山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

簡単、美味しい、わらびたたき

2024年06月09日 | 山菜料理

 『わらびたたき』という料理を知っているだろうか。

 当地では『一本漬け』とともに、定番のワラビ料理だ。

 美味しいし、それほど手間もかからないので、時々作って食べている。

 今回は、ワラビの収穫が多かったので、作って楽しませてもらっている。

 とりあえず、今回の作り方をなぞってみますね。

 下ごしらえ・調理の部

 普通にアク抜きしたワラビを使います。

       今回は200g強用意しました

 ・みじん切りにしたら

 ・まとめては切り、また向きを変えて切りと何回か続けるとトロトロになります

 ・味噌40gを量り採って

 ・ワラビと混ぜるために、また寄せてはたたきを繰り返します

 アジのナメロウみたいな感じですな。

 ・顆粒出汁も加えて更に混ぜたら

       出来上がりです

 これをそのまま食べても美味しいんだけど、

       ご飯に乗せると超美味しい!

 山形の郷土料理です。

 調べてみると、秋田あたりでもよく食べられているみたい。

 この料理、ご覧の通り簡単だけど、わらびそのものの美味しさと、たたいた後に出る粘りを楽しめる、とても優れた料理です。

 今回は、味噌と出汁で味を整えたけれど、味噌を焼いて使ったり、山椒をかけたりしてバリエーションも楽しめます。

 もし、わらびが多めに手に入ったら試してもらいたい料理です。

 ほんとに美味しいよ!


フキはそんなに甘くない

2024年06月06日 | 山菜料理

 今回のS川からの戴き物は、ミズ月山筍、それにもう一つがフキだ。

 正に、夏の山菜のそろい踏みと言ったところでしょう。

 で、そのフキ料理について記録を残しておくことにしました。

 理由は後ほど。

 前回フキを採ってきた時に一つ失敗してしまったんです。

 まずは、そのことから。

 フキの場合、下ごしらえの作業が三段階に分かれます。

 

 ① フキの硬さに合わせてある程度茹でる

 ② しばらく水にさらす

 ③ 皮を剥く

 

 このうち、前回は、②の段階を見誤ったために、アクの強いまま料理してしまい、もう一度アク抜きをし直すことになりました。

 つまり、②の段階は、フキのアク抜きタイムね。

 そこで、今回は、同じ失敗をしないように②にたっぷり時間をかけたんです。

 では、画像を加えて振り返っていきます。

       採ってきた日の午前11時頃にアク抜きを開始しました

 ・10分ほど茹でて、完全に冷めるのを待ちます

 ・その夜、アクの出た水を取り替えたら

 翌朝は仕事に出かけて、夕方帰宅。

 たっぷり水にさらしたからもう大丈夫でしょう。

       きれいなフキです

 ・皮を剥いたら下ごしらえ完了

       寸切りにして、半分を前回好評だった含め煮

 ・水4に対して出汁醤油1の割合で作ったつゆに顆粒出汁を入れて

 ・今回はカツオ節も加えてみました

 ・ある程度煮込んだら火を消して、フキに出汁の味を染み込ませます

 ・こちらも完全に冷めるのを待って

       完成です

 すごく美味しく出来上がりました。

 やったぜ。やっぱりアク抜き時間をたっぷりとってよかったと思ったんです。

 だけど、残り半分がうまくいかなかったんですよ。

       残り半分は、恒例の炒め煮です

 いつもの分量(酒醤油みりん1:1:1)で、いつものように煮詰めていって、

       はい、出来上がり! と思ったら

 フキの味がしない!!!

 特に、先端の細いところ。

 太めの所は、それなりに美味しくできています。

 今回は、全体の中で細めの所を炒め煮に回したんですけど、これが大きな理由みたいな気がします。

 つまり、水にさらす作業と言うのは、アクが抜けるのと一緒にフキの美味しさまで抜けてしまうということなのだろう。

 で、影響の出やすい細い部分の味がぬけてしまったと考える。

 ・・・難しいもんだねえ。

 たかがアク抜き、されどアク抜き。一筋縄ではいかないってことだ。

 まあ、仕方がないべ。

 代わりに、一つ勉強になったぜ。

 ただ時間をかけるだけじゃなくて、フキの太さによって加減をしろってことね。

 山の神様、新たな発見をさせていただきました。

 今回もありがとうございました。


美しく青きミズ料理

2024年06月05日 | 山菜料理

 今年初収獲のミズだ。

       これで1週間分くらいかな?

