山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

やっぱり旨い!月山筍の天ぷら

2021年06月30日 | 山菜料理

 夢のようなひとときを終えて帰宅。前回ほどの疲れは感じないものの、なんと言っても寝不足。さっさと収穫物の下ごしらえを済ませてひと休みしたい。では、早速始めますか。

       本日の収穫物(赤いダイヤと緑のタヌキじゃなくて筍)

 軽く洗って、生調理用と茹でるもの、更に、長さによって分別していきます。

       まずは、茹でタケノコ

 この子達が、ご飯や椀物等、料理の主役になりますね。そして、食べきれない分は、

       前回同様、瓶詰めに(1瓶にひびが入ってしまい2つだけ)

 ここまでで、私は一時休憩(結局、14時間連続業務になってしまった)。

       ひと休みしている間に妻が作ってくれてました

 さあ、次こそが本日やってみたい料理です。

 

  ≪月山筍の天ぷら≫

 下ごしらえの部

・天ぷらにしやすい短めのものを選んで生のまま皮を剥いていきます

       左が剥く前、右が剥いたあと

 残りの6本も剥くと、

       同じくらいの長さになりました

 どれだけしっかりと皮に守られていたかが分かります。短くなりすぎた気もするけど・・・

 ・根元を包丁で切り落とします

 ※目的、汚れ落としと硬すぎる節を落とす

 ・一応、キッチンペーパーで水分を拭いて、打ち粉(片栗粉使用)をして待機

 ・衣を作ります。卵黄+マヨ:冷水:薄力粉 = 1:2:4

 ※薄力粉を入れるのは、揚げる直前

 ※混ぜるのは、箸でザッと十数回

 調理の部

 ・低温(多分140℃ぐらい)の油に、衣を潜らせたタケノコを投入

 ※タケノコは密度が高いので、火が通るまで低い温度でじっくり揚げたい

       浮いてきました

 ・揚げ玉をすくい取りながら、泡が小さくなるまでのんびり待ちます

 ※そもそも円錐形なんで難しいんだけど、途中裏返します(無理なものは無理です)

 ・待機していたキッチンペーパーの上に、野外炊飯のように井げたを組みます

 油を切ったら出来上がり。

       衣の仕上がりに注目!

 美味しそうでしょう。見栄えについては、かなりハイレベルにできてますね。ただ、ここで、失敗に気付く。

「摘まみ食いするためには、もっと沢山揚げるべきであった。」

 実は、タケノコを用意した時点では、もう少し大きな天ぷらになるかなと思っていたんですけど、皮を剥いてみたら意外と小さくなってしまったんです。このサイズになるんだったら、もっと数が多くてもよかったです。これは、次回への課題として記録に残しておきましょう。したがって、味見の方は、食事の時がくるまでお預け。そして、

       本日の夕食です

 山菜御膳は終了したんだけど、これは、筍御膳と言ってよいのではないでしょうか。

 肝心のお味の方は・・、旨かったあ!!

 

 『月山筍はアクがない』という言葉を聞くことがありますが、現実には『少ししかない』が正解だと思います。例えば『炎の呼吸』で焼きタケノコにしても、若干の”えぐみ”は残ります。そのため、マタギは、基本的には米汁で時間をかけて下茹でします。でもね、この『天ぷらの呼吸』だと、月山筍の甘みと香りとサクッとした歯ざわりだけが残って、欠点が解消されるんです。理由については、今後、徐々に明らかにしていきましょう。

 今回の味付け。ほんのちょっとの塩味で戴きました(次回もそうしたい)。

 『月山筍の天ぷら』、やっぱり、年に1度は、いや、2度でも3度でもやってみたい料理ですね。これも、この素晴らしい食材の旨さを存分に味わえる料理です。

 もう一つ、マタギにとっての収穫になったのが、天ぷらの衣です。今回のものは、ほぼ理想通りのものに仕上がりました。この作り方も、忘れないように記録を残しておきましょう。

 

 全ての恵みに感謝を込めて、ごちそうさまでした!


また会いに来るよ!

