは鎮魂という考え方があったからで、このオペラの結末に鎮魂を付け加えれば、お客さんに復讐の連鎖に入らないという希望を与えられる」と述べている。
  • そこでフィナーレを注目して観たが、王が戦いの後、死に追いやられ、残されたものたちが王の死を悼み、復讐を誓い突然幕が下りている。せりふを観ても、横暴なローマから自由を勝ち取るために戦うのだ、となっており、今のウクライナと同じように思える。宮城氏の鎮魂はどこに現れていたのだろうか、私には理解できなかった(多分理解不足だと思うが)。元々、このオペラは絶望的な終わり方ではないと思うが。戦いに敗れた王が最後に息子たちを許し、ローマへの復讐を誓うというもので希望がある。
  • このオペラの演出は、日本の歌舞伎(時代物)を意識したものとなっている、これはオペラセリアと歌舞伎に共通点があると考えてのことだ。王や息子たちが着ている鎧兜、持っている刀、背景の富士山や竹林、着物らしい服を着ている他の出演者、舞台上のテクニックなど、歌舞伎を十分意識した演出になっていた。日本人としては大変楽しめたが、現地の観客はどう感じただろうか。
  • さて、インタビューの最後で宮城さんは、「世界は力によって相手を黙らせるようになってきた、日本もその影響を受けて鎮魂によって復讐の連鎖を終わらせようという方向よりも、むしろ、面倒くさいからもっと力を付けようみたいなそういう方向になっていると思う。ワーってなっている時に「でもさあ」という人がちょっといる、それによって随分多くの人が立ち止まってくれるのでは、と思っている」と述べているのは感心しない。日本もその影響を受け・・・と思う、の部分は日本ではなく日本周辺の全体主義国家の言い間違えでしょうし、この部分は言わないでも良いことでしょう。

<出演>    

ミトリダーテ(ポント王):ペネ・パティ(27、サモア)
アスパージア(王の婚約者):アナ・マリア・ラービン(42)
シーファレ(王の次男):アンジェラ・ブラウアー(39、米、メゾ・ソプラノ)
ファルナーチェ(王の長男):ポール・アントワーヌ・ベノ・ジャン
イズメーネ(ファルナーチェの婚約者):サラ・アリスティドウ(キプロス、ソプラノ)
マルツイオ(ローマ護民官):サイ・ラティア
アルバーテ(ニンファイオンの領主):アドリアーナ・ビニャーニ・レスカ

音楽:モーツァルト    
演出:宮城 聰
管弦楽:レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル    
指揮:マルク・ミンコフスキ
収録:2022年12月9・11日 ベルリン国立歌劇場(ドイツ)

 


「横浜馬車道」を歩き、「CUPNOODLES MUSEUM」に行く

2023年06月16日 | 街歩き

テレビのアド街で横浜の馬車道をやっていたのを見て、行ってみたいと思っていた。今日は時間ができたので行くことにした。自宅から車で2時間近くかかったが、首都高が渋滞してるので仕方ない。到着して路面駐車場に停めて歩くことにした。

関内駅前から通り沿いに店やビルを眺めながらぶらぶらした。アド街にでていた店なども思い出しながら馬車道駅あたりまで歩いた。今日は気温が30度くらいまであり、ちょっと暑く、これ以上はシニアには無理だと考え、馬車道駅近くの神奈川県立歴史博物館の建物に入り、喫茶室で食事をとることにした。

喫茶室はそれほど広くはないが席は空いていた。メニューを見ながら何にしようか考え、私は「溶け込む野菜果実カレー」930円を嫁さんは「懐かしのナポリタン」980円を注文、それぞれ飲み物、ポテトサラダ付きだ。食べてみると量はそれほど多くなく、おいしかった。

その後、せっかくなのでこの歴史博物館の展示を観ることにした。常設展はシニア料金で100円だったのでそちらを選ぶが、見終わってから企画展とのセット券も割引前は1,100円だが、シニアはなんと250円なのに気づいた。安すぎる。もっと高くすべきだ。展示室を古い時代から順に見ていったが勉強になった。神奈川で縄文時代、弥生時代、古墳時代の土器などが多く発見されているのを見て驚いた。

