山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

こんな日にこそ山菜御膳

2024年05月31日 | 山菜料理

 事の始まりは、ワラビの塩漬け。

 採ってきたワラビを塩漬けしようと、桶の蓋を開けてみると、

       2年前に漬けたサワモダシ(ナラタケ)じゃないの

 せっかく見つけたんだから、山菜たちと組み合わせて美味しい料理を作ることができないかと、考え始めた。

 ワラビサワモダシ・・・。

 廊下ではフキノトウが、冷蔵庫には月山筍ウドウルイコシアブラフキが出番を待っている。

 これだけ山菜が溢れているのなら、もう、あれしかありませんね。

 月山山麓山菜汁です。

 以前の職場(今もだけど)では、リフレッシュ券なるものが配布されて、それを使って老舗の美味しい料理を楽しむことができたんです(今はダメ)。

 いろんなお店の味を楽しんできたんだけど、ダントツで一番利用したのが出羽屋という山菜料理の専門店。

 このお店では、自分だけでは到底思いつかないような山菜料理を沢山食べさせてもらった。

 また、調理方法が分からないときには、ご主人から教えてもらったりもしてきた。

 このお店では、様々な美味しい料理を楽しませてもらってきたんだけど、その中で敢えて順位を付けるとしたら、最上位にくるのが山菜蕎麦と山菜汁なんです。

 春の山菜と秋のキノコとをふんだんに使ったこれらの料理は、客観的に見たら『山菜の異種格闘技戦』

 それぞれの素材が魅力的ではあるけれど、採れる季節はおろか、味も風味も全く異なる山菜を一つの鍋で食すことの恐ろしさ。

 ところが、食べてみると極めて美味しい絶妙なハーモニー。

 食べたことのある方は分かると思うんですけど、芸術的な美味しさなんです。

 これは、間違いなく老舗の主人が織りなす『山の幸の交響曲』

 憧れてやまないこの料理、これだけ美味しい山菜たちが集結しているんだから、本日はチャンスですよ。

 ・・・ただ、作り始めると、余りにも贅沢で勿体なくなってきたので、山菜御膳に路線変更(追加?)してしまいました。

 その辺も含めて記録しておきます。

 まずは、山菜汁の準備を始めました。

 ・塩漬けのサワモダシを沸騰させたお湯に入れてから冷まし、水を替えて塩抜き

 ・ワラビは一本漬けを作ったときの余りを中心に

 ここにタケノコその他の山菜が加わるんだけど、今回は、味にクセのある山菜を除くことにしました。

 代わりに、

       去年のコゴミがあったので戻して

       使いたいだけ使って、残りは胡麻和えにします

       このぐらいで十分!

 ・鶏もも200gを750mlのお湯で茹でてアクを掬ったら

 ・サワモダシも投入(ちょっとだけアクが出ます)

 ・タケノコとコゴミを入れてから

 ・出汁醤油200gと顆粒出汁少々(これで、完結。微調整なしで済みました)

 ※ワラビは、既に柔らかくなっているので、最後に入れます

 フキノトウコシアブラが勿体なくなったので、

       最もパフォーマンスの発揮できる

       天ぷらに変更

       フキノトウちゃんも

       コシアブラちゃんも

 きっと喜んでいると思います。

 フキノトウの爽やかな苦味と、コシアブラの上品な風味は、やっぱり天ぷらにした時にこそ素晴らしい!

 ワラビの1本漬けとコゴミの胡麻和えを、別皿に盛り付けたところで、

 ・山菜汁にワラビを加えて一煮立ち

       山菜汁の出来上がりです

 今回は、出羽屋名物の山菜蕎麦を模した吸い物系の味付けです。

       はい、出来ましたよう

 出羽屋の山菜定食には及ぶべくもないけれど、どれもこれも、超のつく美味しさです。

 ああ、山菜の季節だねえ!

 山形に暮らしていてよかった!!

 Y川とO川とS川の山の神様、それから、コゴミはT川、モダシはキノコ山の神様ですね、

 本当にありがとうございました!!!

 ご馳走様でした!


やっぱりワラビも山菜の王さま

2024年05月30日 | 山菜料理

 先日、山菜のアク抜きの話を書いたけど、その手間のレベルは、山菜の種類によって、本当にまちまち。

 でも、多分、横綱は、ワラビとゼンマイだと思う。

 今回、収穫してきたワラビも、残念ながらその日のうちには食べられないんです。

 それでも採りたくなってしまうのは、これまた横綱級に美味しいから。

 しかも、長期保存が効くことも、古来から重宝されてきた理由の一つに違いない。

 その辺の顛末を記録しておきたいと思います。

 まずは、ワラビを軽く洗って汚れを落としたら、

 ・アク抜き用(左)と塩漬け用(右)とに分けました

 ※太いほどアク抜きに時間がかかるので、細いものを選んでアク抜き(=即戦力)に回しました

 まずは塩漬けについてサラッと。

       桶にワラビを薄く並べて

       塩をたっぷりかけて重しをするところはフキやウドと同じ

 この作業を繰り返して一丁上がり。

 塩漬けに取り掛かるときに、この桶から何か出てきました。

       2年前に漬けたサワモダシ(ナラタケ)です

 これが、後ほど活躍することになります。

 さて、残りのワラビは、

 ・沸騰したお湯に入れたら重曹を少し回しかけて(お湯3ℓに小さじ3)

 ・再沸騰する前に全体を裏返して蓋。冷めるまで一昼夜待ちました

       かなりのアクが出るので

       水を2~3度取り替えて、更に半日

 ※この時点で、ワラビはかなり柔らかくなっているので、優しく!