2021年06月29日 | 山菜採り

 山菜採りを楽しむようになってから何十年も経つ。ここまで来ると、さすがの『下手の横好き』でも、年間スケジュールがある程度固定されてくる。例えば、『春の遠征で最初のターゲットはワサビ。だったら、目的地はN川。』みたいな感じ。

 こんなスケジュールに従いながらも、採り場の修正や更新を繰り返すのが、この所のマタギの暮らしだ。

 で、とうとう梅雨入りしてしまいました。もう、真夏は目の前です。つまり、(春の)山菜シーズンが終了です。こんな時期に、シーズンを締めくくるのがN沢のタケノコ採りなのだよ。

 前回は、『怪我療養中の身』でも行けたことが嬉しかった。でも、その時確信したのが、『まだ出るはずだ』ということ。同行したA氏も同じ感想を持ったようなので、即座に再訪決定。4日後に出掛けることになった。

 そんでもって、前回の結果をもとに反省してみて、もう一つはっきりしたのは、

 『やっぱりこの山遊びは、最高級にくたびれる』ということ。だったらどうする。

 ポクポクポクポク チ~ン

  『荷物の軽量化と低速運転作戦』

 大体にして、収穫物だけで10㎏にもなるんだから、余計なものを持って行って自分自身を苦しめるのは間抜けくさい。荷物を再点検してみる。

 安全確保のために、足回りはしっかり固める必要があるし、GPSは必携。だけど、このコース、日程なら、ザイル(そもそも怪我人には使えない)とランタンはいらないです。ナタもいらないよね。・・・この辺りを抜いただけで、随分軽くなった。

 ひと安心して当日を迎える。もう一つの課題である『ペース配分』なんだけど、同行のA氏にその旨を伝えてのんびりと進む。

 この二つだけで随分楽になった気がする。そのせいなのかどうなのか、最標高地点には、前回よりも15分も早く到着してしまった。遅く歩いてるのに早く着くって不思議な気もするけど、長距離走なんかのことを思い起こすと、なんだか納得がいく。『最適なイーブンペース』、忘れないでおきましょう。

 さて、山頂下の雪原はというと、

       こんな風でした  

       前回の様子

 雪の量と植物の様子とを見比べてほしいんだけど、わずか4日で随分季節が進んでいました。

 さあ、採りますよ!前回見たとき、まだ出ていなかった場所を中心に右往左往。

       赤いダイヤと

       緑のタヌキじゃなくてタケノコ

 不思議なことに、同じ採り場でも、「全く別の種類じゃないのか?」と思うほど色が違う物が出ていました。食べては遜色ないはずなので、選り好みせずに採らせていただきました。

 雪渓の際からちょっとだけ離れた場所が採り頃という感じですね。お陰様で、本日も十分にいただくことができました。

 採った量はほぼ同じなのに、リュックが軽い。これ、嬉しいです。登りの苦労は、もちろんなんだけど、下りの時に荷物が重いとダメージが大きいんですよ。それが、かなり軽減された感じ。作戦は成功と言ってよいでしょう。

 前回よりもちょっとだけ軽い足取りで山を下り始めると、

       サラサドウダン

       コバイケイソウ

       イワカガミ

 可憐な花々が見送ってくれていることに気付きました(登りの時には気付かない)。

 「また来るよ。」

それは、来年のことになるかもしれないな。でも、きっとまた来るからね。

 山の神様、本日もありがとうございました。


わしはわし(さんぽうた86)

2021年06月28日 | いきもの

  わしはわし   どくだ みつのり

 

わしをめにして

きれいだとは

おもわんか?

 

くらがりにうかぶ

しろいはな

うつくしいとは

おもわんか?

 

でもな

「においがね」とか

「ふえすぎて」とか

くげん も きこえてくる

 

さてな

においも わし

ふえるのも わし

そして

きれいなのも わし

 

ぜんぶあわせて わし

よくも わるくも

わしは わしなのだよ

 

まっさらな めで

みてほしいのう

 

 ここにきて目立つようになってきた花。

       あっちでも

       こっちでも

 咲き誇っています。ハート型の葉っぱ。純白の花びら(萼?)。きれいな花です。ただね、一度根付くと、ちょっとやそっとではなくなりません。匂いも独特で、ちょっと・・・。

