山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

ワラビ撮り

2021年04月30日 | 山菜採り
 『好事魔多し』と申しますか。『年寄りの冷や水(リアルバージョン)』と申しますか。せっかく山菜シーズンに入ったのに、ドクターストップがかかってしまいました。
 詳しくは申しませんが、全治3ヶ月、力仕事禁止だそうだ。ま、力入れた途端に激痛が走るんだから、当然禁止だわ。
 しかし、ここでしょぼくれても仕方がない。以前にも書いたかな?『失敗』とは、自らを次の進歩へと導いてくれる『チャンス』なのだ。  
 とりあえず、家内外の仕事は出来る。ボランティアでやってる競技運営も何とかなるでしょう。出来なくなったのは、海山遊びだけじゃないか。
 ・・・それにしても、身体が疼く。痛み以上に遊びたい欲求が身体を駆け巡っている感じ。だって、これから山菜も海も最盛期ですからね。
 そんな折りに、ラジオから面白い企画が耳に入ってきた。『妄想旅行』と言うらしい。何やら、このコロナ禍で思うように実現できない願いや、行けたら楽しいだろうなという旅の夢を、妄想という翼に乗せて広げる企画らしい。これが、荒唐無稽であったり、共感させられたり様々で、結構引き込まれるのだ。
 おっ、この企画、マタギも乗りましょう!名付けて、『妄想山遊び』。
 病院での診察を終えた帰り道、自宅とは反対方向にちょっと寄り道してみることにする。


       まだまだ雪代水のS川

       周辺には春の気配
 そして、駐めた車の傍には、

       今季初対面のワラビです

       こんにちは
 この子達を写真に撮って帰ってきました。
 予想通り、ワラビぐらいなら『撮れた』し、もうちょっと回復すると『採れる』かもしれませんね。
 例年とは違う春になりそうです。それでも、自分の身体と、お医者さんと相談しながら、少しずつ楽しみを広げていきます。

不思議なボール?

2021年04月29日 | 山菜料理
 ポケットをたたくとビスケットは2つ。も1つたたくとビスケットは3つ・・・。
こんな童謡がありました。当時、ひねくれガキだったマタギは、「そんなことあるわけないだろ。あるとしたら、ポケットを叩いたら中のビスケットが割れて、数が増えただけじゃないか。」ぐらいに考えていたものです。
 ところが、本当にあるみたいなんですね、不思議なポケット。いや、不思議なボールのお話です。
 1週間前に採ってきたフキノトウ。


       雪の消え際から採ってきた黄色い妖精達
 これを、毎日刻んで味噌汁に入れて、春の味と香りとを楽しんでいたんですよ。ところがですね、


       ボールからはみ出しつつある!
 食べて減らしているはずなのに、増えてるんです。正に「不思議なポケット」ならぬ、「不思議なボール」。
 これは、自然からの恵みを大切にしてきた正直爺さん(嘘です)に対して神様が与えて下さったミラクルプレゼント?そんなわけないですよね。
 ・・・賢明な読者の皆様は、既にお気づきのことと思います。水にさらしてあったフキノトウが、このところの陽気に誘われて成長してしまったようなんですね。ボールから取りだしてみると、茎が伸びて花が開こうとしているのが分かります。
 う~ん。そろそろ天ぷらにしようと考えていたんだけど、大きくなり過ぎかも。

 ポクポクポクポク チ~ン
  ≪フキノトウの天ぷら(花と茎を分けたバージョン)≫
 我が家で「フキノトウの天ぷら」と言ったら、丸ごと揚げるのが当たり前なんです。でも、最近知った情報によると、花芽を取り外してしまう調理法もあるらしいんですね。それによって、仕上がりや旨みがどう違ってくるのか確かめてみたかったのですが、今回の状態だと、それを確かめる絶好のチャンスみたいです。

 下ごしらえの部
 ・軽く洗って水を切ります
 ・伸びはじめたフキノトウを、花と茎とに分けます


       左が花で右が茎です

 調理の部
 ・フキノトウの準備ができたら衣を作ります
 ※冷水120mlにマヨネーズ30mlを加えてよく混ぜたところに、薄力粉180mlをふるいかけて、ざっくりと混ぜます

