山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

勉強になりました

2019年11月30日 | 日記とレシピ
 ガシャーン!
「あなた、何をするの!」
「うるせえ!こんな料理、他人様の前に出せる分けねえだろう!」
「そんな、これだけ頑張って作ってきたのに。」
「駄目なものは駄目なんだよ。一から出直しだ!」
「あなた・・・」
 どこかで見聞きしたことがあるシーンだが、自分がそんな気持ちになるなんて思ったこともなかった。そうなっちゃった原因は、こいつ。

原因は分かるんですけど

 我が家で突発的な事件があって、妻が準備しようとしていた料理を私が引き継ぐことになった。作りたいのは、サンマのつみれ料理。親戚から送られてきた冷凍のつみれを戻して調理しようと思っていた矢先での出来事だった。
 さて、今までやったことないよ。ひき肉ならあるけど、魚介ですか。ま、やってみれば分かることもあるはずだし、想像力を働かせてやってみましょう。何事も勉強です。
 で、冷蔵庫を開けてみると、確かにサンマのつみれ。多分、おろしショウガが加わった状態だ。ハンバーグじゃないんだよね。サンマの旨さを味わって貰いたくて送ってくれたはず。とすると、
 ポクポクポクポク、チーン
  ≪サンマのつみれあんかけ≫
 材料の部
 ・サンマのつみれ(詳細不明):200g
 ・小麦粉:大さじ2強?
 ・ゆで汁用のだし汁:ヒタヒタ以上
 あんかけ用(魚介向けあっさり、今回の中心なんです)
 ・みりん:大さじ1
 ・出汁醤油:大さじ2
 ・水:カップ1
 ・顆粒だし:少々
 ・水溶き片栗粉:小さじ1+α
 ・香りだし+臭み消し:レモン汁少々
 調理の部
 ・つみれに小麦粉を足して補強
 ・だし汁を湧かせる
 ・お好みの大きさのつみれ団子を握ってだし汁に投入
 ※前もって握るのではなく、握っては入れる方が崩れないと思う
 ・火が通ると浮いてくるので、順次すくっていく

かわいいつみれ団子

 あんの部
 ・水に顆粒だし、みりん、出汁醤油を入れて沸かす
 ・一旦火を止めてから、水溶き片栗粉を投入して混ぜてとろみをつける(弱火)
 ・盛り付け直前にレモン汁を加えて一混ぜ
 ※器に盛り付けた団子に回しかけて出来上がり

美味しかったです(見た目は次回工夫します)


 残ったつみれと、だし汁には、根菜類と味噌を加えてつみれ汁になってもらいました。
 とりあえず、これで満足なんですけど、冒頭の「ガシャーン!」は、あんかけの失敗によるもの。とろみつけのための片栗粉を、何も考えずに『大さじ1』にしたら、固まりそうになった。慌てて水分補給と思ったのに、手元の酒を入れたら、酒の苦みを閉じ込めたまま固まってしまったのだ(再利用できるかな?)。
 結局、一からやり直すことになってしまった。分量と手順のミスです。
 やっぱり、何事にも丁寧に謙虚に向かい合わねばならない。そんな勉強をさせて貰った一幕でした(また、やらかすと思うんだけどね)。

ポークカツ定食

2019年11月29日 | 日記とレシピ
 妻が、「トンカツ揚げてくれない?」と聞いてきた。そう言えば冷蔵庫の中に、ブロック肉がデーンと居座っていましたね。
 「だって、100g80円よ。しかも、国産。」
 何、確かに、それは安い。TPPが発効してから、カナダ産の豚肉がスーパーの棚に並ぶようになった。しかも、安くて美味しいから喜んでそれを利用していたんだけど、それよりも安いですね。
 なんだかんだと受難の国産豚肉業界のように聞いていたんだけど、これで、少しは助けになるのかなあ。と言いつつ、このことと私が調理することとは別だよな、と思う。ま、失業中のマタギとしては、アルバイトの仕事を貰ったようなものですね。謹んでお受けいたします。

