町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

数を減らして行く平成後期の神奈中ワンステップバス(三菱ふそう・エアロスター)

2023年03月01日 | 小田急グループの鉄道・路線バス

神奈川中央交通(神奈中)では、1998年度より一般路線バス車両にノンステップバスの導入を開始し、2001年からはワンステップバスと並行する形で導入が続きました。しかし、バリアフリー化推進の流れで車両更新に合わせ路線車は極力ノンステップ仕様とする方針を打ち出した為、2000年代の神奈中の主力車両であったワンステップ仕様の路線バスは順次置き換えられることになりました。

横浜市営バスから移管された77系統に充当中の舞岡所属車(お46・PJ-MP35JM・2006年式)。高年式車ながら白色LEDによる行先表示や座席の新モケット更新を施された車両で、令和の新車と比較しても見劣りしないレベルになりました。

横浜駅西口ターミナルに姿を見せた中山営業所所属車(106PJ-MP35JM2007年式)。元は大和営業所所属車(106)でしたが、201711日に神奈中グループ再編で中山操車所が独立し中山営業所に格上げされたことに伴って同所の所属になりました。登場から長らく3LEDの行先表示器でしたが、後年になりフルカラー化され、やはり座席モケットが近年の新車と同じ青系に更新されています。

湘南台駅で待機中の綾瀬営業所所属車(30)。上の車両と同一型式・同年式ですが、こちらは行先表示は正面・側面とも3LEDのまま存置され印象が異なる一方で座席の交換のみが施行されています。同車は一時期、神奈川県消費者ホットラインのラッピング車に起用されていました。

車内は他社でも一般的な仕様の都市型レイアウトです。登場時はエメラルドグリーン系の座席モケットでしたが、後の交換で新型車同様の青系になり、それほど経年は感じない見た目になっています。

ノンステップバスの台頭で、今後はかつてのバスらしいスタイルを残す車両が置き換えられますが、これは同時に神奈中仕様とも言える設備(正面の運賃支払い方法表示など)も消滅に向かうことを意味しており、かつての独自仕様が色濃かった時代を知る者としては一抹の寂しさを感じますね。

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小田急バスの新型エルガミオ

2020年10月26日 | 小田急グループの鉄道・路線バス

2015年に大幅なモデルチェンジがなされた新型エルガですが、小田急バスも例外なく吉祥寺や登戸、武蔵境に順次導入され活躍を始めました。この内、狭隘路線の成04・05・狛12系統が存在する狛江営業所管内向けにはエルガミオのモデルチェンジ車が導入されています。

調布駅南口で、成04系統に充当され折り返しを待つD3015号車(SKG-LR290J2・2016年式)です。同じ系列の立川バスでは先行して導入していますが、小田急バスでは初の新型エルガミオになりました。導入当初は白文字で行先を表示していましたが、現在はフルカラーLEDの利点を活かして昔の色付き方向幕のように行先・系統をカラーで表示しています。

狛12系統の運用で狛江駅南口ロータリーにて待機中のD3015号車。車内はエルガの新車同様に最前列のタイヤハウス上の座席が廃止され、優先席も前向きの1人掛けに改められました。

リア部分のデザインも大型車のエルガと殆ど変わりなく、先代と同様にダウンサイジング版の趣きです。特に今回のモデルは大型車・中型車共に前扉が折戸に揃えられたため、よりその印象が強くなりました。

車内もエルガの縮小版なので、ほぼ共通の雰囲気ですが側面行先表示器が薄型化され、中扉の戸袋部に収納されるようになりました。この為、向かって右の優先席側に座ると眺望にやや難があります。
何れの車両も登場時はLEDによる停留所名表示器を搭載していましたが、現在はレシップ製液晶画面に交換され、車内放送も更新されています。
 
※2016年の記事を再編集しました。
 
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登山電車の顔として今なお健在、箱根登山鉄道モハ2形

2020年09月27日 | 小田急グループの鉄道・路線バス

箱根登山鉄道の前身である小田原電気鉄道では、1919年の鉄道線開通時にチキ1(後のモハ1)電車を導入していましたが、チキ1形の主要部品にはアメリカ製の輸入品が使用されていました。しかし1921年に強羅〜上強羅(初代:現在の早雲山)間に開通するケーブルカーでは軌道・巻上げ装置・車両をスイスから輸入していた為、鉄道線の増備車もスイス製の電装品を導入することになりました。そうして登場したのがチキ2形で、1950年の小田原〜箱根湯本間の小田急直通開始と共に複電圧化、1952年に形式称号改定(チキモハ)1955年には木造車体の鋼体化、その後もパンタグラフの交換や室内更新、走行機器の高性能化など様々な改造を受け今日まで活躍を続けています。