      こんな感じ

 ・「花の部」と「茎の部」とに分けて、160℃で揚げてみました
 ※前半は手出ししない。揚げ玉はこまめに取る。


      まだまだ気泡が大きい。じっと我慢
 ・浮いてきて泡が小さくなってきたらひっくり返して、更に泡立ちがおさまったら出来上がり
 ※出来るだけ縦に置いて油分を落とします


      出来上がりです
 手前側が「茎」で、奥側が「花」です。
 それでは、早速戴きましょう!
 「茎」の方は、フキ独特の風味を堪能できます。「花」の方は、揚げたにも拘わらず、フキノトウ独特の苦みを少々残しています。こちらはこちらで、(花芽の)フキノトウの個性を堪能できます。

「どっちも美味しいけど、私は花の方が好み。」
「俺は茎が好みだなあ。」
などと言葉を交わしながら、本日もフキノトウ料理を楽しむことができました。
 1つの収穫物が大きく成長し、しかも、2つの異なった味わいの料理を楽しめる。考えてみれば、これは「不思議なポケット」の上を行ってるんじゃないですか。
 これからの色々な収穫物も、「不思議なボール」を使って試してみると面白そうな気がします。

いっぴきおおかみのじんせい(さんぽうた73)

2021年04月28日 | いきもの

  いっぴきおおかみのじんせい   かもしか はじめ

いいところ みつけた

うまい

ひさしぶりの
こうきゅう らんちだ

ひとざとだって?

いざとなりゃ
なんとかするさ

こわくないかって?

そりゃあ
ちっとは こわいさ

だけどな

じぶんをまもるのは
じぶんだろ

いざとなりゃ
じぶんの ちからで
なんとかするのさ

いっぴきおおかみの
じんせい
おれは すきだね

なんてったって
かっこいいだろ
じりつした じんせい




 職場の椿が見頃を迎えた頃のことです。換気のために窓を開けようとした同僚が、
「あれっ!」
と、声をあげました。
 何事ぞ。慌てて指さす方を見ると、獣が一匹。


      カモシカではないか


      悠然と


      美味しそうに


      食べることに夢中
 山の中では、結構しょっちゅう出会っているんです。だけど、人里で見るのは、これで2回目かな。
 こちらから見ている人間の存在に気付いているのかいないのか・・・。伸びはじめた若草をひたすら食べています。正直なところ、雌雄の判別はできません。とりあえず、「はじめ」君と名付けさせてもらいましたけど、カモシカは、子育ての時期以外は、雄も雌も縄張りを保って、単独生活をする動物らしいです。我々が騒いでいても意に介さず。悠然としていました。この厳しい冬を乗り越えた上でのこの姿。自然界の生き物のたくましさに感心せずにはいられませんでした。
 これを見てすぐに思い浮かんだのが「一匹狼」という言葉。人間の世界にも「一匹狼」がいるんだから、それよりも自立しているカモシカが「一匹狼」でもいいし、似合っていると思いました。

 また来るかなあ。下手に人から見つかって大騒ぎにならなければいいなあ。
 ま、その時はその時で、「自分の力で何とかする」んでしょうね、「はじめ」君は。

 多少、あやかりたい気持ちにもなります、マタギとしては。


『はじまりの呼吸』を求めて(タラの芽)

2021年04月27日 | 山菜料理
 今回の『超』朝仕事で戴いてきたタラの芽は、短時間だった割に結構たくさんあった。
       これね
 今回も天ぷらにしていいとは思うんだけど、これだけあったら全てを揚げる必要はないでしょう。だとすると、

  ポクポクポクポク チ~ン
   ≪タラの芽料理 はじまりの呼吸≫

 毎度のことながら、自分で、何を言ってるんだかとも思うんですけど、ここはかなり大切なところだと思うんです。この料理に挑戦することになった理由をなるべく簡単にまとめます。

