山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

ありがとう!山の神々!(前半終了)

2023年06月30日 | 山菜採り

 6月が終わる。

 本日が、今年3回目のN沢修行。

 天気予報を見ると、今日の午後から県内には雨が降り出して、しばらく降り続くらしい。

 だとすると、N沢でのタケノコ採りもこれで最後になるだろう。

 本日も同行者はA氏。氏は、一昨日も山に入ったと言う。尾根側の採り場に入ったらしい。

「こんなに出ていなかったの初めてだね。」

「人が沢山入ったからじゃないの?」

「それもあるかもしれないけれど、少なすぎる。やっぱり、沢の方が採れるかもしれない。」

前回もそれなりに収穫のあった沢登りコースに向かうことになった。

 例によって、午前1時半出発。

「今日も(山菜採り人は)少ないのお。真ん中に駐められる。」

関所のおっちゃんからの情報だ。実際、午前3時時点で車は8台。今年は、車の置き場所に困ることが一度もなかった。

       渡渉点のスノーブリッジ(帰りに撮った画像)

 45分ほど歩くとN沢の渡渉点に着く。先週までは頑丈に沢を塞いでいたスノーブリッジも崩れ始まっていた。非常に危険な状態だ。

 雪渓の隙間を縫って対岸に渡る。

       遥かに庄内平野の街灯りが見える

       休憩所から見える雪渓も大分小さくなった

       前回、怖い思いをさせられた雪渓

       多分、今日明日中に落ちるだろう

 さて、本日入るのは、前回までの斜面の対岸。沢から数十m登ると平坦になる地形だ。これまでの経験から考えると、この平坦部が丁度良くなっていると睨んだのだ。

       藪を進む相棒(見える?)

 竹藪は、かなり濃いが、気合で登り続けると、傾斜が少し穏やかになってきた。さあ、ここからが本番だ!

 しかし、

       ああ、惜しい!

最盛期を少々過ぎていますね。

 でも、悔しがっていても仕方がない。『ウラ折り』にしてどんどん収穫していきます。

「窪地探しながら、左に回っぺ。」

「OK!」

窪地には最後まで雪が残るから、その消え際から奥手のタケノコが伸びるはずなのだ。そうして、見つけました。

       涸沢に入る

 すると、

「おおっ、本日の最高品質だぞ!」

「ああ、こっちも出てる。」

ようやく辿り着いたぜ、タケノコのパラダイスに。

おや?

誰かが採った跡がありますね。しかも、これは今日のものだ。

「誰か入ってるみたいだぞ!」

「ああ、こっちも跡がある。んん?これ、人だがあ?」

ちょっと不安になって足元を見ると、巨大なうんちが湯気を立てている。

「こりゃあ、クマだなあ。」

「うん。どうする?」

「せっかくのパラダイスだから貰っていくべ。」

「そうか。・・・お~い、クマさ~ん。せっかくの食事、邪魔してごめんな~!

と叫びながら、本日最高品質のタケノコを戴く。

 マタギもA氏も複数の鈴を身に付けて、鳴らしながら行動している。それに気づいたクマさんが、場所を空け渡してくれたのだろう。出会い頭の事故にならずに済んだのは、熊鈴のおかげだ。感謝!

