山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

初夏のマイナスイオン散歩

2024年06月07日 | 日記

 6月に入ったということは・・・。

 このワードで連想される風物は、人それぞれだろうし、その軽重も皆違うだろう。

 で、マタギの場合、いよいよN沢のタケノコ採りが始まるというのが最も大きな6月のイメージなのだ。

       赤いダイヤと呼ばれる美しい姿(これは去年の画像)

 類まれなる高品質。

 同じネマガリタケでも、他の山域とは別格なのがN沢の月山筍。

 豪雪のため、半年間閉ざされていた山域にもようやくようやく春が訪れ、タケノコたちが顔を出すのが6月なのだ。

 この山の神様からの恵みを採りたいし食べたいという願いが、『6月』という言葉を聞いただけで湧き上がってくる。

 ただ、同時に浮かんでくるのが、「今年も行けるだろうか?」という一抹の不安。

 年々衰えている体力で、あの難行苦行を乗り越えられるのか。

       延々と続く天国への道

 行ってみなけりゃ分からない話なんだけど、その前にやれることがなくはない。

 自分の体力の点検と、維持増進の試みだ。

 この時期、山菜採りを兼ねるのが最も効率的で、生産性も高いのだが、3日前にY川でワラビ、2日前にS川で夏山菜を採っているので、本日は、収穫を求めずに歩くことにした。

 出かけるのはキノコ山

 秋になったら、必ず訪れる場所だが、この時期に訪れるのもよいと考えた。

 何と言っても、豊かなブナ林と渓水とが出迎えてくれるのだから。

 マイナスイオンに包まれての散歩が身体に悪いはずがない。

 収穫の予定はないけれど、ある程度の荷物を背負い、熊鈴を鳴らしながら歩くことにした。

 そして当日、夜明けとともに登山道に入る。

       気持ちの良いブナ林

 この淡い緑色の空間に入り込んだだけで、山の霊気が体内に吸い込まれてくる感じ。

 気持ちいい!

