山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

まずは、山のフカヒレランチから

2023年10月31日 | キノコ料理

 今朝は面白かった!

 秋の景色、秋の収穫、そして、仲間との和やかな交流のひと時。

 やっぱり山遊びは面白いし止められない。

 多分、今年は、過去に経験がないくらい短い秋になるとは思う。

 以前だったら、「短い期間に可能な限り」と考えたのだが、今の年寄りマタギは、無理をする気がない。

 自分が使える時間と、神様たちが許してくれる時間との折り合いをつけながら楽しんでいく予定だ。身の丈に合わせる、イコール、命あっての物種と言うことね。1回1回の楽しみを噛みしめながら、心して遊ばせて戴きたいと思います。

 さて、本日の収穫物だけど、

       ナメコとムキタケとサワモダシ

 量的には、驚くほどのものではないけれど、それぞれに、それなりの料理が作れるぐらいはある。前回の、『大きなカブ』みたいに、協力なしに単独で調理はできそうだ。

 で、本日から妻が外出するため、昼から翌朝まで好きなように料理ができる。ここで、この、山の神様からの恵みを生かさない手はないでしょう。 ふっふっふ

 炊飯器の蓋を開けると、丁度お昼ご飯に使えるぐらいのご飯が残っている。

 だったら、決まりですね。

  山のフカヒレ餡かけチャーハン

 一応、解説しておくと、『山のフカヒレ』=『ムキタケ』です。理由は、食べてみれば分かります。旨いんだ、これが。

 確か、去年、それらしきものを作った覚えがあるんだけど、その通りに作るわけではない。今、台所にある材料を組み合わせて楽しむのです。・・・とか言いながら、チャーハンについては定番です。

 下ごしらえ・調理の部

 

 ・溶き卵1個分を残りご飯に混ぜて

 ・中華出汁と醤油各小さじ1に塩コショウ

       第一段階終了

 ・タマネギ1/2個と粗挽きソーセージ3本をみじん切りに

 ・サラダ油で炒めて、タマネギが透明になったら

 ・用意しておいた卵ご飯をかけて、混ぜながら加熱

 ・卵が固体化するのに伴ってパラパラになります

 第二段階終了です。

 ※正直、ここで止めても美味しいはずです。でも、主役が控えているので・・・

 ・主役(ムキタケ)を湯がいて、食べやすい大きさに切っておきます

 ・シーフードミックスを少々解凍して

 ※ちょっと失敗でした。イカの食感が・・・

 ・タマネギ(1/2個、さっきのとは別)をくし切り、レタスを適量ちぎって

 ・水2カップと酒50ml、醤油ごま油大さじ1にオイスターソース小さじ2と塩コショウで煮る

 ここで妻が一時帰宅。

 ・一度火を止めた後、頃合いを見て水溶き片栗粉を加えて再沸騰

 ・チャーハンも加熱したら、形を整えて深皿に盛り付け

 ・アツアツの餡をかけて出来上がり

   皆さん、出来ましたよお。

 超美味しかったし、大好評でした。

 ただ、シーフードミックスの使い方に改善が必要だと思いました。

 山のフカヒレ(ムキタケ)のツルッとした食感が肝なのに、モンゴウイカ(?)がコリコリし過ぎていて合わない。

 ムキタケとシーフード出汁のコラボはすごく美味しいんだけど、食感にまで考えが及ばなかった。

 次に作るときは、イカの切り方を(サイコロ型とかに)変えるべきでしょうね。勉強になりました。

 何はともあれ、美味しかったから良しとしましょう。

 山の神様、ありがとうございました。 次のキノコも美味しく食べさせていただきたいと思います。

 さあて、何を作ろうかな?


大どんでん返しのキノコ採り

2023年10月30日 | キノコ採り

 本日は、A氏、M氏と一緒にキノコ採り。

 キノコ山には、まだ入山できないので、A氏のホームグラウンドと言ってよいK川に入る。

「この前見たときに、採ろうかどうか迷うぐらいだったんだけど、今日はいいんじゃないかな。」

我々が、『一丁目一番地』と名付けている倒木に、サワモダシ(ナラタケ)が出始まったと言う。

「誰からも採られていなければいいんだけど。」

 淵毎にイワナがペアを作り始めた小沢に沿って遡る。イワナの遡上とペアリングを初めて見るM氏は、

「イワナは、ちゃんと季節が分かってるんだねえ。」

感動しながら、淵を見つめている。我々も遡上だ。

 遡ること30分余り、『一丁目一番地』に辿りつく。

 遠目にも、木肌とは違う色の物が並んでいるのが見える。

   おおっ、出てますよ

       食べ頃のサワモダシ

 A氏の読みがピタリと当たったようです。

       胞子が落ちる前のベストタイミングです

 ここは3人で、上中下と手分けしてキノコ採り。

「いやあ、いいところに当たった!」

「この前のブナカノコもいがったけど、今回も凄い!」

「俺、この辺から採るよ。下の方、任せた。」

 キノコ採りに夢中になって音を出すのを忘れてしまい、クマと遭遇して怪我。そんな情報も聞こえてくるが、3人いれば声が弾んで、自ずと賑やかになる。多分、クマに関しては大丈夫だろう。もう一つ心配なのが、スズメバチなのだが、どういう訳か、今年は、一度も遭遇していない。これも、異常気象の影響によるものなのだろうか。