さて、この後、馬車道の近くのカップヌードルミュージアムに行くことにした。車で5分くらいだ。私は初めて来るところだ。

500円の入場料を払って中に入ってみるとびっくり、小学生の団体や外国人観光客で結構賑わっているではないか。マイカップヌードルファクトリー(自分だけのオリジナルカップヌードルを作る体験)やチキンラーメンファクトリー(商品としてのチキンラーメンを手作りする体験)など別料金だが1時間以上の待ち時間である。小学生や外国人には面白いだろう。

500円の入場券だけですべてのフロアに入れ、ファクトリーなども見学できるので、館内を一通り見てみた。大きな階段を上がると歴代カップヌードルなどを展示してあるインスタントラーメンヒストリーキューブ、創業者の安藤百福(ももふく)氏の生涯を紹介するシアター、百福の研究小屋などがあっていずれも面白い。シアターで15分で終わるビデオを見ると、百福氏をモデルにした朝ドラを思い出した。

そしてファクトリーを見物しながら4階にワールド麺ロードという百福が訪ねた8カ国の麺が味わえる空間がある。そこに入ると東南アジアの屋台マーケットに来たような錯覚に陥る。そして、ハーブサイズの各国の代表的なラーメンが400円で食べれるのがうれしい。中は子供たちでごった返している。

我々は昼ご飯を食べた後だったので、日本のチキンラーメン200円を食べた。やはり懐かしい。久しぶりに食べると子供のころ味わったラーメンの味を思い出した。

よく考えられたミュージアムだと思う。総合プロデュースはあの佐藤可士和氏とパンフレットに書いてあった、たいしたものだ。佐藤氏の企画力、プロデュース力はさすがだ。

ゆっくり楽しんで、帰路についた。


台東区竜泉の「一葉記念館」に行く

2023年06月15日 | 街歩き

最近、樋口一葉の小説を読み、彼女の生い立ちなどを多少勉強した。そして、一葉記念館があるというのを思いだした。場所は台東区竜泉で、たまに街歩きでぶらぶらしたくなる地域だ。古い下町の雰囲気が残っており、古くからの店もまだ残っている地域であるからだ。

一葉記念館については、この地域に「角萬」といううどん屋があり何回かそこのうどんを食べに来た際、気づいていた。が、立ち寄ることはなかったのは恥ずかしい限りだ。仕事最優先で長年生きてきて、読書の習慣はあったが経済や政治関係のものを読むことが多く、古今東西の文学作品などはほんのちょっとしか読まなかった。そしてビジネスシーンにおいて一緒に食事をする場合など、古典文学などのリベラルアーツ系の話題が出ることはほとんどなかった。相手が立派な会社の役員さんでもだ(実際は読んでいるのだろうけど)。

藤原正彦先生は、真のエリートの必要性を説き、「真のエリートには2つの条件がある、第一に、文学、哲学、歴史、芸術、科学といった、何の役にも立たないような教養をたっぷりと身につけていること、そういた教養を背景として、庶民とは比較にならないような圧倒的な大局観や総合判断力を持っていること」と述べられている(「国家の品格、P84」)。耳が痛くなる指摘だ。

私も遅ればせながら、リタイアしてからは文学作品など今まであまり手をつけてこなかった本を読むようにしている。これは何かに役立てようということではなく、長年生きてきた以上、最低限、このくらいのことは知っていないと恥ずかしい、という思いからだ。

そのような観点から、今回一葉の小説を読んだのはよかったし、今日、その一葉の記念館を訪れ、彼女の来歴などについて展示物をゆっくり見れたのは有意義であった。入館料は300円。彼女は死に際して、妹のくにに、母や兄弟の面倒を見てほしい、私の日記は捨ててほしい、と言ったが、くには日記は捨てなかった、そのために今日、一葉がどんな思いで生きてきていたのか現代の我々も把握できているのだ、くにも非常に優秀な女性であった。

一葉の日記や当時一葉と付き合いのあった友人、文壇の先輩・同僚などの証言なども展示されており、一葉の性格などがわかり、在りし日の彼女が偲ばれる。先日読んだ一葉の本に含まれている日記には、天啓顕真術会本部の久坂賀義孝を訪ね、借金の申込みをし、交際を始めると、義孝に物質的な援助の交換条件に妾になることを求められたが、拒否、とある。その半年後にも同様なことが起こる、と書いてある。

