山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

釣りもやめられません!

2022年05月31日 | 釣り

 今年は、面白いように山菜が採れている。『大雪の年は豊作』。これは間違いなさそうなんだけど、我が家の台所は、豊作すぎて飽和状態。美味しい山菜料理を毎日食べられて幸せなのだが、冷蔵庫だけでなく、冷凍庫と塩漬けの桶の保存食も増え続けている。

 この調子でいくと、これから、瓶詰めや乾燥品も増えるだろうな。そんな予想が立つ中、明日は休みだ。どうするかって、これは決まりですよ。釣りです!山が飽和状態なら、海で目先を変えてしまいましょう!

 で、早速、情報収集を開始すると、嬉しいことに、良いことずくめです。

 波、0.5m = 危険無しの釣り日和

 最低気温、17℃ = 寒くない = 陸風の吹き下ろしがない

 海水面温度 = 18℃ = 回遊魚が来てるはず

 降水確率 = 0% = ばんざあい!!

 釣り仲間でもあるA氏に連絡を入れるが、貰い物の魚が一杯で身動きがとれないそうだ。彼もこの時期、山海の幸を相手に苦労が絶えないようだ。

 ま、しゃあねえべ。単独行で遊ぶことにしましょう。

 夏至が近づいてきてるので、日の出時刻も早まってきている。朝のトワイライトタイムが時合いになるだろうからと、出発時刻を計算してみる。

  ポクポクポクポク チ~ン

   午前1時発!

 早すぎと言えば早すぎる時刻だが、計算上はこうなるんだから仕方がない。必要と思われる荷物をまとめると、早々に眠りについた。

 そして翌朝。さすがに目覚ましの音に起こされて出発。峠を越えて目的の港に着いたのが、午前3時少し過ぎ。既に、アジングの釣り人が1人いる。

「おはようございます。隣で釣らせて下さい。」

「はい、どうぞ。」

「今日は、波が穏やかですねえ。」

「ええ、風も弱いから釣り日和ですね。」

「釣れると良いですねえ。」

こうして、ある程度仲良くなってから釣りを開始していくのだが、『欲タガリ』は心の奥底で、さもしい思いを止めきれずにいる。

「これで、隣の人だけが釣れたら面白くないよなあ。」

「でも、俺だけ釣れても、ちょっとかける言葉に困ってしまうよなあ。」

「・・・まあ、なったなりに行くしかあるまい。」

更に、釣れていないうちは、このぐらいで良いんだけど、どちらかが釣れ始まると穏やかな気持ちでいられなくなるんだよねえ。胸の高鳴りを鎮めて、釣り開始。

 早々にトラブル発生。愛用のリールに巻いたPEラインが、手元で絡んだと思ったら切れてしまったのだ。「やばい!」超大慌てで切れたラインを掴んだ。風がないとはいっても、海水の流れはある。一瞬遅れたら、仕掛けが丸ごと流されてしまうところだった。

 ますます高鳴るドキドキを鎮めて、糸をつなぎ直す。なんとかなったみたい。

       下弦を過ぎた月が昇ってきた

 そろそろ時合いがやって来ますよ。そう思っていると、沖に浮かんでいたウキがキュッと沈んだ。アワセ。

 引き寄せて抜き上げると20㎝ほどの小アジ。

 そこから徐々にアタリの頻度が増していった。

 幸いなことに、仕掛けの大きなトラブルはなし。隣のアジングのお方にもアタリが来ているので、気兼ねの必要も無い。内心、すごくホッとした。

       鳥海山の輪郭が分かるようになってきた

       ここまで明るくなると、ヘッドランプは不要

 結構大きいサイズも釣れてくるようになった。お互いに、大物が上がると拍手を送りあう。なかなか心地の良い一時だった。

 しかし、日の出の時刻になると、アタリがピタリと止まってしまった。

 マタギの釣り方は投げサビキなので、明るくなると極端に食いが落ちてしまう。違う釣り方にしないと、もう楽しめないだろう。釣りを切り替える準備をしていないわけでもないんだけど、既に十分釣れているんだから、本日は終わりにしておきましょう。隣のアジングマンにエールを贈って釣り場をあとにした。