 まあ、そんな個性を全部ひっくるめて楽しめばいいじゃないか。そんな気持ちでこの花が咲く季節になったことを喜んでおります。人間だっておんなじだよね。

 ところで、

       ラッキードクダミ

 この2年くらいですかね。いろいろなところで耳にするようになったのが『ラッキードクダミ』というもの。

 普通は4枚の花びら(萼?)なんだけど、ようく見ると写真のような5枚花や6枚花が咲いているときがあります。これを見つけたら、その日、良いことがあるというやつだそうです。

 探してみるの、結構楽しいし、見つけると嬉しくなります。そんな気持ちで、『ドクダ』さんを見つめてみるのもおもしろいと思いますよ。


新しい季節へ(ワクチン接種)

2021年06月27日 | 日記

 梅雨空のもと、

       あちこちで月見草が咲き始めた頃

一通の封筒が届きました。

       おおっ、遂に来たか!

 封を切って読んでみると、非常に分かりづらいんだけど、どうやら、指定会場でネット経由の予約につき、『今すぐ』予約可能ということらしい。

 へえ、どうやって手続きするのかな。

 山形市のHPを開いてみると、『集団接種』なるコーナーができているではないか。興味が惹かれたのでアクセスして進んでいくうちに、予約が完了してしまった。

 このことを妻に話すと、「私も」とのこと。はいはい、簡単ですよ。ただね、接種後の副反応は、誰にどのくらい生じるか分からないから、3日の間を空けましょう。これだと、どちらかに何かが起こっても、最悪、両方に何かがあっても対応できるはず。はい、完了。

 さて、当日の接種開始は午前9時からだって。多分、希望者が多ければかなり待たされるんだろうね。

 また市のHPを調べていくと、市内各地から、このためのシャトルバスが配置されているらしい。その接種会場への到着予定時刻が、一律8時45分だ。ということは、その前に会場に着いていないと、待たされること間違いなし。だったら余裕をもって、8時30分到着を目指しましょう。

 当日、予定通りに接種会場に着くと、

       結構いますね

 マタギが並んだのは2ndグループ。数えてみると、その30何番目かだ。この先、どうなるのかは分からない。時が来るのを待ちましょう。

 そして、時間だ。前のグループと、マタギのグループの半分までが中に案内された(マタギもギリギリセーフ)。

 接種会場に入ったあとは、極めてスムースだった。

       広い会場にソーシャルディスタンスの配置

 検温 ⇒ 消毒 ⇒ 予約確認 ⇒ 携行品点検 ⇒ 問診 ⇒ ワクチン接種

ここまでの時間総計、なんと7分!

やるじゃないの。これなら大規模接種も可能だわ。(ちょっと失礼ですけど、お役所仕事とは思えませんでした)

 その後、大きなデジタル時計の設置されたスペースに案内されて、メモされた時刻(接種から15分後)になると、

       既に終了間近です

異常の有無を尋ねられた上で、完了確認のブースへ。次回の接種について説明を受けて終了です。

 待ち時間を除いて、25分もかかりませんでした。繰り返しますが、国(山形市?)もやるじゃない。これなら、殆どストレスないわ。

 想像するに、この流れの中で渋滞が発生するとしたら、接種会場に入るまでの待機時間と、接種後の15分から完了確認につながる部分でしょう。

 そう考えると、披接種者としては、ちょっと早めに会場到着することが、ストレスなく接種を受けるためのポイントになるかも。

       もらったパンフレット

 家に帰ってパンフレットを読むと、副反応について色々と書いてあった。そう言えば、ブロ友のゆりさんが「慌てず冷静に」みたいな主旨で対応について書いてました。

 早速、厚労省のHPを読んでみると、『発熱や痛み』に対して『アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬など』が使用できるとのこと。

 え?それって、もしかして、今回の怪我に伴って処方された飲み薬じゃない?

 調べてみると、ビンゴでした。

 なんだか1回目の接種は、何ともなかったみたい。なので、次の接種までに使えるかどうか先生に聞いておこう。

 長い長いトンネル。その先に少しだけ光が見えた気がする。部屋の窓を開けると、

我が家のビワの実が大きくなってきたのが目に入ってきました。

 2回目の接種の頃には、オレンジ色に色づいて、メジロとヒヨドリが取り合っているかもしれないなあ。いや、もうすっかり食べられて、新しい季節が始まっているかもな。

 ・・・3日後に接種に出掛けた妻が言うには、

「会場の撮影禁止って書いてあったわよ。」

だそうだ。慌てて日記の公開を止めていたんだけど、2回目の接種に合わせて復活させることにしました。悪しからず。

 


赤いダイヤの行方

2021年06月26日 | 山菜料理

 極めて楽しかった本日の山業。採れた採れないという結果以上に、現在の自分と向かい合い、現状を知ることができたことが嬉しい。さて、収穫物だけど、

       う、美しい!