 さて、十分満足したのですが、A氏が隣の沢でナメコの出始めを見たと言うので覗きに行く。

       いつ訪れても豊かな森です

       それは、『美しい』ということ

       M氏が採っているのは

       ムキタケです

 「お~い、これ、鑑定してけろ。」

「どれどれ?あ、これダメ。ツキヨタケだ。」

「んだが。旨そうで騙されっずねえ。」

ツキヨタケは、時としてムキタケと並んで生えていたりするから、喜んで持ち帰ってしまうというのも、分からないではない。何と言っても、形がそっくりだからねえ。慣れてしまえば、一目でわかるんだけど、なんて、過信は禁物ですね。

 さて、A氏が見つけたというナメコの出始め。

       持ち帰るにはちょっと

       小さめなんだけど

 マタギにとっては、今シーズンの初物なので、戴くことにしました。

 はい、堪能させていただきました。十分満足です。

       葉を落とし少し見通しがよくなってきた森を後にする

 山の神様、今回もありがとうございました。A氏からの情報提供も、前回同様完璧でした。

 もう思い残すことはない。

 そう思ったのに・・・

       ムキタケ(超高品質)

      クリタケ(同上)

       ナメコ(唖然)

 帰り道の、とある場所で見つけてしまった。呆れつつも収穫させていただきました(ナメコには手が届かなかったけど)。

 思うに、ナラ枯れによる浸食が、標高の高いところまで範囲を広げつつあるということです。ナラ枯れから何年か経った木からは、こんな奇跡のようなキノコが生えてくるんですね。

 一応念のため。

 以前にも書いた気がするけれど、この原因は、『温暖化』ではありません。『人の生活スタイルが変化した』ためのようです。超簡単に言うと、「おじいさんが芝刈りに行かなくなったので、虫の入りやすいナラの木が増えてしまったのじゃ」ということらしいです。

 この先、山がどうなっていくかは、少々不安ですが、当面、この山の恵みを戴かない手はない。

 思いがけない収穫だったけど、3人で山分けして帰りましたとさ。

 めでたしめでたし。

 

「さっきまでの苦労は何だったんだ。」

 と言いながらも、奥山には、また入り込むことでしょう。だって、美しいんだもの。空気も水も澄んでいるんだもの。


みっけもん(さんぽうた205)

2023年10月29日 | いきもの

  みっけもん    つまぐろ ひょう

 

おいおい

こりゃあ、なかなかいいじゃないか

 

かぜのむくまま

ずいぶん とおくに

きちまったと おもったけど

 

こいつは

わるくないよ

 

けしきもいいし

めしも たっぷり

それに

なんてったって

あったかいぜ

 

こいつは

みっけもんだ

 

きめた

 

おれは

ここに すむぜ

 

みんな よろしくな

 

 

 本日の散歩で出会ったのは、このお方。

       ツマグロヒョウモンと申します

 『ヒョウ』君を見かけるようになったのは、つい最近のことです。

 以前は、山形には住んでいなかったと思います。

 初めてカメラに収めたのが去年のこと。

       うちの近所を歩いているときに見付けました

       セイタカアワダチソウの蜜を吸いながら

       のんびりしています

 人を恐れる気配なんて感じられません。

 飛び方も、それはそれは優雅です。

       本日、ほぼ1年ぶりに出会いました

       相変わらず優雅な飛翔です

 「ちょっとさ、人間とかが怖くないの?」

「何、無粋なこと言ってるんだい。こんなに気持ちいいのに、バタバタしていられるかよ。」

「そりゃそうだ。で、いつまでここにいるの?」

「だからよう、こんなに気持ちいい所なんだぜ。離れる必要、ねえだろ。」

「そりゃそうだ。じゃあ、また会おうね。」

「おう!またな。」

とのことでした。

 このお方、マタギの持っている図鑑では、『西日本以南に生息』と書いてあります。

 でも、この北国、山形でも繁殖するようになったみたいですね。ネットで調べると、ここ20年ぐらいの間に、徐々に生息域を北に広げてきて、ここまでやってきたようです。

 まあ、きれいなチョウチョが見られることは悪いことではないんだけど、生態系が崩れることがないように祈るばかりです。

 『ヒョウ』君、これからも仲良くしようね。他のみんなとも一緒にね。


ありがとう、舞茸!