 それにしても、クマのウンチは何度も見ているが、この時期のウンチは緑色をしていることに、初めて気づきました。

 秋になると、ブナの木に登って実を食べるけど、この時期の主食はタケノコだということがよく分かりました。

 ・・・こういう極上の食材が食べられなくなったクマが、里に下りてしまうんだろうね。やっぱり、大切なのは、SDGsですよ。

       涸沢を下る前に荷物を背中に移します

       これから、下に見える雪渓を目指します

       雪の消え際からはミズバショウ

       クマガイソウが咲き始めたら、この地の山菜も最終盤です

       ギンリョウソウも花盛り

       山ブトウです

       春から夏への衣替えですね

 N沢には3回だけど、春の山菜は3月から楽しませてもらって、かなりの期間、そして、かなりの回数楽しませてもらいました。

 今回で、『新芽』の山菜採りは、ほぼ終了になると思います。

 振り返ると、今年もたっぷり遊ばせてもらったものだとつくづく感じます。

 たくさんの山河の神様たち、今年もありがとうございました。

 そして、苦労と喜びを共にしてきた仲間たち、ありがとうございました。

 いくら感謝しても、感謝し切れません。

 今後とも、よろしくお願いいたします。


ソフトクリームまでもうちょっと

2023年06月29日 | 日記とレシピ

 手作りラスクは、とりあえず成功。さすがは一口サイズ。見る見るうちになくなっていきます。お互いのためにも、ちょっと規制をかけた方が良さそうな気がしてきました。

 などと言いながら、また、みんなのよだれを誘いそうなものを作ろうとしているマタギです。

 作りたいのは、≪ソフトクリームです。

 先日作ったチーズクリームを、たまたま凍らせたら、ソフトクリームみたいになったので、「これはいける!」と思ったんです。それで、3日後に、余った材料を使って再チャレンジしてみたんです。そうしたら、確かにソフトクリームみたいになったんですけど、課題が残ってしまったんですよ。

       その時の画像

ご覧になってお分かりいただけるでしょうか?そうです、画像後方のコーンが、とてもいびつなんです。ワッフルコーンというらしいんだけど、まとめるのがすごく難しかった。3個作る予定だったのが、結局、かろうじて器になったのが2個だけ。残る1個は空中分解してしまいました。妻からは、

 「バラバラになっても美味しかったわよ。」

と慰められたんですけど、不完全燃焼であることは間違いない。

 そんで、マタギとしましては、作り方を根本的に変えてみることにしたんです。謂わばリベンジですね。その辺のいきさつを中心にまとめておきます。

 下ごしらえ・調理の部

 アイスクリーム(チーズ風味)の部

 こちらは、問題なくうまくいっているので、以前と全く同じ作り方です。

 ・クリームチーズ50gにグラニュー糖8g、レモン汁5gを混ぜて

 ・生クリーム70gにグラニュー糖8gを9分だてし、チーズクリームを合流

 ※冷蔵庫で待機

 コーンの部

 コーンメイカーなるものがないので、カヌレ型を使ってみることにしました。

 ・LLサイズの卵を割りほぐし、薄力粉100gとベーキングパウダー2gを混ぜて寝かせます

 ・6等分して麺棒で円形に伸ばしたら、薄く油を塗ったカヌレ型に

       貼り付けてみました

 ・180℃のオーブンで10分焼くと

       手前は予熱なし、焦げ付いてしまった方は2回目に焼いた分

 ・チーズクリームをしぼり器に移したら ニュルニュルニュルッ

       あらら、3個で使い果たしてしまった

仕方あるめえ、冷凍庫で冷やして夕食まで待ちます。

       そして、2時間後

 食べてみると、旨いじゃないの!十分ソフトクリームになってるぜ!そして、コーンはサクサク!

 でも、前回ワッフルコーンを食べている娘に言わせると、

「この前の方が印象良かったなあ。なんて言うか、今回は粉っぽい感じ。」

だそうです。 

 ショボ~ン。

 まあ、いいか。正直なところ、今回のコーンは、完全に思い付きの産物なんだから。

 それに、ここまできたら、完成は間近だぜ。

 この課題は、この夏の楽しみとして、とっておこうじゃないの。

 クリームチーズちゃんに生クリームちゃん、また遊ばせてくださいね。


ラスクを焼いてみた

2023年06月28日 | 日記とレシピ

 当初の予定では『山伏修行』のはずだったのだが、降水確率50%。気象庁発表の『今後の雨』を見ても、山岳部で集中的に降ることが見て取れる。危険です。これは中止です。

 さあ、今後どうするか。天候が回復して仕事も休みになる日を探すと3日後しかない。同行を考えていたA氏に連絡を入れて、予定の変更が確定した。これでひと安心。山菜シーズンも残り僅かなのだ。