       遥かな朝日連峰にも朝日が当たり始めている

       足下の渓流は増水気味

 昨日までの雨が渓の水垢を洗い落としている。

       去年倒れた倒木

 昨年よりも苔が増えてきた。 秋にはハナビラニカワタケがいち早く出てくるだろう。

 さて、水平道を終えて登りにかかる。

 無理はしない。

 登っては休みながら徐々に進む。

       名前の分からないツツジ

       癒される

       ガマズミの白も目に優しい

       主峰も朝日に映え始めた

 ここまでで1時間。

 登山としたら、全然大したことはないのだろうけど、それなりに登ったという感触。

 うん。大丈夫かな。

       針葉樹が主体の尾根道を戻り、再びブナ林へ

       茎を伸ばし始めた山葡萄が美しい

       終着の頃、足元まで朝日が届き始めた

 ああ~、気持ちよかった。

 こういう、何の収穫も求めない山歩きっていうのも、いいもんだね。

 山の神様、素敵なひと時をありがとうございました。

 おかげで、自分の体力の現在位置が少しは分かった感じがします。

 さあ、本番は来週あたりかな。

 そっちの方も、マイペースで楽しませてもらおうと思います。


陸上シーズン開幕

2024年05月04日 | 日記

 TV放送などでもお馴染みのように、陸上競技は冬期間、駅伝を中心とするロードレースが中心となる。

 そして、新年度に入ってもロードレースでスタート。

 気候がよくなってくる5月に入ると、ようやくトラックとフィールドを使って、本格的に全種目での競技が開始される。

 何度か紹介しているけれど、マタギも、そういった競技会運営のお手伝いをさせてもらっている。

 ゴールデンウィークになり、先日、その第一回目の大会が開催された。

       冬場に蓄えた力を試す選手たち

 マタギのボランティアは、選手たちが精いっぱい自分の力を発揮できるようにサポートすること。

 だけど現実は、大会運営をしながら選手たちのパワーを分けてもらっている感じ。

 そのくらい、選手たちが競技に向かう姿は真剣で、感動させられてしまう。

 ただ、この競技も他のスポーツ同様、受難の時代を迎えている。

 昨シーズン、コロナ禍による制限から、ようやく解放されたと思ったら、温暖化の危機が迫ってきた。

 現実に、昨年度は、熱中症による事故が少なからず発生している。

 こういったリスクを少しでも軽減できないかと考えた結果、達した結論が、競技中の暑さ指数を計測・公表し、選手・観客・役員に注意喚起を促すこと。

 協会の会長や理事達に話したところ、皆さん、同じ危機感を抱いていたようで、1も2もなく賛成してくれた。

 で、本日、「まだ(季節的に)早いんじゃないか?」という思いもあったんだけど、周囲から「やりましょう!」という後押しもあったので実施してみた。

       気象状況を記録・公開する補助員たち(この子たちの暑さ対策も大事)

 実際に計測してみると、快晴で、気温は、かなり上昇したんだけど、湿度が非常に低く、熱中症アラートを発令する状況には至りませんでした。

 でも、刻々と上昇していく数値を公開することで、少なくとも会場にいた選手や関係者たちには、熱中症への警戒と対策が必要であることが伝わったように思います。

 無事大会を終えると、運営の責任者を中心に、「これ、やっぱり大事だ。」「やってよかった。」という声が多く出されたし、「うちの地区でもやらなきゃ。」という声も聞こえてきました。

 競技会では、選手たちが力を発揮できることが何よりも大事。

 そのためには、当然、健康管理が大事。

 それって根本的には自己責任なんです。

 だけど、我々ボランティアは、それを出来るだけサポートしたい。

 そんな思いが、うまくかみあった今年最初の大会になった気がします。

 帰宅して腕を見ると、

       一日でこれかよ(見るのは日焼け。背景は無視してね)

 改めて、この時期の日差しの強さを実感しました。

 これから、長い陸上シーズンが始まるけど、大きな事故なく気持ちよくシーズンが終えられることを強く願います。


季節は進んでるよ 焦らずに

2024年03月26日 | 日記

 なんとなく分かってきた。

 ここにいるのは、事実を顧みず、地球や季節が、自分の望み通りに動くはずだと信じ切っているマタギ。

 これも『欲タガリ』の一つの現れなんだろうな。

 海や山で遊ぶことの多いマタギは、もうだいぶ前から、気象庁が発信する情報に頼るようになっている。

 自分の安全を守ることは勿論、回遊魚の移動や山菜の発生を予想するのに、大変役立つのだ。

 天候、風向、風速、気温、降水、波の高さに海水面温度も調べられる。

 そういった情報の中に、『過去の気象データ』というものがある。

 これを調べることで、過去百年余りの気象と今年の気象とを比較できるんです。

 説明すると長くなりそうなんで、今年の冬について分かっていることだけ言うと、珍しく『真冬日0』、『最大積雪深21cm』も稀に見る少なさ、『月最低気温・最高気温(平均)』も過去最高。