       凪ぎの日本海

 山菜採りとは違った楽しい一時を、久しぶりに過ごすことが出来ました。

 やっぱり、釣りは面白いよ!なんてったって、マタギのアウトドアの原点は、ここなんだから。

 帰宅して釣果を確認。

       久しぶりの獲物

 初回としては、十分です。海の神様、今年もありがとうございます。

 さあ、次は料理です。どうやっていただきましょうかね、この海の幸を。

 胸の高鳴りは収まったけど、今度は代わりに、腕が鳴るぜ!


食べてはタケノコ

2022年05月30日 | 山菜料理

 今回も大満足で終えることが出来た山菜採り。

 収穫物は、

       ウドと

       なんだか分かる?

 これは、シオデ。『山菜の女王』とか、『山のアスパラ』とか言われる美味しい山菜です。でも、いつも発生する斜面が、ほぼほぼ崩れて無くなってしまったので、見つけたのは2本だけでした。これは、普通に茹でて、

       おひたしになってもらいました

 初物の試食レベルです。

 さて、それならば本日の食卓の主役は、やっぱりウドですか?いえいえ、残念ながら主役は、違います。この方なんですよ。

       誰もが喜ぶネマガリタケ!

 本日は、本命ポイントである奥の採り場や、枝沢の採り場に辿り着く前に帰ってきてしまったんだけど、同行した2人とも、「このぐらい採ってるんだから、今日は無理しないでいいんじゃない?」という心理が働いたんだと思う。

 確かに、このぐらいあれば、また、暫くタケノコ料理を楽しめますワイ。

 しかも、どう調理したって美味しいんだから、本当にありがたい。

 ということで、本日のディナーの中心を占めるのは、タケノコさんでしょうな。念のため、メインディッシュではありません。こちらは、妻が作りました。

 マタギが担当するのは、≪タケノコご飯≫

 直近で紹介しているのですが、細かい部分が分かりやすくなればと思って、ちょっと丁寧に説明していきます。

 ・米4合をといで水にさらしておき、1時間以上経過して水を吸ったら炊飯器に移します

 ・米4合に対して、以前は酒と醤油大さじ4だったんですけど、最近は、醤油を若干減らして50ml(大さじ3+小さじ1)を加えています

 ・顆粒出汁を小さじ1程加えてから水を足します

 ※炊飯器の『4合』のラインまで

 ・今回は油揚げ3枚を油抜きして短冊に、ニンジン1/2本を千切りに、タケノコを細切れにして300gと鶏もも肉260gを準備しました

       こんな感じ

 ・これを炊飯器にドバッと入れます

       6合ラインまで行っちゃうけど問題なし

 ・スイッチオン!

 台所中に美味しい香りが溢れてきます。

       さあ、召し上がれ!

 今回は、焼きタケノコではなく『茹で』タケノコを添えてみました。皮剥きはセルフサービスです(早くに皮を剥いてしまうと、タケノコのエキスと旨みが逃げてしまうから)。

 主役は、文句なくタケノコです。申し訳ないんだけど、画像の片隅にウドの刺身が写っています。これはこれで美味しいんだけど、やっぱりタケノコには敵いません。

 ま、ウドは、『採り場での主役』タケノコは、『食卓での主役』ってことで、お互いに納得しておくれ。

 マタギにとっては、どちらも大切な山の幸なのだよ。

 ということで、本日も山の恵みをたっぷりと楽しませていただきました。

 山の神様、ありがとうございました。


ウドの魔力

2022年05月29日 | 山菜採り

 A氏との山菜採りから3日空けて、今度はM氏とS川下流部に入る。山菜も最盛期に入るだろうから、大量の収穫が見込まれる。

 正直なところ、このペースだと、我が家の需給バランスは完全に崩壊。収穫に対する消費が、全く追いつかないのだ。それでも山菜を採ってしまう『欲タガリ』の記録を残しておくことにする。