 さて、また一日空いてしまいましたね。どうしましょう。

 このところ山からの恵みをお裾分けすると、いろいろな『お返し』が返ってくるようになっています。畑の幸だったり、果樹園の幸だったり、海の幸だったり、手作り料理だったりするんです。大変ありがたいことなんですけど、そんな中で、「これは面白そう!」と思ったものがあるんですよ。それが、≪プチ・ラスク≫というもの。

 ラスクと言ったらこの辺で市販されているのは、直径7~8cmあるフランスパンに味付けしたもの。でも、今回いただいたのは、直径3cmほどしかないんです。これが、正に一口サイズなものだから食べやすいんだなあ。これに挑戦してみましょう!

 下ごしらえ・調理の部

 バゲットに関しては先月紹介しているので、あっさりと行きますが、分量が変わって改善されたので、その点は記録に残しておきます。

 ・強力粉200gに水110gと塩4、砂糖3、ドライイースト2gを混ぜます

 ・この割合だといい感じにまとまるので、そのまま台所で1時間ベンチタイム

 ・4つに切り分けて、それぞれを広げて三つ折りさらに半分に畳んでまたまた休憩20分

 ・長方形になるように伸ばしたら、クルクル巻いて

 ・布どり30分

 ・クープ(切れ目)を入れてオリーブオイルを塗って、霧吹きで水をかけたら

 ・250℃のオーブンで20分

       さあ、いい感じに焼けましたよ

 ・すっかり冷めたところで切り分けます(平造り)

 ※第二部で使うのは、バターとグラニュー糖を少々

 ・フライパンで溶かしたバターを軽く吸わせて、グラニュー糖を散らしてみました

 ・グラニュー糖が融けてカラメルっぽくなってきたらお終い

       一丁上がり!

       二丁目はイチゴチョコなんだけど、冷凍庫に入れたら固まり過ぎた

 で、一番作りたかった三丁目は、A〇azonに注文した調味料が間に合わなかったので、次回に持ち越しとなりました。

 でも、これ、楽しいですね。バゲットが出来てしまえば、応用範囲は無限大だし、何と言っても、つまみ食いしやすい!

 バゲットは、あと二本残っているので、予定していた調味料が届いたら一本。もう一本は、どうやって食べるか、今から楽しみです。

 さて、こちらの作業は午前中で、ほぼ完了。午後になったら、もう一つのスイーツに挑戦するつもりだけど、うまく仕上がるかな?次回は、その辺を中心に。


夏の山菜(?)も旨い!

2023年06月27日 | 山菜料理

 本日の収穫物。

       よく育った赤ミズ

 1年ぶりの収穫です。

 丁寧に葉っぱと皮とを剥いていきます。

       ここまで来ると、ひと安心

 茎を熱湯で湯がくと、

       色が変わります

 エメラルド色の山菜を3分ほど茹でて、

 ・冷水にさらして出来上がり

 おひたしが基本ですが、様々なバリエーションが楽しめます。

 葉っぱの方は、

       天ぷらにして戴きます

       パリパリ、トロ旨っ!

        衣がまだあるので、タケノコも

 続いては、

       これなんですよ!

       さあ、摺り下ろしますよ(お涙注意)

 

       このぐらいでいいかな

       これが食べたかったんですよ!