2023年10月28日 | キノコ料理

 冷蔵庫のマイタケが、いよいよ最後になった。

 振り返ってみると、今年のマイタケシーズンは短かったが、内外に様々なドラマと学びとがあった。

 外では、

 変な爺さんとの競争と言うか分かち合いがあった。

 新しいミズナラの木の発見もあった。

 思うに、舞茸の魅力に惹かれて、本気で向き合うからこそ、ドラマが生まれるのではないかな。

       見つけた時の喜びは、やっぱり『舞』タケ

       深山のミズナラ、しかも、巨木にしか生えない

 きっと、山の神様が選んだ特別な木にだけ生えるんでしょう。

 料理でも、

 色々な発見があった。

 美味しいキノコを、より美味しく食べたいから工夫をするし、そのおかげで、発見があって進歩もする。

 今年は、下ごしらえの仕方と、天ぷらの揚げ方かな。

 いずれも、山の神様から授かった恵みであり知恵なのだと思います。

 さて、この秋最後のマイタケ料理

 どうするかは、保存を始めた時点であらかた決まっていました。

 天ぷらとお吸い物です。

       こういう部分を使いました(画像の左側ね)

 大きくて、香り・食感・味を楽しめそうなところを残しておいたんです。

 このサイズだと、本命が天ぷら、対抗がホイル焼きってところかな。でも、やっぱり天ぷらに軍配が上がります。だって、純粋にマイタケを味わえるんだもの。

 で、残っている部分を集めると、

       こうなります

 これは、お吸い物で決まりですね。

 こちらも、薄い味付けでマイタケの味と香りとを堪能できる。

 早速始めますが、既に細かいレシピは、先日紹介してあるので、留意点だけ。

 ※薄力粉は網でふるっておく。 卵水とともにしっかり冷やしておく。具材も

 ※油との温度差が衣を美しく開かせます

 ※油温は高め(175℃ぐらい)

 ※1回揚げる度に、揚げ玉やカスをしっかり掬い取る

 ※『花揚げ』にする時は、浮いてきたらスプーンで衣をかける(温度高すぎたかも)

       これは、余った衣で揚げたかき揚げ

 ここまで来ると、衣を使い切る段階なので、『花』は付けません。

       嗚呼、今年最後のマイタケの天ぷら

       マイタケのすまし汁とともに

 いただきます!

 いやあ、堪えられない美味しさですなあ。

 実は、冷凍保存分は、多少残してあるんですけど、これだけの味と香りは、多分、来年まで味わえないでしょう。

 マイタケ君、今年もたくさんの感動をありがとう!

 来年もよろしくお願いしますね。 

 

 ここから、マタギ家の食卓は、晩秋のキノコにシフトチェンジする予定なんですけど、まだ、どうなるか分かりません。

 山の神様、天気の神様、残り僅かな期間、どうかよろしくお願いいたします。


サルナシは天然のキウイ

2023年10月27日 | 山菜料理

 作日の山の神様からのいただきもの。

       サルナシと言います

なんとなく侮蔑的という感じがする名前ですが、どうしてどうして、美味しさ一級の山の幸です。

   熟したものの皮に切れ目を入れると、簡単に剥けます(下手でゴメン)

 で、この中身なんだけど、フルーツのキウイそのものです。味はほとんど同じで、サイズが小さいだけなんです。

 マタギは勝手に『和製天然キウイ』と名付けています。

 果肉をそのまま食べても十分なんだけど、これを活かしたスイーツができないかと思って冷蔵庫を覗くと、ありました。クリームチーズが出番を待ってウズウズしているじゃありませんか。これを使わせてもらいましょう。

 作るのは,チーズケーキです。超簡単なレシピを見つけたのでチャチャッとやってみますね。

 下ごしらえ・調理の部

 ・クリームチーズ1カップ(100g)を常温に戻して

 ・砂糖15gを加え

 ・溶き卵1個分を追加して

 ・泡立て器でしっかり馴染ませます

 ケーキ型に流し込むんだったら、この4倍ぐらい使うらしいので、今回は無理。

 ・耐熱ガラスの皿に流してみました

 ・170℃のオーブンで20分焼いてみたらこんな感じ(冷めたらへっこんだ)

 ・竹串を刺してみたけど、しっかり火が通ったみたいです

 ・放射状に8つに切り分けました

       朝飯前にできちゃった

 ここにですなあ、

       こんな風にサルナシを乗せるわけですよ

       分かる?この断面

 味も姿もキウイそっくり(こっちの方が甘いかな)です。二つが合わさると、チーズの風味に爽やかな甘酸っぱさが加わった天然キウイ風味のチーズケーキの出来上がりです。

 写真なので大きさが分かりにくいと思うんですけど、サルナシの直径は2cmないぐらいなので、とても可愛らしいデザートです。

 二つの相性も抜群で、簡単チーズケーキに酸味が欲しかったところを、サルナシが丁度よく補ってくれます。

 もちろん、大好評でした。

 毎度のことながら、山の神様には感謝しかありません。

 今回も、ありがとうございました。そして、ご馳走様でした。