 ミズは夏山菜の代表と言ってよいでしょう。

 味に癖はないんだけど、独特のシャキッとした噛み応えと、トロっとした食感とが非常に心地よい山菜です。

 そうしてですな、これだけではなく、他の山菜にはない魅力にあふれているんですよ。

 その辺も含めて、今回の調理記録を残しておきます。

 下ごしらえ・調理の部

 まずは、茎の皮剥きにひと手間かかります。

 ・先端の葉3枚ほどの下の葉を根元に向かって引き下ろすと皮とともに次の葉も外れます。そのまま根元まで剥き切ります

 ・反対側の葉も同様に引き下ろしてから、先端の葉茎をちぎり外します

 ※先端部は再利用するので捨てません

 マタギよりも妻が遥かに上手です。

 ・茎だけになったところで、軽く洗ってから鍋に入る長さに切り整えます

 ・これを沸騰したお湯に入れると、あら不思議

       色が変わり始めます(上の画像と比較してみて)

       なんという美しきエメラルド色!

 ・2~3分茹でたら冷水にさらして

 ・タッパーに移して冷蔵庫へ

 ここまで来ると、いつでも食べられます。

 今回は初物なので、もっとも純粋にミズの美味しさを楽しめるおひたしにして戴いています。

       妻がワラビ(左)と並べてくれました(乗っているのは、おろしショウガ)

 醤油をちょっとかけて戴くと、非常に美味しいです。

 ワラビと別々に食べても、一緒に口に運んでも、すごく美味しい。

 

 さて、ミズの楽しみはこれだけではない。

 下ごしらえの時に残しておいた葉茎は、これまた定番の天ぷらにしましょう!

 ・普通に衣の準備をしたら、葉茎も軽く洗って水を切って

 ・衣を薄く纏わせます

 ・非常に薄いので、浮いてきて泡が小さくなったら、すぐに油から取り出します

 ついでに、余った衣にHMとBPを足して、

       ドーナツもどきを作ってみました(結構うまい)

       本日も山菜がいっぱいの夕食になりました

 天ぷらのお味の方はと言うと、カリッ、トロッて感じで、これまた独特の食感、そしてほのかな甘みを楽しめます。

 おひたしとは全く別次元の美味しさです。

 1粒で2度美味しいって、どっかで聞いたことあるけど、これも、1本で2種類の美味しさを楽しめる山菜です。

 ああ~美味しかった!

 これから暫くは、月山筍とミズが山菜料理の主役になっていきます。

 山の神様、本日もありがとうございました。

 そして、これからもよろしくお願いいたします。


こんな日にこそ山菜御膳

2024年05月31日 | 山菜料理

 事の始まりは、ワラビの塩漬け。

 採ってきたワラビを塩漬けしようと、桶の蓋を開けてみると、

       2年前に漬けたサワモダシ(ナラタケ)じゃないの

 せっかく見つけたんだから、山菜たちと組み合わせて美味しい料理を作ることができないかと、考え始めた。

 ワラビサワモダシ・・・。

 廊下ではフキノトウが、冷蔵庫には月山筍ウドウルイコシアブラフキが出番を待っている。

 これだけ山菜が溢れているのなら、もう、あれしかありませんね。

 月山山麓山菜汁です。

 以前の職場(今もだけど)では、リフレッシュ券なるものが配布されて、それを使って老舗の美味しい料理を楽しむことができたんです(今はダメ)。

 いろんなお店の味を楽しんできたんだけど、ダントツで一番利用したのが出羽屋という山菜料理の専門店。

 このお店では、自分だけでは到底思いつかないような山菜料理を沢山食べさせてもらった。

 また、調理方法が分からないときには、ご主人から教えてもらったりもしてきた。

 このお店では、様々な美味しい料理を楽しませてもらってきたんだけど、その中で敢えて順位を付けるとしたら、最上位にくるのが山菜蕎麦と山菜汁なんです。

 春の山菜と秋のキノコとをふんだんに使ったこれらの料理は、客観的に見たら『山菜の異種格闘技戦』

 それぞれの素材が魅力的ではあるけれど、採れる季節はおろか、味も風味も全く異なる山菜を一つの鍋で食すことの恐ろしさ。

 ところが、食べてみると極めて美味しい絶妙なハーモニー。

 食べたことのある方は分かると思うんですけど、芸術的な美味しさなんです。

 これは、間違いなく老舗の主人が織りなす『山の幸の交響曲』

 憧れてやまないこの料理、これだけ美味しい山菜たちが集結しているんだから、本日はチャンスですよ。

 ・・・ただ、作り始めると、余りにも贅沢で勿体なくなってきたので、山菜御膳に路線変更(追加?)してしまいました。

 その辺も含めて記録しておきます。

 まずは、山菜汁の準備を始めました。

 ・塩漬けのサワモダシを沸騰させたお湯に入れてから冷まし、水を替えて塩抜き

 ・ワラビは一本漬けを作ったときの余りを中心に

 ここにタケノコその他の山菜が加わるんだけど、今回は、味にクセのある山菜を除くことにしました。

 代わりに、

       去年のコゴミがあったので戻して

       使いたいだけ使って、残りは胡麻和えにします

       このぐらいで十分!