一葉記念館は昭和36年5月12日に完成し、その後、40年あまりを経て老朽化が進み、一葉が五千円札の肖像に採用されたのを機に、改築され、平成18年に新記念館が完成したものだ。

館内の展示をゆっくり見て、1時間くらいで、記念館を後にした。記念館の前は一葉記念公園となっており、菊池寛の一葉を称える撰文による記念碑や、「たけくらべ」の記念碑が立っていた。

 

 


台東区小島の「うなぎ やしま」に行く

2023年06月14日 | グルメ

前から一度行きたいと思っていたTX新御徒町の近く、小島にある「うなぎ やしま」に行ってきた。梅雨入りして家で本を読んだりテレビを見たりだけでは体がなまるのでよくないと思い、雨が降っていない今日、少し都心に出かけて見ようと思った。

どこに行こうか考え、最近樋口一葉の本を読了したので、台東区にある一葉記念館に行ってみようと思った。そこへ行く前に腹ごしらえとしてちょっと離れているが、「やしま」でうな重を食べてみたくなった。

12時ころ到着して入店するとテーブル席に案内される、室内はテーブル席と座敷とがあり、落ち着いた感じ、清潔感もある。うな重は特上と上うな重の二種類のみ。上うな重4,600円を注文。ちょっと値ははるがたまには良い。

店内にはテレビや雑誌・新聞はなく、スマホか本がないと手持ち無沙汰になる。20分ちょっと待った後、お重が運ばれてきた。うな重に肝吸い、お新香がついている。お重の蓋を開けると、うなぎの蒲焼きがほぼ全面を覆っており、十分な大きさ。特上ではびっしり隙間がないくらいうなぎがのっているのであろうが、私は上うな重くらいのうなぎの量がちょうど良い。

ゆっくり食べてみると、大変おいしい。焼き加減、蒸し加減、タレの濃さ、ご飯の炊き具合、どれも完璧に思える。肝吸いもお新香もおいしい。4,600円の価値は十分あると思う。十分満足してお会計をしてもらった。会計はタッチレスのクイックペイにも対応しており、有難い。

ご馳走様でした。また来ます。

 


映画「テノール、人生はハーモニー」を観る

2023年06月14日 | 映画

新聞の映画評論欄に載っていたので、オペラファンとしては観に行かねばと思い、「テノール、人生はハーモニー」(2022年、仏、監督クロード・ジディ・Jr)を観てきた。

この映画は、ラップに夢中の青年アントワーヌ(MB14)が、オペラ座へスシをデリバリーした際、そこで自分を見下してきたレッスン生たちにオペラの真似事をしてやり返すところをオペラ教師マリー(ミシェル・ラロック)が見て、アントワーヌの美しい歌声とその類まれな才能にほれ込み、彼のアルバイト先に押しかけてオペラを学ぶように迫るが・・・というもの。

若干のコメント

  • 映画にはオペラ歌手のロベルト・アラーニャも出演している。主人公のアントワーヌを演じるのは、大人気オーディション番組「THE VOICE」でそのカリスマ性を爆発させて勝ち上がったビートボクサーMB14。劇中すべてのオペラ歌唱にも挑戦し劇中アントワーヌさながら天才的歌の才能を発揮させた、と公式サイトに書いてあるが、映画の中で彼がオペラを実際に自分の声で歌っていることを意味しているわけではないと思う。微妙な書き方だが、そこはぼかしているのでは(原語を見ないとわからないが)。私の見たところでは「口パク」してるところも多かったと思われた。
  • 映画の舞台で実際のパリのガルニエ宮を使っているようだ。これはオペラファンにとってはうれしいことだ。私も1回だけ中に入ったことがあるが、当時を思い出させる。公式サイトを見ると何年もかかってオペラ座を説得したとあるがよく撮影を許可したものだ。
  • この映画の中では、主人公がパリのスシのデリバリーのバイトをしているなど、何回か日本が話題に出てくるのがうれしい。
  • この映画を見ての感想だが、私が見ている映画評論サイトでのトータルの評点が5点満点で3.2点となっており、満点をつけている人も含めてその点数であるから一般の人の正直な評価がどの程度かを物語っていると思う。私も同感だ。