窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

サクラマスの滝登りとオジロワシ

2019-07-31 16:59:01 | ワシのいる風景

忠類川の上流でサクラマスが滝に挑戦しています。今年は雨量が少なく、川の水量が

例年の半部以下です。そのせいで溯上してくる時期が遅くなり、7月はじめ頃は

ほとんど見ることができませんでした。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

         ◆  サクラマスの滝登りとオジロワシ  ◆

水量が少ないせいか、体のサイズが小さく、大きなものが少ないようです。水温や

水生昆虫の発生の条件が悪いのではないでしょうか。

例年なら浅瀬でメスを取り囲んでオスが数匹繰り返しアタックする風景が見られますが

水量が少なく浅瀬にサクラマスが集まってきていません。多くが深い流れの中に集

まっています。

滝つぼの下には60㎝くらいから30センチほどのサクラマスが集まっています。

さらに20センチほどのヤマメもたくさんいます。ヤマメは降海しなかった連中で、産卵の

の時に隙を狙って精子をばら撒くオスたちです。

サクラマスは段差3メートル以上ある滝の流れに果敢に挑戦していました。川は

滝つぼに急直に落ち込むとこと急斜面になってしぶきをあげ流ていく通路があります。

サクラマスは滝つぼから飛び上がり、上の水が飛び落ちるところに着水しようと

します。繰り返すうちに急斜面と直角におちる境目が着水した時に水の中を遡上

できるポイントだと分かるようです。

多くがその場所に向かいジャンプしてきます。その様子を撮ろうと試みますが

毎年悪戦苦闘します。斜めから当たる光に当たると銀色に光りますが、上手く

撮れません。こうなると数を打たねば当たりません。打ちましたね。結果が

こんなものです。

今年は浅いせいで、サクラマスを狙ってオジロワシが3羽集まっていました。

1羽は流木が横倒しになった枝に止まり、上から流れの中のサクラマスをじっと

狙っていました。頭の羽が白くなった成鳥です。すでにヒナが巣立ち、落ちついて

います。

滝登りに失敗して弱ったサクラマスをねらっているのでしょう。確率は高そう

でした。


ハリオアマツバメ

2019-07-30 15:43:05 | 山野の鳥

ハリオアマツバメが地上近くを飛び回っていました。根室海峡に突き出る野付半島には

ハリオアマツバメを見るチャンスが原野ほどありません。

おばんです。小太郎でごじゃります。

             ◆  ハリオアマツバメ  ◆

この日は海霧がかかり、朝からもやっていたせいで上昇気流が発生せず、地上から飛び

だした昆虫が低空で飛んでいました。彼らはその虫目当てに野付半島の浜まで遠征して

きているのです。

毎年7月後半に空中に舞い上がる虫が大量発生します。この時はハリオアマツバメだけ

ではなく、アマツバメやショウドウツバメもやってきます。さらにウミネコが集まって

来て、虫を取っています。

ハリオアマツバメは10数羽の単位で集まり、虫が飛んでいる場所を大きな円を描くように

高速で飛び回ります。見ているだけで目が回りそうですが、その姿を撮るのはコースを

見極めないといけません。

虫を探すか、ハリオアマツバメを追いかけるか、思案のしどころです。結局、虫が小さい

のでハリオアマツバメを追うしかありません。

彼らは口を大きく開け、虫を吸い込むようにして捕って行きます。狙いをつけ直線で

飛行します。ショウドウツバメのようにひらひらとコースを変えることはありませんが

スピードが速すぎます。

休むことなく虫を口に放り込み、咽喉のところで団子にして貯めます。まだ樹洞にヒナが

いるので効率のいい虫が大発生しているところにやってくるのです。

年に1、2週間のスペクタクルです。


セイタカシギ

2019-07-29 19:35:01 | シギ・チドリ

セイタカシギが湿原の中の沼に立ち寄ってくれています。今年は雨不足で、沼の水位が

30㎝以上低下して、水没していた泥丘が顔を出しているせいです。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

           ◆  セイタカシギ  ★

セイタカシギは最近、必ず春と秋に渡ってきて野付半島に姿を見せてくれています。

ほっそりとスマート。8頭身以上、16頭身はあるかもしれません。赤い脚が長く、翼の

黒と体の白がくっきりとして、センスがいいとみられるシギです。

インスタ映えのするかっこいいシギです。ヨーロッパ、アフリカ、アジア南部に広く

分布するシギです。1970代は迷鳥で、現れると情報が流れ、全国から鳥マニアが

集まったものです。

それから日本で繁殖が確認され始め、東京周辺あたりまで広がっています。さらに

北上しているようです。根室地方ではこの10年、風蓮湖周辺や野付半島で毎年、

春と秋に数羽の群れで観察されています。

干潟には出てきませんが、干潮時に川の底が出てくるときに川筋でエサ探しに歩く

セイタカシギを見かけます。広いので、偶然出会うことが多いのですが、優雅に

飛んでいく姿は、発見率が高いようです。お気に入りの場所では足の長さを利用して

胸のあたりまで入り込み、水底の水生昆虫を捕っています。

その姿、日本画の上村淳之のシギの絵を想像する静かな水辺に溶け込むようです。


仔キツネの背伸び

2019-07-27 11:49:08 | キタキツネの生態

キタキツネの子が昼寝しています。テトラポットに引っ越してきた4頭の子ぎつね。

そのうちの一頭がしっかりお気に入りスッポトにして、ごろごろしてます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

               ◆  背伸び ★

親が食べ物を運んでくる間、テトラポットの前で伏せして、周りから目立たぬように

眠っています。細めた目があどけなく、かわいらしい。

 

さらさらした砂を掘り込み、自分が寝やすいようにしています。風が当たらぬいい

ポジションで気持ちよさそうです。

ときどき目を開け、周囲の様子をうかがい、また目を閉じます。若いので寝返りを

ちょくちょくします。ぐっすり寝ているわけではないので、むっくり起き上がり、

背伸びをします。

前足を伸ばし、突っぱね、頭を後ろにそらし背を海老ぞりにします。丸めた筋肉を

引き伸ばし、血行を良くします。これをしないとうっ血して疲れるからです。

尾を立ち上げ、お尻の筋肉をほぐします。全身の筋肉をほぐし、関節の血行を良く

したら再び眠り始めます。

 

 


河口にカモが集まりだしました。

2019-07-25 12:13:44 | カモ類

野付半島の基部を流れる茶志骨川。その河口にスズガモやカワアイサが集まりだし

ました。まだ10数羽ほどですが、シギ・チドリ同様、カモも渡りが始まってきました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

          ◆  河口にカモが集まりだしました。 ★

両種とも、もしかするとこの地域で夏季に逗留または繁殖しているのかもしれませんが、

カムチャッカ半島では繁殖の役目を終えた成鳥や若鳥がいち早く集まってきて、渡りだす

という報告があるので、渡ってきたカモたちの可能性があります。

というのも、日を追うごとに数が増えてくるからです。湿原や上流の河川林で繁殖して

いるマガモはまだ集まってきていません。

さあ、これからカモの仲間が増えてきて、静かだった野付湾の海面がにぎやかになって

きます。