窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

樹霜の朝、久々にやってきました

2019-12-28 16:41:25 | 山野の鳥

雪の無い日々が続いています。気温は毎日零下10℃前後まで下がり、凍れ

はしっかりしているので、雪が降りだせばすぐに真っ白な世界が広がるの

ですが。

おばんです。小太郎でごじゃります。

         ★  樹霜の朝、久々にやってきました  ★

雪の降らない状況を喜んでいるものがいます。ネズミを捕るエゾフクロウや

ノスリ、キタキツネそしてエゾジカたちです。

エゾフクロウは乾燥した林床で動き回るネズミたちの音を高性能な集音耳が

今一番活用できるときです。

雪が降っているとネズミは雪の下に通路を作り、眼だけでは捉えきれず耳を

頼りにします。でも、ネズミが出す音は小さくなり、音源を捉えづらくなり

ます。当然、捕食率は減少、飢餓の心配をしなければならなくなります。

雪が無いことは生存率を上げます。逆にネズミたちにはマイナスに働きますが。

雪が降らないと河川の流域には蒸発する水分が夜半から朝方にかけ結晶化し

て樹木や草に付着します。樹霜です。

太陽が出ると光の熱ですぐに消えてしまいますが、当たったときの美しさ、

半端無く美しいです。

エゾフクロウはこの自然現象を巧みに利用している節があります。樹霜や地面

から結晶化してくる霜柱はネズミやモモンガが行動するときに音源になって

くれるのです。

時々利用するハルニレの巨木の洞にいつもの常連フクロウ。暗いうちにたっ

ぷりネズミを食べたのでしょう。穏やかな顔をして休んでいます。

いつ今度はきてくれるのか、愉しみに待ってます。


早朝に雪くもが通過して行きました。

2019-12-26 16:53:19 | 根室の風景

快晴無風の朝。夜半に雪雲が通過して行き、原野は薄化粧。風が吹いたらしく

木々の幹、針葉樹の樹冠に軽い雪が吹き付けられ、太陽の光で白く浮き上が

っています。

         おばんです。小太郎でごじゃります。

      ★  早朝に雪くもが通過して行きました。  ★

知床連山の一角、斜里岳を乗り越えてきた雪雲が根室半島方面に移動して行く

雪を降らしていきます。おそらく前線が移動して行く最中だと思うのですが、

一時的に強い風が吹きます。

野付半島の先端にいるとその様子がよく分かります。山を乗り越えてきた黒

い雲が大地に接触しているとこだけが雨や雪になっているのです。

薄い雪化粧はその証拠です。

                                                          


オオハクチョウ・飛び立ちのひとこま

2019-12-25 23:46:05 | オオハクチョウのいる風景

オオハクチョウが氷を避けて川の河口に集まってきました。冬季間、凍らない

川の出口で過ごすオオハクチョウたちです。

おばんです。小太郎でごじゃります。

     ★  オオハクチョウ・飛び立ちのひとこま  ★

河口はアマモを食べるオオハクチョウにとり真水を補給し、体内の塩分濃度を

一定にするための需要な場所です。さらに夜間、氷の上で休息し、眠る基地に

もなります。

水を飲み、一息すると河口の方に移動してきます。そして首を伸ばし、頭を

上下に振りだし落ち着きがなくなると翼を広げ、水面を走り出します。

膜のついた指を大きく開き、水面を蹴り、水しぶきを上げながら交互に脚を

動かします。

頭を前に突き出し、首をまっすぐに伸ばし、上下に振るわけでもなく固定し

翼と脚を動かし、速度を上げてきます。

そのうち体が宙にふわりと浮きだすと曲げて振りだしていた翼が伸びてきて、

広げた状態で翼を上下に動かし、勢いを加速させていきます。

空気に乗ったオオハクチョウは、大型ジェット機が離陸するように低空から

急上昇して飛び立って行きます。


あっ、目が合う。キタキツネ

2019-12-24 23:01:17 | キタキツネの生態

早朝の海岸は何に出会うか、愉しみです。行くたびに誰かに会います。会えます。

これがあるので我が修行は続いているのです。キタキツネに鉢合せをしました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

