はなむらさき不定期便

もうちょっとだけ

つづくんじゃよ。

猟期的なパピィ

2005年02月22日 00時28分46秒 | Weblog
突然ですが、今回は我が家の玄関を見て頂きたい。


鹿のトロフィー。
よくお金持ちの家の暖炉の上に飾ってあるアレです。鹿の剥製です。
そうです。ウチはお金持ち…なワケでは全く無く、でも自営業だから一応は社長と呼ばれる(取引先のおっさんとかに)けど社員はいねぇし。
さてはて、なんでこんなモンが我が家の玄関に飾ってあるのか。そんなほろ苦い思い出話でも、チョコッと聞いてやって下さい。

あれは一昨年の秋頃だったでしょうか?ある日突然巨大な荷物が届きました。高さ1・5m・幅80cmはあろうかという巨大な箱です。この時点で既に不気味なオーラを放つ謎の箱。
さらに妖しげなのはデカデカと貼られた「美術品」のステッカー。送り状を見るに、どうも父宛の荷物らしい。発送元は島根県。とりあえず父の帰りを待って開梱しようと言う話になったのですが、好奇心に負けた私と母は、よせばいいのにその「美術品」を紐解いて見ることにしたのです。

すると中から出てきたのは…シカーーーーーーーー!!
ぎゃぁ!こっち!こっち見てるよ!!おかぁさん、どうしよう。ねぇどうしようコレ。
あ、なんか手紙が付いてる。何よコレ?なんかの嫌がらせ?もしかしてコレ脅迫状!?読んでみるね。

「前略~有害駆除で大物を仕留めました。出雲大社近くでしたので、なにかご利益の有りそうな鹿です。折角ですので、トロフィーにして贈ります。~後略。」

出雲大社の近く?シシ神様?ご利益どころかタタリが有るよ。きっと。
仕留めるな。そしてトロフィーにするな。そして他人んちに前触れも無く送り付けんな!!
かつて、これほどまでに、貰って困るプレゼントが存在したでしょうか?北海道土産の定番・ニポポ像と木彫りの熊も、きっとコレには及ばない。しかも送り主はどうにも善意で送ってくれたらしい。そりゃぁそうだよね。トロフィー作るだけでも10万位はかかるもん。あ、前に毛ガニくれた人だよね。この人。毛ガニの方が良かった…!良かったに決まってるのに!

どうも、ウチの父のハンター仲間からの贈り物だったようです。
そう、ウチのお父さんは狩人なんです。

『ハンティング』というと、どこか英国紳士の嗜みとしうか、セレブな趣味に聞こえますが、『地元の猟友会』というと途端に田舎のおっさん臭が漂います。ウチのオヤジはもろに後者の雰囲気。セレブな事など何一つ無い。
地域によって違いは有りますが、11/15~2/15までの狩猟解禁期間・略して「猟期」の休日にはいそいそと山へイノシシ狩りに出掛けて行きます。そして「獲ったっどー!」と、ご機嫌で帰ってくればその週はずっとご機嫌☆そんなオヤジ。


小学生の頃、学校から帰るとガレージにイノシシが吊るされてる。  そんな日常。

飼ってた犬が、熊との格闘の末に死亡。「ボス!死なないで!くそぉ!熊!!この仇はアタシが取るから!」もちろん取れる訳が無い。  そんな少女時代。

「サキ(仮名)。今日は珍しい物が手に入ったぞぉ。」
「何々?お父さん」
「ほら。熊の胆のうだ!体に良いんだそぉ。」
「ぎゃぁぁぁぁぁ!見せんな!生々しすぎるんだよ!」  そんな思春期。

「どうしたサキ(仮名)。風邪か?」
「うん。ちょっと頭痛くて…。」
「そんな時は熊の胆のう(の乾燥)をお湯に溶かして…。」
もういいよ。胆のうは。」 そんな受験を控えたあの頃。

「なぁサキ(仮名)デジカメで取った写真、現像してくれ。」
「いいよ。何撮ったの・・・って、イノシシさばいてるトコ撮んなぁぁぁ!」 モロに見てしまったOL一年目。だから家用のデジカメはあんまり使いたくないんだ!


そういう環境ですくすくと育ちました。トラウマまみれの人生です。
私のスプラッタなホラー漫画好きはDNAのなせるワザだったんですよ。
そして私だけじゃない。きっと全国の猟友会員の親を持つ皆さんも、同じ思いをして育ったんだと信じてる。
最近ちょっと、昔の思い出に余計なエピソード・猟奇版。が混ざっていると気が付きました。
友達から「ヘン。」と言われてしまった。ヘンじゃない。普通のマタギの娘の思い出だよ。

きっと何処かに同じ思い出を持つ仲間がいると信じてます。


「お父さんがリアルハンター」というこのネタ。カミングアウトはしないでおこうと思っていたのですが、今週の銀魂を読んで心が震えたので、思わず筆を執りました。神楽ちゃん。アンタも狩人の娘なのね。わかる解るよ!オヤジの頭が薄くなって来た時のやるせなさとか。(そっちかよ)。

そして、タイトルのみでアニメ「ハンター×ハンター」を毎週視聴する事を決めたオヤジ。途中で何か違うと気付いたらしい。
もちろん「銀牙~流れ星・銀~」は愛読書。
なぜか「KO!マサトメ」がお気に入りだった。微妙にジャンプ読者なオヤジです。「ルーキーズ」があった頃までは、ジャンプ読んでたんですけどね。最近は面白いのが無い。とぼやいております。そりゃ「少年」ジャンプですから。50代向じゃ無いから。

結局、何が言いたかったのか自分でも良く解らない状態になってしまいましたが、単に思い出話がしたかっただけなんです。何処かにいる、同じ境遇で育った猟友会員の子供さんに出会いたいんです。

最後になりましたが、史上最大級に貰って困るプレゼントの鹿さんは、タタリが恐くて捨てる訳にはいかないし、売ってしまうのもさすがに気が引ける・・・。という事で、我が家の玄関に鎮座まします事となりました。
お客様が恐がります。かといって、居間に有っても困るし、寝室はもっと嫌。ホント、トンだ贈り物だよ…。
コメント (2)
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