 2日目の夕方、調理にかかります。

 ・ワラビを15cm強の長さに切って

 ・水:出汁醤油=1:1 + 顆粒出汁のだし汁を作り(今回は50+50ml)

 ・半分はジップロックで密封。ワラビの一本漬けに(画像の奥)

 ・残りは適量を更に切り分けて、おひたし他に使う予定

 本日は、一本漬けの方を紹介しますね。と言っても既にできたも同然。

       約3時間後、食べる分だけ袋から出して盛り付け

       このままで十分に美味しいんですが、唐辛子味も非常に旨い

 やっぱり、手間暇をかけてでも食べたくなる訳がよく分かります。

 数ある『山菜の王様』ですが、ワラビも間違いなく王様です。

 もちろん、違った料理でもワラビの美味しさは存分に楽しめます。

 次回は、残ったワラビをどう料理したか記録したいと思います。

 とりあえず、ご馳走様でした!


これで一件落着!あずきパイ

2024年05月29日 | 日記とレシピ

 スーパー朝仕事のワラビ採りからの帰還後は、ちょっと忙しくなる。

 ワラビの場合、なるべく早く下処理を済ませないと、どんどん硬くなってしまうのだ。

 他の山菜でも似たような現象は起こるが、ワラビが一番早いような気がする。

 で、塩漬け作業とアク抜き作業とが始まるのだが、本日の日記のメインは、これじゃないので、記録は明日以降に回します。

 まあ、とにかく下ごしらえの第一段階が終わったころに暑くなってきたので、冷たいランチでも作ろうかと思ったのだが、残念、本日のランチは、もう決めてあるんだって。

 お昼前のひと時、ポッカリと時間が余ってしまった。

 そんじゃあ、別の料理で穴埋めしましょう!

 で、冷凍庫の中を調べると、

       懐かしい粒あんです

 実は、気づいてはいたんです。

 というか、買ってきたのも余らせたのもマタギなので、気になってはいたんです。 

 最初は『小倉ヨーグルトケーキ』

 残ってしまったので『アンパン』

 それでも、使い切れていなかったので冷凍庫に保存していたんです。

 さあ、いよいよ君の出番だよ!

 なんて言いながら、ここまで残してしまった後ろめたさを感じつつ、小豆ちゃんのパートナーを探してみた。

 いました!

 君の名は、

       冷凍パイシートです

 あんまり便利なものだから、最近は自分で生地を作らずに、冷凍庫に常備しておくようになっていたんです。

 これで行けるんじゃないかい?

 その名も、あずきパイ

 念のために調べてみると、この組み合わせ、結構な人気料理のようで、色々な人が作っていることが分かりました(当然か)。

 それでは、やってみましょう。

 ・小豆はぬるま湯で湯煎にかけて、解き卵も準備します

 ・パイ生地をある程度解凍させたら麺棒で伸ばして8等分しました

 ・そこにあずきをちょっとずつ乗せてパタンと折りたたみます

 ・クッキングシートに引っ越して、フォークで口を留めたら

 ・用意しておいた解き卵を塗って艶出しに

 ・200℃に予熱しておいたオーブンで10分焼いたら

       出来上がりです

       簡単可愛いでしょう

 弱点は、口をしっかり止めたつもりでも、加熱しているうちにあずきがはみ出してくること。

 マタギが欲張って入れ過ぎたのかもしれません(何が何でも全部使い切りたかったから)。

 ただ、はみ出た分を拭き取ってしまえば、簡単にきれいになるので、問題ないんじゃないかな。

 家族からは、めちゃくちゃ大好評でした。

 今回は、パイシートの伸ばし方もあずきの量も適当だったんだけど、きちんと作ればもっときれいに仕上がると思います。

 ま、何よりも、残っていたあずきを美味しく消費出来てよかった。

 あずきちゃん、これで許しておくれ。

 そして、ぽっかり空いた隙間時間も有効に使うことができました。めでたい。

 おまけのおまけに、こんなに美味しいのにこんなに簡単でいいの?って感じ。

 機会を見つけて、また作ってみたいと思います。

 ご馳走様でした!