        ★  あっ、目が合う。キタキツネ  ★

彼は?早朝から半島の先端にやってきて、砂浜を探索していたのです。早朝に

来るのは最近僕みたいな人間が歩いてやってくるので、来ないうちに彼の

ルーティーンな仕事を終わらせておこうとしているのです。

毎日、天候で風向きが変わり波が押し寄せる場所が変わるために探すポイントが

変わるのです。彼はそれをよく知っていて外海側と湾内側を探しているのです。

今日は外海側を丁寧に見てきているようでした。湾内側に沿って歩いてきた僕と

砂丘超しに目が合ってしまったのです。先端に来るようなキタキツネは警戒心が

強く、じっとこっちを見て、どうしようかと考えます。

わずか2,3秒。彼は踵を返し、来た方へ走り出しました。隠れる場所がハマニ

ンニクがたくさん生えている先端部の草地しかなかったのです。

トップスピードを出し、ダッシュして一目散に走ります。7、8秒で100m先

に行ってしまいました。体のしなやかさは猫以上にあるかもしれません。

ただ彼らには持続力があまりありません。以前、甲斐犬のせいちゃんがキタキツネ

を追いかけたとき、馬鹿にしたように走っていたキタキツネが執拗に追いかけられ、

終いには精根尽き船の下に入り、尾を咬まれ引きづり出されたことがありました。

瞬発力はあっても持続性がないのです。

こっち追いかけてこない安全圏に入るとこっちを向き、ゆっくり草地の方へ

行ってしまいました。


力強いコクガンの飛翔

2019-12-23 17:05:51 | コクガン・ヒシクイ・ガン類

コクガンがもうすぐ野付湾からいなくなります。0℃を下がる気温が続き、

湾内の氷が3割以上に広がってきたからです。

おばんです。小太郎でごじゃります。

          ★  力強いコクガンの飛翔  ★

10月に姿を見せてから根室湾を中心に野付湾や太平洋側の浜中湾などの餌場

に通う生活をしていたコクガンたち。徐々に東北地方に移動しており、12月

22日には3200羽ほどに数が減少しています。

それでも野付湾のアマモの豊富さに多くのコクガンが逗留しています。

彼らは早朝、太陽が出る前の薄暗い時に外海から湾内に移動してきます。

国後島方面からくる群れや本別海側からくる群れがいます。夕方は日没前後

に湾内から出ていきます。

これまでいることが分かっていてもなかなか存在が確かめられてこなかったのは、

大きな群れ移動が薄暗くなってから始まることが発見されずらかった理由です。

コクガンの飛ぶ速度は早く、海上を低空で飛んできて、湾内に入って行きます。

餌場に向かう時に少し上昇しますが、海面すれすれに飛んできます。

体が黒いのでウミウやヒメウと見過ごす方も多いのです。湾内に入ると静かに

食事に励むのでどのくらいの数がいるかのか、分かりづらい。

いるのが分かるときはオジロワシやオオワシが偵察飛行にやってきたとき、

一斉に群れが飛び上がり黒い団子集団ができるときくらいです。

普段は穏やかな飛び方をして移動しますが、時々4、5羽が食事している群れ

の上を旋回しながら飛び回ります。その素早さは眼を見張るものがあります。

他のガンに比べると細長い翼、先が尖り空気を切る力が強いことを忍ばせます。

方向転換が早く鋭角的でとてもガンの仲間には見えない動きをします。

海上生活が主体で、ワシや他の外敵から身を守り、強風や荒波に対応できる

能力が翼に反映しているのでしょう。

コクガンを観察しているときはいつも退屈なものですが、アクロバティック

な飛行だけは眼を開いて見入ってます。