 10㎏ぐらいはあるかなと思ったんだけど、僅かに足りませんでした。そんなことよりも、さすがは『月山筍』。太くて美しいではないか。『赤いダイヤ』という呼称にも十分頷ける。これに味をしめて、4日後の休みにまた出掛けてみようかな、なんて考えているものだから、このままだと供給過剰。我が家だけでは消費しきれませんね。

 いつもお魚の挑戦状を送って下さる石巻の叔父と叔母に、挑戦状返しといきますか。さっそく連絡を取ると、生のままでいいということだったので、クール便で送る。

 残りのタケノコだけど、焼きタケノコ用を抜いてもかなりの量だ。これは、決まりですね。

  ≪ネマガリタケの瓶詰め≫

 

 神の啓示だろうか。昨日、タケノコの瓶詰めを開封したところに新たな瓶詰め用のタケノコが到着するとは。正に、ドンピシャのタイミングでの代替わりとなる。

 

 下ごしらえの部(だけ)

 ・米粒を入れた熱湯でアク抜き(20分)

       ここで裏返し

 ・再沸騰したらひっくり返して落とし蓋

 ・再々沸騰したら弱火にしてタイマーが鳴るまで待ちます

       一丁上がり(これを3回繰り返しました)

 ・冷蔵庫用を確保したら瓶詰め用に調整していく

       左から 再利用分、 硬いので捨てる『節』、 瓶詰め用 

 ※これを延々と繰り返すと

       赤いダイヤの山が翡翠色の山に変身(再利用分もかなりある)

 これを見てるだけで嬉しくなってしまいます。というよりも、思わず摘まみ食いしたくなるよね。手伝いを申し出てくれた妻に、このことを話したら、「何で分かったの。」だって。ま、当然でしょう。誰だってこの香りと色に包まれたら食べたくなるってもんだ。おかげで作業は早く済ませられました。

 ・これを保存瓶に詰めて

 ・沸騰した鍋に入れるんだけど、このままだと浮き上がってくるので瓶にも熱湯を注ぎます

       鍋はもっと深い方がいいのだろうが、我が家ではこれが限界

 ・再沸騰したら、瓶の方にもヒタヒタまで熱湯を注ぎ足して、緩く蓋をします

       こんな感じ

 ・しばらく観察します(30分ぐらいかかった)

 ※瓶の中から泡が立ち始めるのを待つ(水に溶けていた空気や塩素じゃなくて水蒸気:とめどなく出てきます)

 ※鍋の水位が下がってきたら、沸騰したお湯をつぎ足します(脇で、やかんが待機してます)

 ・瓶の中の沸騰が始まって30分ほど経ったら蓋をギュッと締めて消火

 ※瓶の中の沸騰は、小さい泡が出てくるだけなのでよく見ていないと分かりません

 ・素早く鍋から出して逆立ち待機

       やっぱり美しい!

 瓶の上に見える空気みたいな泡は、水蒸気です(この30分で空気を追い出したのです)。温度が下がると、水に戻って、この空間は真空になります。上手くいっていれば、蓋がへこみます。

       夜の状態です(蓋の中央がへこんでいるの、見えるかな?2つ上の画像と比較)

 これで長期間保存することができます。ただし、上手く空気を追い出せていないと酸化が始まって蓋のへこみが戻ったり下手をすると膨らんできたりします。そういうときには、もう一度同じ作業を繰り返します。

 ここ数年は失敗したことがないんだけど、この作業って、いつも疲労と睡魔と戦いながらやってるから侮れません。もう少しの間は、目に付く場所に置いて、警戒レベルを下げないようにしておきたいと思います。

 何てったって、今シーズン1番の苦労の成果だし、山の神様からのご褒美だからね。

 

 これにて、やるべきことは全て終わった。それでは、お休みなさい。