 今回の山業については、1週間ぶりに山に入るM氏がウズウズしているのが分かる。途中に雨の日もあったし、高温の日もあったから、山菜は、間違いなく成長している。それを期待しているのだ。マタギは、4日前に上流部に入っているから、これまた大漁を確信している。

 その時同行したA氏は、

「今回は、K川の様子を見に行きたいから、そっちは任せる。」

とのこと。

 本音でもあろうけど、(採り分が減るから)あえて3人で同じ場所に入ることは控えておきたいという配慮も感じられる。ありがとうね。

 さて、集合時刻の午前3時半だ。玄関を出ると、

       月夜です

 そのまま向かいの家の前に車を出して、待ちかまえていたM氏の荷物をトランクルームに載せる。

「いやあ、いい天気だズねえ。」

「予報通り暑くなるかな。」

「うん。暑くなる前に帰ってくっべ。暑くなっと動物たちも動き出すから。

「OK!パパッと朝仕事か。」

とか何とか言いながら、思惑通りになんて滅多にいかないんですよね。

 渓底に降りると、

       山菜の最盛期を示す天然のフジ棚

       もう一つの指標であるホオノキ。多分明日には咲くでしょう

 だったら、出てるよね。

       やっぱりね

 

       雪渓の上の崖を登ってみます

       この辺で雪が途切れると(この高度感分かる?)

       崩れた土砂の中から「おはよう!」

 そんでですね、この周辺の土砂を掘っていくと、深くて真っ白な茎が出てきたり(白根ウド)、それっきりで根元に辿り着いてしまったり(ケツかけウド)するんですよ。

 それが、クジ引きみたいな感じに当たったり外れたりするんでめちゃくちゃ面白い!

 更に『ウド依存』が進行すると、ウドの芽が見えなくても地中のウドを感知して掘り出せるようになってくるんです。これは、以前にも紹介しているんだけど、ウドガラ+地勢による判断方法です。

 今回の斜面は、この『ウド依存』を確かめるのに持って来いの状況だったんです。おかげさまで、

       良いウドが一杯!

 このところ、『50年に1度』とか『百年に1度』みたいな自然災害が続いています。

 当地にも、豪雨、豪雪の被害が次々に押し寄せてきています。そして、問題なのは山の中なんです。人が住まないところでの土砂崩れや森林の消滅については、誰も振り向いてくれないし、勿論、復旧のためのお金も出してくれません。そのため、地盤が強固とは言えない当地では、このところ、毎年地形が変わっていくようになってしまったんです。

 これを凶とみるか吉とみるかは、我々次第。我々の仲間は、どちらかと言ったら『吉』と見ていますね。

 だって、街中だったら大災害と言ってもよい、この地形変動に対して、全くめげることなく、山菜たちは、新しい居場所を見つけ出して、生息圏を広げようとしているんだもの。

 マタギ達は、その新しい芽吹きの場所を発見し、そのおこぼれを少しずつ戴きながら楽しませていただいている感じです。

 今回は、新しい斜面に夢中になりすぎて、目的地まで辿り着けずに帰ることになってしまいました。

       『採りすぎでしょ』ムラサキヤシオに笑われながら帰る

 ネマガリタケも、それなりに採ったんだけど、今回は、ウドの魔力に、そして重さに負けたという感じです。

「もう、ウドは、いいはあ。」

「採りすぎたもんな。」

「来週こそは、ウド、採らないで上流まで行くぞ!」

「行けるといいなあ。」

 

・・・果たして、我々は、このウドの魔力に勝つことが出来るのだろうか。


タケノコ記念日(後編)

2022年05月28日 | 山菜料理

 今回、山の神様から戴いてきたネマガリタケ。まずは焼きタケノコを堪能させていただきました。そして、

       短めのものは天ぷら用に

 残りのタケノコは、

       茹でてアク抜きします(米粒でアク抜き)

       あら熱をとります

 ここまで来ると、ひと安心。1週間ぐらいは保存出来ます。これと、ウルイの下ごしらえを済ませて、昼食を食べたら、睡魔に襲われてしまった。ちょっと横になったと思ったのだが、目覚めたら午後4時過ぎ。台所に降りると、なんと、

       タケノコご飯の具材が出来上がってる!