 タラの芽の天ぷらは美味しい

 その訳は
 ・160℃ほどの温度で揚げること
 ・じっくりと時間をかけること
    によります。

 その過程で 
 ・旨みが逃げ出さないように衣で包んでいること
 ・しっかりと芯まで熱が通るように火力を調節していること
    が大切です。

 ここで仮説を立てました。
  旨みが逃げ出さないように工夫して芯までしっかりじっくりと熱を通せば、タラの芽は美味しくなる
 だとすると、加熱方法は「茹でる」や「煮る」ではない。「炒める」も悪くないけど、オーブンなどで「焼く」方がいいかも。更に、工夫すれば「レンチン」も良い。

 で、最もシンプルな「レンチン」に挑戦してみることにしたのです。

 下ごしらえ・調理の部
 ・タラの芽の付け根を薄く切り落としてハカマを取る
 ・サッと洗ってラップで包む
 ※旨みと水分を逃がしたくないから


       実験なので6個だけ(66.5gありました)


       ラップで包んで
 ・600wで3分間加熱しました


 ・塩をひとつまみかけて

 かじってみたら、ほぼ思惑通り。「苦み」が退いて、「旨み」たっぷり。
 ただし、茎の先端がボソボソします。そこで、


 ・天つゆを少々かけて浸してみました

 ここに奥様登場(なんというタイミングなのだ)。味見を勧めると、
「おいしい!天ぷらの美味しさそのままじゃない!」
というコメント。
 嬉しいねえ。成功みたいです。

 我が家では、この料理方法を『タラの芽 はじまりの呼吸』と名付けましょう。
 この料理をベースにして、味付けや加熱方法を工夫してみることにしてみます。
 『塩バターの呼吸』とか『マヨネーズの呼吸』とか、色々楽しめそうじゃありませんか。更に加熱方法を広げれば、『ホイル蒸しの呼吸』とか、『ピザの呼吸』や『グラタンの呼吸』もいけそう。

 これからが楽しみでワクワクしてきます。

朝仕事は元気の源

2021年04月26日 | 山菜採り
 釣りに山菜採りにと2日続けて遊びに出掛けた帰り道、
「明日、ちょっとタラノメ採りしてみないか?」
とA氏から誘いを受けた。「ええっ、明日も!?」と思ったが、聞けば、ごく近くの採り場なので『超』朝仕事レベルで楽しめるらしい。
 なるほど、それはいいねえ。じゃあ、同行させてもらいますか。
 午前4時半集合決定。昨日までよりも2時間ぐらい余裕がある。
 おかげで結構たっぷりと眠ることができた。4時前に起き出して身支度を整え、準備物を確認してから出発した。それでも、余裕で集合場所に着くことができた。近いっていいですねえ。
 山に入ってみると、結構手入れの行き届いた杉林が広がっている。最近伐採されたと思われる更地もあるし、二次林として勢力を広げつつある雑木林もある。そんな中に、


       ありました

       こちらにも
 いい案配じゃないですか。
 ただし、タラノキの背丈が高すぎて、手の届かない木が多数。


       どうやって採るかを算段中
 こういう時、二人っていうのは良いんだよなあ。
 一人が引っ張る。もう一人が採る。この共同作業ができることで、収穫能率は間違いなく倍増プラスαとなります。おかげさまで、十分に楽しませていただきました。


       このタラノメも一人では無理だったんですが・・・


       落葉松が芽吹き始めました。遠くにはヤマザクラ
 気持ちのよいひとときを過ごして帰宅したのが、午前6時20分。


 十分な収穫です。
 誘ってくれたA氏、ありがとうね。
 そして、山の神様。本日もありがとうございました。

 これで3日連続の朝仕事になりました。実は、『夜勤⇒休み⇒夜勤』の3日間だったんですけど、仕事にも支障を来さずに楽しむことができてます。むしろ、冬の間に緩んでいた身体が元気を取り戻しつつある感じかな。
 年寄りマタギだから『ほどほど』が大切なんだけど、その『ほどほど』のレベルが上がってきているようです。
 朝仕事は、元気の源ということか。・・・いいことだ。