山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

収穫キノコは定番レシピで

2022年10月31日 | キノコ料理

 晩秋キノコ採りも最盛期に入ると、需要を供給が上回り始める。今年は順調な方だと思う。したがって、収穫物に余裕があれば、次年度以降に備えての保存にも回す。

 この夏から秋にかけて収穫したうちで、年を越してもいいように保存しているのが、トビタケとマイタケとナラタケ。今回もまとまった量のナラタケが採れたので、一部を保存に回しましょう。

       一部をナメタケにして

       一部を冷凍保存に回しました

       ナメコは非常に高品質です

       湯がいておきます

 これで、冷蔵庫に入れておけば、暫くは即戦力として使えます。冒頭の画像は、前回採ってきたナメコをお昼の麺に入れたものです。

 さて、今シーズン初めての収穫になったのがブナシメジです。

       深山の貴婦人

非常に美しく、香り高いキノコです。このキノコは、スーパーで『ブナピー』などと命名されて陳列されているキノコと同じもの。だけど、風格も香りも別物。非常に美味しいです。このお方を美味しく戴く一番の料理は、≪お吸い物≫でしょう。早速作ってみます。

 下ごしらえの部

 ・塩水でしばらく虫出しします

 ・汚れを落とした後、今回は軽く湯がきました

       こんな感じ

 ※このキノコは、姿の美しさを楽しみたいので、切ったり裂いたりしません

 調理の部

 ・笹かまぼこが届いたので薄切りにして添えることにしました

 ※海鮮の出汁が美味しさを引き立ててくれます

 ・水1ℓに出汁醤油80mlほどと顆粒だし少々を加えて、汁のベースにします

 ・用意したブナシメジとかまぼこに、薄切りのニンジンを加えて煮ます

 ・ここで味見をして塩ひとつまみを加えました

 ※ニンジンに火を通したいので、沸騰後火を止めてじっくり冷ましました

 ・白髪ネギを準備しておき、食事前に再加熱。お好みのタイミングでネギを散らします

       出来上がりました

 味よし、香りよし、姿よし、更に、弾力のある食感が何とも言えず美味しいです。マタギは、時としてスーパーのブナピーを買って使うこともあるんだけど、正直に言って、全くの別物と言ってよい美味しさです。

 ああ~!美味しかった!!上の画像は、そのブナシメジのお吸い物と、ナラタケのナメタケです。

 晩秋のキノコが収穫されるようになったことで、定番の季節のレシピが食卓を彩り始めます。もちろん、新しいレシピへのチャレンジも可能になってきます。

 次は、どんな収穫があるだろう。収穫したら、どんな料理になるだろう。まだ、ボンヤリしたイメージだけど、目の前にキノコが姿を現したら、またワクワクが広がっていくんだろうな。

 山の神様、次回も沢山の感動を味わわせていただけますように。どうか、よろしくお願いいたします。


晩秋キノコも最盛期?

2022年10月30日 | キノコ採り

 世の中は 三日見ぬ間の キノコかな

 訪ねる度に発生の状況がめまぐるしく変わるキノコ。間違いないのは、晩秋のキノコシーズンに突入したということ。

 本日は、M氏とキノコ山に入る。前回サワモダシとナメコをタップリ戴いてから5日しか経っていないけれど、また、新たな発見に驚かされるような予感がする。

 何てったって、このところの朝の冷え込みの厳しさは、ほとんど冬。こうなったら、低温刺激で発芽するキノコのうちでも大物達が目覚め始めるはずなのだ。理由を説明していると長くなるので、今回は省略します。

 で、夜明け時刻に山に着きました。

       寒いと思ったら、霜が降りていました

このぐらい寒くなると出てくるキノコの代表が、

       ムキタケです

 このキノコ、毒キノコのツキヨタケと間違われやすいと言うんだけど、色がずっと上品です。念のため確かめたければ、縦に裂いてみて、つけ根に黒いシミが入っていればツキヨタケです。

 そして、

       ナメコです

どういう訳か、秋が深まるほど黒々としてきます。前回は出ていなかった倒木からも出始めました。

       あっちこっちの木に

       ツブナメコが出始めました

 めぼしい群生が4本。最盛期になるまで採られなければ、すごい量になるはずです。

 マイタケと同じで、この段階で採ってしまうと、量は少ないし下処理は大変だしで、いいことはありません。見置きにします。

 それでも、

       食べ頃のものがないわけではない

 さすがは、『王様の木』(木毎に名前を付けています)。超高品質のナメコが顔を出していました。それから、驚いたことに、まだサワモダシが出続けていました。これだけ冷え込んでも発生した年は、記憶にありません。