「やっておいたわ。」

おおっ、サンキュー!

 一応、分量を書いておくと、米4合に対してタケノコ300g、鶏もも肉200g、油揚げ2枚に、ニンジン1/2本ほど。

 使う調味料はこれ。

       米4合に対して酒大さじ4、醤油は大さじ3強、顆粒だし小さじ1

 ご飯を炊いている間に天ぷら用タケノコの下ごしらえを済ませます。

 ・タケノコの皮を剥いて

 ・衣は卵水300mlに、薄力粉300+片栗粉80mlにしてみました

 ・140℃でじっくり揚げます

 ・今回は、ウルイの一部をかき揚げ風にして

       出来上がりです

 タケノコご飯も出来上がったみたいですよ。それでは、

       タケノコ山菜御膳、いただきます!

 はああああ~っ、たまらん!

 孟宗竹も旨いんだよ。だけど、ネマガリタケは格別です。甘さと香りが全然違うんです。

 本日は、結構くたびれた1日だったんだけど、なんだか食べるほどに力がみなぎってくる感じがします。

 タケノコ様、ウルイ様、山菜様、そして、大地の神様達、ありがとうございます。おかげで、山の幸の美味しさ(里の幸も)をたっぷりと楽しむことができました。

 やっぱり今日は、タケノコ記念日ですね。


タケノコ記念日

2022年05月27日 | 山菜料理

 今回連れ帰ったネマガリタケご一行様。

       初物としては上々です

 これはこれでいいんだけど、実のところ我が家には、この方々もいらっしゃったんです。

       孟宗竹のタケノコ

 図らずも、職場の職員の方が掘り出して分けてくれたのが2日前。アク抜きを済ませて、いろいろ調理してみたけど、まだまだ残ってました。どうする?

  ポクポクポクポク チ~ン

    ≪タケノコランチ≫

 

 とにもかくにも、孟宗竹のタケノコを食べるしかないでしょう。今日のお昼は、これで行ってみます。

 下ごしらえ・調理の部

 ・ベーコンをカリカリになるぐらいに炒めました

 ・残りご飯(2合強)に、贅沢すぎるほどタケノコを入れて

 ・酒大さじ2と塩ひとつまみ、顆粒だし小さじ1を加えて

 ・ベーコンを乗せたらスイッチON!(酒蒸しみたいなものか)

 ご飯を再加熱している間に、味噌汁の残りに水と出汁醤油とタケノコを加えると、椀物が生まれ変わります。

 ・採ってきたネマガリタケの一部をコンロで焼きます

 

       いい香りが家中に広がります

 ・ご飯が炊けたらよく混ぜて出来上がり

       本日のランチです

 焼きタケノコは、そのまま食べても美味しいんですが、マヨネーズをちょっとつけると、更に美味しくなります。新開発の酒蒸しタケノコご飯は、かなりいい加減みたいだけど、かなり考えて作りました。これまた、超旨いっす。

 山のタケノコと里のタケノコのコラボランチになってしまいました。もしかしたら、生涯に1度しか味わえない超贅沢料理かもしれません。

 里のタケノコ(孟宗竹)は、もう少し残っているんだけど、何とかなるでしょう。そして、ディナーでは、ネマガリタケを存分に使って味わう予定。

 ああ、もしかすると、本日は、マタギにとって忘れることの出来ない『タケノコ記念日』になるのかもしれない。

 

 To be continued!