 刺身は、昨日戴いたけど、ここには不要です。

「もう、なんにもいらねえ!」

「言いたいことは分かるけど、他も食べてね。」

「まあ、努力はする。」

       本日も『旬』の食卓

 すごく美味しい素材と料理が揃っていることは分かっているんだけど、貧乏性のマタギにとっては、過分なメニューです。

 申し訳ないけれど、ワサビ様、それにちょっとミズ様を食べただけで恐悦至極にござりまする。

 残りは、明日戴きますね。

 ああ、ありがたき山の恵みよ。

 ああ、やっぱり山に出かけてよかった。

 タケノコも美味しいけれど、夏(?)の山菜も別次元で美味しいものですね。

 ありがたき山の幸。

 ありがたき山の神様よ。 

 感謝感謝。


ちょこっと山仕事

2023年06月26日 | 山菜採り

 N沢での山伏修行の翌日は、職場にタケノコを持って行って大盤振る舞い。一人一包みずつ持ち帰ってもらいました。おかげでみんな笑顔になるし、マタギ家の台所事情も適正な状態に戻ったので、ウインウインと言うか大団円という結末になりました。

 もう一つ感心したのが、自分自身の回復の早さ。前回の修行では、翌日以降、全身筋肉痛で、立ち座りですらままならなかったのに、今回は、少々疲れが残っている感覚があるものの、身体が軽いのだ。

 前回ほど竹藪との対決が少なかったとは言え、前回の倍量の収穫物を背負って歩いてきたのだから、運動量に大差はないはず。

 だとすると、身体が大きな負荷に耐えられる状態に戻ってきたと考えるべきだろう。やっぱり、定期的に運動することは大切ということですな。

 で、更に1日後、またお休みなんですよ。しかも、天気が良さそう。だったら、また運動して健康な身体を維持増進していくべきでしょう。

 どこに行こうかな?

 考えた結果、K川に決めました。

 ただ山に登るってのも、ないことはないんだけど、この時期だったら収穫のおまけがついた方が励みになる。さすがに、タケノコ採りは、ちょっとお休み。じゃあ、何が欲しい?そう考えていくと、K川になるんだなあ。

 はい、行ってきます!

 午前3時出発。4時半到着。もうすっかり明るくなっています。

 キノコシーズンになると賑わうK川ですが、この時期は誰もいません。これは、他の山菜採り師にとって、心惹かれる収穫物がないということ。

 でも、マタギにはあるんですね。いざ、出陣!

 山に入ってから30分ほど歩くと小さな渡渉点に辿り着くはずなのだが。

    

       行く手を阻む倒木

 その、ちょっと手前に倒木が横たわっている。一旦沢に降りてルートを探す。

 このところ、どこの山に行っても倒木が増えていると感じるのは、マタギの気のせいだろうか。今年の積雪は、そんなに多くなかったと思うんだけど。

       対岸の神様

 渡渉点に着くと、さすがにこの山のご神木様はお元気なようだ。両手を合わせて再会を祝うとともに、安全祈願。

       ブナ帯

 この辺まで来ると、森の色が変わってくる。真夏を前にしたブナの新緑と木肌が美しい。

 そうして、いつもの沢に入り込む。

 おお、いい感じですね。

       ワサビが葉を広げています

 これに会いたかったんですよ。

 なるべく茎が太くてたくさん出ている株を選んで、根を掘り出します。

       なかなかいい根ですよ

 株の方は、丁寧に元の場所に戻しておく。多分だけど、この時期の葉ワサビは、春先ほど美味しいとは思えない。それに、また太陽の光を浴びて、栄養を蓄えてほしいという思いもある。だから戻します。

 これで、第一の目的達成です。

 次に、ちょっともらっておきたいのが、

       ミズ畑

 ミズです。考えてみたら、今シーズン、まともに採ったことがないので、1週間分くらい戴いて帰りましょう。

 ここのミズも、一見、無尽蔵に生えているように見えるんだけど、種を落としても来年生えることのない、水際のものと、上から種が落ちてきそうな場所のものを選んでいただきます。そうすることで、多分、SDGsな採り方になっているはずです。

 作業時間、約2時間。気持ちよい汗をかくことが出来ました。

 K川の山の神様、ありがとうございました。

 また、遊びに来ますね。