「時差付きで、毎週出ったみだいだな。」

「なんだかんだ言って、モダシは豊作だなあ。」

「うん。ビックリだ。」

       登山道脇の藪に出ていました

       倒木からも出ています

 そして、寒さとともに発生するのが、

      分かるかな?スーパーにも必ず並んでるキノコ

       ブナシメジです(ブナピーじゃないよ)

 いやあ、晩秋のキノコが一斉に顔を出し始めた感じです。

       本日の収穫物

「いやあ、面白いっけねえ。」

「残したナメコ採り来らねんねべや。」

「去年みだぐ、なぐなってねえどいいなあ。」

「後で連絡すっから、よろしく。」

キノコの成長は、天候によって大きく変わる。その辺の見極めは大事なんだけど、キノコ採り銀座で確実に収穫するためには、ライバル達の動行にも気を遣う必要がある。去年は、それが悉く外れてしまったのだ。今年は、旨くタイミングが合うといいなあ。

 可能な策はとってみたいと思うんですけど、結局は、神様達のご機嫌次第かな?

 山の神様、天気の神様、本日はありがとうございました。次回も、どうかよろしくお願いいたします。


みんな おんなじね(さんぽうた164)

2022年10月29日 | いきもの

  みんな おんなじね   ひつじぐも 46

 

わたしたち しんゆうよね

あら

かわいい かちゅーしゃ

おんなじの かってかない?

 

つぎのひ ばれました

 

きゃあ 

せんぱい かわいい!

しかも おそろい

みんな みて

わたしも ほしいなあ

 

みんな おんなじ かちゅーしゃになりました

 

あら

すてきな ぴあすがいっぱい

どれがいいか ゆびさし!

せえの!

 

やっぱり わたしたちって

このみも おんなじね

 

つぎのひ ばれました

 

きゃあ

せんぱい すてき!

しかも おそろい

みんな みて

わたしも ほしいなあ

 

みんな おんなじ ぴあすになりました

 

むりみたいね

わたしたちだけって

 

しかたがないか

なんてったって

ちいむ46だからね

 

しばらくは

みんな おんなじね

 

       この季節になると顔を見せる ひつじ雲

       すごく幻想的で可愛らしい天の造形です

       その時々で様々な表情を見せてくれますが

       マタギは太陽と重なったときの姿が特に好きです

 何でこんな風に千切れ千切れの雲が整列するんだろう。

 多分、暖かい空気とか冷たい空気とか湿度とかが関係しているんだろうけれど、あんまり調べる気にはなりません。ただひたすら、この天然の造形に見入るばかりです。

 これが、ひつじ雲と呼ばれたり群雲と呼ばれたりと、色々に名付けられてきたということは、それだけ、昔から人々の関心を惹き、想像を掻き立ててきたのだろうね。よくわかります。

