窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

氷上の水のみカフェ

2020-12-30 20:15:20 | オオハクチョウのいる風景

知床連山がオホーツク海の湿った空気を遮り、乾燥した空気が入り込んできます。

しかもマイナス10℃以下の寒気。野付半島はすっぽりこの寒気で覆われ、地面も

水面も凍って行くのが分かります。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

            ★ 氷上の水のみカフェ ★

根室地方は日本海側の豪雪がうそのように積雪がありません。その代り野付湾が

凍り出し、湿地の中の沼は硬い氷がはりつめてしまいました。

それまで水を飲みにたくさんやってきていたカモたちは、どこかへ移動して行

ました。沼はオオハクチョウにとり大切な水飲み場所。

割れた氷の下からしみだしてくる水を求め、オオハクチョウがやってきます。

以前に比べると数は少ないのですが、氷の上に降りてしみ出してきた水を啜っ

ています。

2羽の幼鳥連れの家族が4羽、氷上に乗り、水を飲み、周りに注意を払っていま

す。水だとキタキツネが近寄れませんが、氷の上だと襲ってきます。首を伸ば

し、しきりに警戒しています。家族の絆は強く、誰かが水を飲んでいるときは

周囲を見回す個体がいます。

私も氷の上をゆっくりと近寄ることができる恩恵を受けます。いつも水の中に

隠れ見えない脚がしっかり観察できます。

黒くてがっちりして、指の間の膜がしっかり見えます。爪は猫の爪みたいに曲

がり地面をしっかり捉えるように硬そうです。


12月6日、野付湾のコクガン

2020-12-28 16:05:32 | コクガン・ヒシクイ・ガン類

コクガンに会えるのは気紛れだ。その日の天候、風向き、潮の干満といろいろ

な条件で彼らの食事処が決まる。それさえわきまえれば、コクガンのいる場所

想像できるのだが。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

          ★ 12月6日、野付湾のコクガン ★

12月6日は風のない穏やかな朝でした。8時過ぎ、満潮の湾内。穏やかな水面に

コクガンの姿がありました。大まかに数え500羽以上の個体が岸よりに集まって

来ています。

湾の真ん中は水位が上がりアマモが採れず、岸辺に押し寄せられたアマモを求

やってきたのです。気温が下がり岸よりの水面には薄氷が張ってきています。

彼らは氷の端に集まり、浮き上がって来たアマモをしきりに拾い上げ飲み込ん

います。

日の出から1時間近く、お腹が空いているようで争うように食べています。彼ら

空腹を満たすほどたくさんのアマモが野付湾内にはあるのです。

500羽以上のコクガンが集まれば目立ちます。それを狙いにオオワシやオジロワ

が偵察にやってきます。すると警戒したコクガンが一斉に水面を走り出します。

みんなで飛べばワシも襲いづらいのです。低空で飛び、ワシがいなくなるのを

かめると旋回をして戻ってきます。

のんびりとした朝です。

 


寒馬

2020-12-24 14:10:06 | 根室の風景

根室地方の馬愛好家は乗馬する馬を放牧して冬を越させます。都市部の乗馬愛

好家から見るととんでもない飼い方していると非難ごうごうでしょう。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

              ★ 寒馬 ★

根室地方には馬を愛してやまない人はたくさんおられます。でも、ほとんどの

方が原野に放牧し、牧草ロールを補給食糧に置き、自由に馬屋から出入りでき

るようにされているようです。

まあ手を掛けずに乗馬する生活スタイルです。ほっとくわけではなく毎日、見

回り声をかけ、水をやり、体調管理には気をかけています。

馬たちものびのび生活、吹雪になると馬屋に入り、森に退避して生活しています。

お腹にはもうすぐ生まれる胎児を持ち、ふっくらした体型になっています。

のんびり、ゆったり、馬たちは過ごしています。


根室海峡花やしき

2020-12-23 19:49:47 | カモメ類

オホーツク海から知床半島を経由して寒気が吹き込んでいきます。知床おろしと

言います。12月に入り、マイナス10度以下の寒気が入り込み根室海峡の水温を

急速に冷やしてきました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

            ★ 根室海峡花やしき ★

野付湾内は例年より早く、ほぼ全面結氷になってしまいました。湾内で生息し

いたカモやハクチョウ、コクガンたちが追い出されてしまいました。

低気圧が東に通過し、高気圧が西からやって来る西高東低の冬型の気圧配置を

作るとき、根室海峡は大荒れになります。北寄りの強風が吹き付け、強力な大

が野付半島の外側の海岸に打ち寄せます。

浜の砂を削り、半島を痩せ細らす原因になるほどの強さです。今は護岸対策で

北側はテトラポットの海岸になり、浜を何とか守っています。しかし、頭ほど

大きさの石が打ち上げられる海岸です。

強力な海の波は浅い海底をうねりで滅茶苦茶に練り回し、棲息している海底の

生き物を海岸まで運んできます。大きなホタテやバカガイ、ホッキ、ホヤ、など

普段なら上がりようのない生き物が波の中で浮遊しています。

立っているだけで体が吹き飛ばされそうな海岸ですが、そこにはたくさんのカ

モメたちが集まり、飛びまわっています。すごい数。根室海峡に棲息するほと

んどのカモメが集まっているのではないかと思われる数です。

沖合では波が荒れ狂い、魚が捕りづらく、自分の命さえ危ない状況です。避難

兼ね食べるものが捕れる場所に集まっているのかもしれません。

北極海に棲むシロカモメ、ワシカモメ、セグロカモメ、オオセグロカモメ、カ

モメたちが集まっています。これほど身近でカモメの観察をできるチャンスは

めったにありません。

波しぶきを頬に浴びながら、美しき飛翔を見るのは最高。ただ強風が体から熱

どんどん奪っていきます。長居ができないのが難儀です。