  ≪ポークカツレツマタギバージョン≫
 下ごしらえの部
 ・人数分 行き渡るように見当をつけてブロック肉を切る
 ・包丁の背でたたいて伸ばす。筋も切ってしまう
 ※今回はもも肉だったんだけど必要でした
 ・全体の表面に塩コショウしてから地層みたいに重ねていく
 ※裏面にも塩コショウが付く
 ・バッタ液準備(11/16参照)
 ・パン粉はバットに広げておく
 ・皿やまな板にラップを広げておきます
 ※衣が付いたカツの待機場所。あとあと便利です
 調理の部
 ・肉をバッタ液⇒パン粉の順にくぐらせ待機場所へ

こんな感じです

 ※揚げるときまで、このまま別の場所に引っ越してもいいし、何より後始末が楽チンです
 ・揚げます(180℃)

 ※沈んでいるうちはノータッチ

 ※浮いてくる = 泡が小さくなってくる まで待ちます
 ・裏返して少々待ちます
 ※泡が小さくなる = きつね色に染まる まで待ちます
 ・油から取り出して、キッチンペーパーに立てて並べていきます
 ※油分が切れる
 ・しばらくしたら盛り付けて

 どうぞ召し上がれ。
 みなさんからも好評だったのでよかった。また、冬場のアルバイトにやりたいですね。

第二の人生

2019年11月28日 | キノコ採り
 マタギは、長い冬眠期間に入ろうとしている。冬場の狩りは、やらないからだ。でも、その前に、今年の山の様子を振り返っておこうと思う。
 まずは、倒木の変化について。
 今年は、結構新しい倒木が目立つ年だった。倒木というのは、樹木が持っている力が、自然のパワーに耐えられなくなったときにできるもの。山形の場合、積雪による圧力が一番の要因になっていると思う。でも、この頃は、枝に葉をつけたまま倒れてしまう = 雪のせいではないことが多くなってきたと感じている。

これは雪以外の力によるものだと思う

 多分だけど、風の力が、樹齢数百年を経て弱り始めた老木を倒してしまうようになっているんだと思う。このところの異常気象は、深山の環境にも変化をもたらしつつあるのだが、暴風もその一つだろう。
 豪雨も山の環境を一変させるパワーを持っているのだが、今年は、我がテリトリーでは、ほとんど影響がなかった。
 さて、本題に戻る。自分で書いておいてなんなんですけど、「新しい倒木」って、変な言葉だと思いません?倒木って、本来は古くなったから倒れた木なのに、我々キノコマンに言わせれば、「新しい」んですよね。
 人間よりも遙かに年上。何十年何百年と年を重ねてきた樹木が倒れる。そこから、新しい人生がスタートする。
 1年目、枝先から枯れ始めるが、まだ木の勢いが残っている。
 2年目、腐朽菌のうちでも気の早い奴が浸食を始める。

1番気の早いのがハナビラニカワタケかな?

 3年目以降、条件の良いものから順に様々なキノコ達が花を咲かせます。


こんな木に出会うのが嬉しくて出掛けるんです

 そして、徐々に勢いを失っていきます。
ずいぶんお世話になった木ですが、そろそろ終わりかも

 私の感覚としては、樹皮を大切にしていると長い年月楽しめます。樹皮が剥けてしまうと、急激に衰えていく感じ。したがって、仲間にもキノコ採りではナイフで削ぎ落とすことを勧めています。

キノコが出なくなった倒木 もうすぐ土に還ります

 こうしてみると樹木ってすごいと思う。自分の一生を終えた後、もう一度成長し、多くの命を育んでいくんだから。
 私ども人間も、「充実した第二の人生を」とか「人生百年時代」何て言っていますが、樹木の生き方を見習いたいものですね。新たな命の栄養になるのもよし。木材になって人の暮らしを支えるのもよし。自分が納得でき、人の役に立つ人生を歩みたいなあ。

三寒二温

2019年11月27日 | 日記
 職場の休憩時間には散歩に出掛けるのだが、一昨日は、外に出たくなくなるような空模様。分厚い雲に、冷たい北風が吹く。いかにも冬が来ました、という表情である。それでも、何らかの発見があるから、それをカメラに収めて楽しんでいる。今回の発見は、これ。