スーパーワラビ採りは、スーパー朝仕事

2024年05月28日 | 山菜採り

    早蕨の萌えいずる春になりにけるかも

 

 巷では、とうに、そういう季節が到来しているのだが、マタギのワラビ採りは、ようやく始まる。

 と言うのも、ここ数年通っているワラビ採り場の春が遅いため。

「明日、行ってみね?」

「まだ、ちょっと早いみたいだけど、行ってみるか。」

的な話になり、A氏と出かけることになった。

 この広場、春の訪れは遅いが、とにかく、どこよりも高品質なワラビが採れる。

 謂わば、スーパーワラビ採り場だ。

 この場所をA氏が発見して以来、他の場所のワラビに目がいかなくなってしまったのだ。

 去年よりも、10日ほど早いが、今年の気候なら、もう発生しているかもしれない。

 日の出時刻を目標に出発した。

 急斜面を数十m下って広場に着くと、

       出始めてるじゃない

 この画像だと、暗闇みたいだけれど、ストロボの発光を止めると、

       一応、もう、夜明けです

 この採り場でも、例によって、頭上の山菜タラノメなんかは、すっかり枝葉を広げている。

 足元はというと、コゴミ類はもちろん、ウドも伸びきっている感じ。

 ただ、肝心のワラビは、A氏が言っていたように、まだ出始めという感じだ。

 したがって、伸び切ったシダ類をかき分けながらのワラビ採りになった。

       伸びた草木をかき分けてワラビを採る

 シオデやオオナルコユリも、出ている気配がない。

 今年の山の特徴と言うか、変なところ。

 山菜の種類によって、出る時期が例年と異なるだけでなく、ずれ大きくなっているのはこの地も同じようだ。

 それでも、

       なかなかいいワラビも出ています

 藪の中に入ると、

       これで60cm以上あります

軟やわとした、いいワラビが生えています。

 まだ最盛期ではないから、そんなに大量には採れないけれど、十分です。

       朝日の射し始めた広場をあとにする

「次は、N沢か。」

「タケノコも、早いべねえ。」

「また連絡するから。」

「うん。よろしく。」

 そうして、帰宅したのは、朝の7時。

 通勤ラッシュの始まる前に着いてしまった。スーパー朝仕事ですな。

       出始めだけど、いいワラビです

 ワラビの場合、ここからの下ごしらえが簡単でないから、丁度いいくらいかもしれない。

 ここからワラビの保存とアク抜き作業が始まることになります。

 ああ、こういう短期決戦もいいもんだね。

 収穫もさることながら、いい汗をかくことができました。

 さあ、台所での第二部も頑張りますよ!

 山の神様、本日もありがとうございました。


アク抜きで山菜を美味しく

2024年05月27日 | 山菜料理

 今回の収穫物。

       月山筍は、上々の収穫

       ウルイもそれなりに戴けたし

       ウドは高品質なので文句なし

       フキも非常に美しい

 で、山から戴いてきたものだから、そのまま食せるなんてことは、ほぼあり得ません。

 下ごしらえという作業が必要になります。

 月山筍の場合、米粒や糠を入れた鍋で暫く茹でるのが我が家の定番。

 ウルイの場合、独特の苦みが葉先に集中するので、それを外すことと、十二単のような茎の隙間に入り込んだゴミや汚れを洗い落とす作業が必須。

 上記の写真レベルまで来たら、固さに応じて茹でるだけ。

       とってもおいしいおひたしになります

 ウドなんですけど、洗ってそのままガブリと食べる手もあるんだけど、先週採ってきた残りもあったので、またまたオリーブ炒めにすることを考えました。

 ただ、そのまま炒めると苦みが強いので、アク抜きです。

 ・ウドを軽く茹でて、薄皮を剥いたら食べやすい大きさに切り分けます

 ※薄皮剥きが決め手。苦味が殆どなくなります(この辺はお好みで)

       いつものようにベーコンがお供します

       オリーブオイルで炒めて、軽く塩コショウ

 ※後ほど、ウルイのオリーブ炒めと食べ比べてみたんだけど、それぞれの個性が楽しめて、面白かったです。

 そして、今回のラスボスは、フキです。

 何度も紹介しているフキノトウの茎と似ているけれど、料理の仕方が全く異なります。

 一応、忘れないように記録を残しておきます。

       殆どは、軽く洗ってから塩漬けにしました

 今回料理したのは、残りの一部です。

       他の山菜よりもずっとアクが強いので10分ほど茹でました

       暫く水にさらしてから薄皮を剥いて(綺麗でしょ)

       含め煮にしてみました

 薄めの漬け汁(水:出汁醤油=4:1)で煮含めて、

       完全に冷めるまで待ちます

 で、夕食に並んだのがこちら。

 ウルイの酢味噌和えとタケノコ汁にウドのオリーブ炒めとフキの含め煮です

 ついでに、右側は、先日の刺身で余ったヒラメのムニエルです。

 そんでですね、ウルイとタケノコとウドは、しっかりアクが抜けてすごく美味しかったんです。

 ただ、フキだけが苦味が気になって食べづらい。

 ここだけが、唯一残念なところ。

 これは、明らかにアク抜き不十分です。

 急遽、残りのフキを水に一晩さらしてアク抜きを再開しました。

 その後、改めてだし汁で煮含めたのがこれ。

       妻が冷蔵してくれていました

 仕事から帰って試食してみると、旨い!

 ホッとするとともに、山菜のアク抜きの難しさを再認識させられました。

 アク抜き、下ごしらえの仕方や手間は、種類によって大きく違う。

 いい勉強になりました。

 フキちゃん、ありがとうね。