 ・鶏もも200gを750mlのお湯で茹でてアクを掬ったら

 ・サワモダシも投入(ちょっとだけアクが出ます)

 ・タケノコとコゴミを入れてから

 ・出汁醤油200gと顆粒出汁少々(これで、完結。微調整なしで済みました)

 ※ワラビは、既に柔らかくなっているので、最後に入れます

 フキノトウコシアブラが勿体なくなったので、

       最もパフォーマンスの発揮できる

       天ぷらに変更

       フキノトウちゃんも

       コシアブラちゃんも

 きっと喜んでいると思います。

 フキノトウの爽やかな苦味と、コシアブラの上品な風味は、やっぱり天ぷらにした時にこそ素晴らしい!

 ワラビの1本漬けとコゴミの胡麻和えを、別皿に盛り付けたところで、

 ・山菜汁にワラビを加えて一煮立ち

       山菜汁の出来上がりです

 今回は、出羽屋名物の山菜蕎麦を模した吸い物系の味付けです。

       はい、出来ましたよう

 出羽屋の山菜定食には及ぶべくもないけれど、どれもこれも、超のつく美味しさです。

 ああ、山菜の季節だねえ!

 山形に暮らしていてよかった!!

 Y川とO川とS川の山の神様、それから、コゴミはT川、モダシはキノコ山の神様ですね、

 本当にありがとうございました!!!

 ご馳走様でした!


やっぱりワラビも山菜の王さま

2024年05月30日 | 山菜料理

 先日、山菜のアク抜きの話を書いたけど、その手間のレベルは、山菜の種類によって、本当にまちまち。

 でも、多分、横綱は、ワラビとゼンマイだと思う。

 今回、収穫してきたワラビも、残念ながらその日のうちには食べられないんです。

 それでも採りたくなってしまうのは、これまた横綱級に美味しいから。

 しかも、長期保存が効くことも、古来から重宝されてきた理由の一つに違いない。

 その辺の顛末を記録しておきたいと思います。

 まずは、ワラビを軽く洗って汚れを落としたら、

 ・アク抜き用(左)と塩漬け用(右)とに分けました

 ※太いほどアク抜きに時間がかかるので、細いものを選んでアク抜き(=即戦力)に回しました

 まずは塩漬けについてサラッと。

       桶にワラビを薄く並べて

       塩をたっぷりかけて重しをするところはフキやウドと同じ

 この作業を繰り返して一丁上がり。

 塩漬けに取り掛かるときに、この桶から何か出てきました。

       2年前に漬けたサワモダシ(ナラタケ)です

 これが、後ほど活躍することになります。

 さて、残りのワラビは、

 ・沸騰したお湯に入れたら重曹を少し回しかけて(お湯3ℓに小さじ3)

 ・再沸騰する前に全体を裏返して蓋。冷めるまで一昼夜待ちました

       かなりのアクが出るので

       水を2~3度取り替えて、更に半日

 ※この時点で、ワラビはかなり柔らかくなっているので、優しく!

 2日目の夕方、調理にかかります。

 ・ワラビを15cm強の長さに切って

 ・水:出汁醤油=1:1 + 顆粒出汁のだし汁を作り(今回は50+50ml)

 ・半分はジップロックで密封。ワラビの一本漬けに(画像の奥)

 ・残りは適量を更に切り分けて、おひたし他に使う予定

 本日は、一本漬けの方を紹介しますね。と言っても既にできたも同然。

       約3時間後、食べる分だけ袋から出して盛り付け

       このままで十分に美味しいんですが、唐辛子味も非常に旨い

 やっぱり、手間暇をかけてでも食べたくなる訳がよく分かります。

 数ある『山菜の王様』ですが、ワラビも間違いなく王様です。

 もちろん、違った料理でもワラビの美味しさは存分に楽しめます。

 次回は、残ったワラビをどう料理したか記録したいと思います。

 とりあえず、ご馳走様でした!