主役は雲ではありません

 これは、スズメの群れ。百羽以上はいたんじゃないかな。近づいたりカメラを向けたりすると逃げ出すので、なかなか全ては収まらないんです。けど、多いのは分かるでしょう。
 他の多くの野鳥も、子育てシーズンを終えると群れを作ります。その現象自体は知っていたんだけど、「なんで?」って考えたことのない自分がいることに気付かされた。
 う~ん。・・・何となくですよ。昔、国語の授業で習った、『大造じいさんとがん』なんかを思いうかべると、渡り鳥たちは群れをなし、賢いリーダーに先導されて、安全で住みやすい環境を目指して旅をする。そんな感じがします。

すみません どこかで見つけた画像です(以下同様)
 でも、スズメって渡り鳥じゃないよね。今度は『スイミー』なんていう物語が思い浮かんでくる。たとえ、強大な敵でも、みんなの知恵と力を集めれば撃退できる。こんなイメージかなあ。

こちらは魚ですけど・・・

 ま、本当のところは、鳥に聞いてみなければ分からないはず。でも、世の中の定説ってのがあるのかないのかも含めて、近いうち調べてみます。楽しみが増えました。
 そして本日(アップの前日)、天候がガラリと変わって散歩日和。


いやあ!清々しかったあ!!

 こういう日を小春日和って言うんだろうね。師走の迫るこの時期にこんな気持ちのよい散歩ができるなんて、すごく得した気分になりました。
 昨日と本日の「得した感」は、質が全然違うけれど、心が躍るという点では共通です。


 寒さが温かさを凌ぎ始めたこの季節だけど、心と身体のアンテナを高くしておこう。もっといろいろな発見と喜びに出逢えそうです。

不思議な?ナメコ

2019年11月26日 | キノコ料理
 今回、収穫してきたナメコを眺めると、ちょっと不思議なことに気付かされる。「調理」という視点だけで見ると、「大きいか小さいか」だったり、「開いているかいないか」だったりで種類分けしてしまうのだ。

「調理」するための種分け

 しかし、今回のナメコ達を下ごしらえしていて、収穫量は少ないのに、柄に汚れが目立つものが多いことに気付いた。

汚れを落とすためにまな板に

 写真を見れば分かるのだが、ナメコとは思えないような柄の長さなんですよ。これって、あるよなあ。
 下の写真は、天然のエノキタケです。

こんなに生命感に溢れています

 でも、多分ですよ、自分が地上に顔を出したとき、その環境が予定通りではなかったとしても、キノコ達は頑張るんだろうなあ。で、暗がりの瓶詰め栽培のエノキタケは、光を求めて細く長く伸びていくんでしょう。今回のナメコ達も、多分、光を求めて柄を伸ばしたんだと思う。この子達が汚れているのは、倒木の裏側から生えだしていて、収穫に難儀したためなんです。
 キノコが光合成をしないことは分かる。でも、人間だって、光に当たらないでいると病的な状態に陥ってしまうって言うではありませんか。健康的に育つため?もしかしたら、傘を広げて、胞子を飛ばすためなのかもしれない。
 分からないけれど、お日様を目指して成長するのは、植物もキノコも(もしかしたら人も)共通なんですね。
 と、感傷に浸るのはここまで。今シーズン最後のナメタケ作りです。

大粒のナメコは半分に裂きました

 今回は
 ・酒、醤油、みりん:各大さじ1.5
 ・顆粒だし:適量
 で、煮る予定だったんですけど、意識が朦朧として、醤油をドバッと入れちゃった(歳です)
 ※リカバリーのため、煮詰まる前に加熱を止めて食べます(まあ、許せる味です)

はい、できあがり

 残りのツブ達は、ナメコ汁にして戴く予定です。
 今シーズン最後のナメコ料理です。心して味わいたいと思います。
 今回の料理は、山歩きしてから休憩なしの突貫工事で行ったので、かなり危うくて、色んな所にミスが目立ちました。しかし、皆さん、美味しいと言って食べてくれたからいいではないか。

「わがマタギ人生に、一片の悔いなし!!」