 今回マタギには、なぜかダンス(歌?)チームのように見えてしまいました。よく聞いていると、チームメイトでワイワイキャアキャア楽しんでいるみたいなんですね。

 そのやりとりを言葉にしてみました。

 こういうお喋りも、楽しそうでいいじゃないの。


山の恵みにおまけがいっぱい

2022年10月28日 | 山菜料理

 本日の山業。第一目的は、親交を深めること。そして、はるばる訪ねてきてくれたT氏に楽しんでもらうこと。そのへんは満足。

 で、帰宅してみると、

       高品質のナメコ

       待望のブナハリタケ

       初物のムキタケ

       なんだかんだ言いながらタップリな収穫物です

 そのため、本日の食卓には、キノコ料理が並びます。

       ナメコ汁にナラタケの佃煮とブナハリタケのしぐれ煮

 これで十分なのに、余計なものを作ってしまったかも。

       ミズダコと

       ホタテと

       マダイ + マグロの剥き身でボールを作ってみました

贅沢です。こうなってしまった理由は、

       このお方です

今シーズンのワサビとしては珍しく、白っぽい根ワサビなんです。

 マタギが知っている山菜採りの第一人者が、こう言っていたんですよ。上質のワサビは、『ワサビの中でも緑色が濃くて、粘り気のあるもの』と。

 冷蔵庫には、緑の濃いものがあるから「食べ比べてみよう!」と思い立ったんです。

 したがって、本日の主役は、

       この方々(どっちもワサビです) そのため 結局

       こうなっちゃいました

 で、終わってみれば、『どれもこれも、すごく美味しい!!』というのが答え。

 そもそも、食べ比べようなんていう発想が不要だったみたいです。

 やっぱり、山の恵みは、それだけで十分に美味しくてありがたい。それを戴けるのであれば、姑息な策を巡らせる必要は何もないということが改めて分かりました。

 山の神様、どれもみんな美味しかったです。ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。


秋の山で同窓会

2022年10月27日 | キノコ採り

 前々回のキノコ採りに同行出来なかったA氏に連絡を入れると、明日出掛ける予定とのこと。しかも、はるばるT氏が来るらしい。

「俺も混ぜて!」

同行決定!

目的地は、T川である。

 T氏とは、住む地域が違う関係で、春の山菜採り以外では、めったに同行することがなくなっている。キノコ採りは10年ぶりぐらいだろうか。マタギとしては、昨日、たっぷりとキノコを収穫したばかりなので、そんなに何でもかんでも採りたいわけではない。ただ、久しぶりに一緒に山の空気を吸いたいという思いは強い。何てったって、40年来の山仲間だ。のんびり同窓会を楽しみましょう。

 そして、当日。

「おう!」

「おっはよう。ところで、トイレすっだいず。」

「んだら、この先にあっから行ってこい。A氏、車頼む。」

「あそこに、トイレなんかあるの?」

「あるある。俺もさっき使ったばりだ。」

なんだか気の抜けた再会となったけれど、このリラックス感が我々らしいのかもしれない。

 トイレが済んで、準備が整ったところで山に入る。先導するのは、この山をホームグラウンドにしているA氏。

 しかしですね、歩くペースが、いつになく速い。これは気合いが入っている証拠ですね。日頃、鍛えていないマタギにとっては厳しいペースかも。

「ごめん。ちょっとペース落としてもらえる?きつい。」

「ああ、そう?」

 ペースが落ちると、周りの様子を観察する余裕も出てくる。秋真っ盛り。もしかしたら、一年中で一番美しい日に当たったかもしれない。

 第一目的地の倒木に辿り着く。

「思ってたより育ってないね。」

とA氏が指さす木には、ナメコ。

       なかなかのナメコです

「T氏、貰えはあ。」

「んだが。」

はるばる遊びに来てくれたT氏にたっぷりと楽しんでもらいたいという気持ちは、多分A氏も同じはずだ。

       去年より育ちが良くないけど、ありがたい恵みの木です

 続いて沢を遡って斜面に取り付く。去年ムキタケの採れた木は、今年は沈黙。まだ早いのだろうか。トラバースしてブナハリタケの木を覗いてみたが、こちらは終わっていた。今年のキノコは気難しい。

 諦めて沢に降りたところでA氏が発見。

       いい案配に開いたナメコ

       こっちにも出てますね

実のところ、ナメコとサワモダシは、一昨日それなりに収穫しているから採らない予定でいたんです。でも、これだけ高品質だと手を伸ばしたくなる。このナメコは、T氏と山分け。

これだけで満足だ。

その後、サワモダシをたっぷり戴いたT氏も、

「もう、十分だ。」

ということなので、終了かなと思ったんだけど、

「気になってる木があるのよ。」

とA氏。

「ちょっと登ったところにあるんだ。」

と言われるままについていく。けど、ちょっとじゃないですね、この斜面は。

「V字川思い出すにゃあ。」

同感。昔は平気で通っていたけど、今は行けなくなった川に近いきつさだ。

暫く登ると傾斜が緩くなり、巨大なブナの倒木。まだ、倒れてからそれ程年数が経っていないのだろう。木肌がしっかりしている。

       ナメコです(この辺はA氏が収穫)

       待望のブナハリタケ(マタギが戴きました)

 T氏は、サワモダシやヒラタケを貰っていました。凄い木でした。キノコのデパートと言っていいかも。

 もう、十分に満喫出来ました。

 収穫もさることながら、

       たまりません

       この美しさ

 最盛期に入ったキノコと紅葉と、そして仲間との親交を堪能させていただきました。

 ありがとう、山の神様。案内してくれたA氏。 そして、T氏、また山で遊ぼうね。

 大満足の同窓会になりました。