 つまり、過去最高の暖冬だったのだ。

 さもありなん。

 そう思った時点で、マタギの『欲タガリ バイアス』が発動していたんですね。

 だったら、山菜の発生も、過去最速のはずだ。

 そう思い込んでいたんですよ。

 ところが、ここに来て、季節の進みに急ブレーキがかかってしまった。

 気温は上がらないし、雪も降る。

 風は冷たく、日は陰る。

 それが現実なのに、釣りだ山菜採りだと、気持ちばかりが昂ってしまっている。

 そのことに、ようやく気付き始めたこの数日。

 近くの公園(霞城)を散策して、現実の世界で、季節がどのように進んでいるか確かめてみることにした。

 この公園、なかなか風光明媚で、国内どころか海外からも観光客が訪れる人気スポット。

 ありがたいことに、我が家から散歩すると往復で40分ぐらい。丁寧に散策しても1時間前後で帰宅できるというありがたい場所。

 まあ、最盛期と言えば、

       お堀に覆いかぶさるような

       桜の時期でしょうか

       それはそれは見事です

 でも、今年はというと、

       まだまだ固い蕾

 来訪2回目の本日の目的は、この現実を再確認すること。

 そうすることで、マタギに憑りついている『欲タガリ バイアス』を修正したいのです。

       ここが北の入り口

       東側の大手門周辺

 まだ、芝生が茶色。

       本丸の掘り周辺   なんだか分かる?

       ようやくフキノトウが顔を出したところです

 やっぱり今の山形は、早春です。

 これで山に行っても、収穫はほとんど見込めないでしょう。

 でも、公園内を歩き進んでいくと、

       おおっ、マンサクじゃないの

       梅もほころび始めてる

       所によっては満開!

 これは確かに春ですよ。

 早春であることには違いないんだろうけど、確実に春の歩みが進んでいることが分かったという感じ。

 この景色を見て、ようやくマタギの心も穏やかになってきた気がします。

 そう、慌てることはない。

 季節は必ず前に進み、その喜びを知らせてくれる。

 そんな思いを強くした本日の散歩でした。

 帰りの道すがら、

       シバザクラかな?

       こちらはアセビですね

 やっぱり、季節は、確実に進んでいる。

 そう、自分も焦らずに歩んでいこう。


おめでとう献立にありがとう

2024年03月08日 | 日記

 「今日は料理しないでね。」

そう言われていたので、おとなしくしていた。

しばらくすると、茶の間に料理が並んだ。

       おおっ!

       あらら、おいしそうなお肉ですね

 そして、

「お父さん、お誕生日おめでとう!」

だって。

 ありがとねと、軽く答えつつ・・・

 嬉しいものですね、誕生祝い。

 こうして、また誕生日を迎えられたということは、ひとつ齢を食ったということです。

 でも、一方で、家族との暮らしを、一年分積み重ねることができたということでもあります。

 心のこもった料理、感謝を込めて戴きます!

 今年もありがとう。

 これからも、よろしく!


フグで復興祈願

2024年02月28日 | 日記

 仕事から帰宅すると、

「輪島市から何か届いてた。『要冷凍』って書いてあったから、冷凍庫に入れておいたわよ。」

とのこと。

 「ああ、もう届いたのか。思っていたよりもずっと早かったな。」冷凍庫を開けてみると、

       フグだ

 実は、年明け早々の震災で、自分にも何かできないかと考えていた時に、たまたま聞いていたラジオで『ふるさと納税』の話を小耳に挟んだのだ。

 ただ単に現金を届ける方法もあるけれど、納税という形で復旧復興に役立ててもらった上に、地元の産業の支援にもつながるという考え方。

 早速調べてみると、納税の使い道を指定できるうえに、地元の特産品を返礼品として貰えるらしい。

 なるほどと思い、納税することにした。

 税金は『地域の福祉』に使ってもらうように指定して、返礼品に、『フグのから揚げセット』をチョイスしたのだった。

 返礼品については、期限を指定せずに気長に待つつもりでいたのだが、こんなに早く届くとは、驚きというか、恐縮だ。

       冷凍品だけど、賞味期限は明記されている

       調理の仕方も書いてある

 早速、戴いてみますか。

       一袋だけ解凍してみると

       かなり大ぶりの身がゴロゴロ

       なるべく衣をたっぷりつけた状態で揚げましょう

       身が厚いので、結構時間がかかったけれど

       おいしそうに揚げることができました

       いただきましょう!

 ホクホクで、とても美味しかったです。

 家族も喜んで食べていました。

 ご馳走様でした。

 被災地が、少しでも早く元の暮らしを取り戻せますように。

 ・・・この後、輪島市長さんの銘で丁寧なお礼状まで届きました。恐縮の至りです。