会社創立時の車体塗装だった緑色に復刻されたモハ2109号車と標準塗装の108号車2両編成。箱根湯本〜強羅間開通100周年の記念行事の一環で登場しました。同車にこの色が施されるのは初めてではなく、1998年〜2000年にも創立70周年記念で緑にリバイバルされており、19年ぶりに再び緑塗装に戻ったことになります。何れも両運転台であるため、モハ2同士の編成からモハ1両への増結までフレキシブルな運用をこなしています。

モハ12両と組み3両編成で運用中の姿(後部1両がモハ2)1031072両が引退してからはモハ1とモハ2は別々に運用される機会が増え、3両編成での運用は減少気味で更にリバイバル塗装車が存在するため、標準塗装で揃った編成は見られなくなりました。

宮ノ下駅で交換待ちの為に並んだモハ2109号車と108号車。かつては旧型車同士の並びは日常的に展開されていましたが、モハ1形・モハ2形合わせて4両にまで減少した今は既に見ることが難しくなってしまいました。なお写真の108号車はロマンスカーのSE車をモチーフにした金太郎塗りですが、現在は上写真のモハ1形104と同じ直線的な塗り分けに戻っています。

乗務員室直後はロングシート、扉間は4人掛けボックスシートを配置する車内。ボックス席が近代的で不釣合いですが、これは後年に交換されたものです。モハ1103107同様、寄木細工をモチーフにした座席モケットが目を引きますね。 

何れも近代化されてるとはいえ、登場から実に93年、車体の鋼体化など近代化改造からも65年という長寿命で冷房は疎か扇風機さえ設置されていない希有な存在ですが、3100形アレグラ号の増備計画がある為引退の時期が確実に近づいて来ました。箱根へ足を運ぶ際は、乗車・撮影を出来る限り行いたいところです。

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懐かしのHiSEカラーで活躍する箱根登山鉄道2000形サン・モリッツ号

2020年09月25日 | 小田急グループの鉄道・路線バス

箱根登山鉄道では初となる冷房車として1991年に登場した2000形は、当初2両編成でしたが1993年からは輸送力増強に伴い旅客列車の3両化を推し進めるべく1997年には中間車を増備し、2両編成で登場した2本に増結を行い3両編成化するも1000形の冷房化改造による補助電源確保の為中間車を転用改造することになり20012002編成は再び登場時の組成に戻ります。その後は1999年に2001編成が姉妹提携を結ぶスイスのレーティッシュ鉄道カラーになり、好評の為2002年には2003編成も改められ更に同編成は2009年にレーティッシュ鉄道の看板列車である氷河急行塗装になっています。2014年には3000形アレグラの就役と連結運転に備えて2両編成の塗装が揃えられますが、2001編成は2018年に登場時塗装に戻り結果として22本・31本の全編成が異なる塗装になりました。

箱根登山線の車両は小田急ロマンスカーをモチーフにした塗装になるのが習わしでしたが、先に登場した1000形ベルニナ号がSE車のカラーをベースにしたように2000形サン・モリッツ号はHiSE車の装いです。かつてはロマンスカーの象徴的カラーでしたが、今やベースになったHiSEは引退して久しく懐かしい姿になりました。

登場時と比較すると、連結器やパンタグラフの交換、前照灯・尾灯のLED化で大分印象が変わっています。2021年からは走行機器更新や冷房装置の移設(室内から屋上へ)が実施を予定しているので、また大きな変化が生じますね。

車内はボックスシートを中心にした設備でしたが、混雑緩和の為20012002編成は2010年にロングシート化されました。白い化粧板と赤系座席モケットの組み合わせは同時期に増備されていた親会社の小田急1000形と通じる雰囲気があります。

3000形アレグラ号に合わせて設置された17インチ液晶画面。設置と共にドアチャイムも換装され、新幹線N700系と同じ音色のチャイムが開閉時に鳴動します。

来年から始まる車体更新工事が施工されれば、塗装もそれに合わせて大幅に変更される事が予想される為、懐かしのロマンスカーカラーはその時までに見納めになるかも知れません。今は旧型車のモハ12型が注目の的ですが、今後も活躍する主力形式も記録しておきたいですね。

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江ノ電1000形1101編成・情報発信トレイン

2020年09月21日 | 小田急グループの鉄道・路線バス

江ノ島電鉄では201812月より、沿線の江ノ島・鎌倉の魅力を発信することを目的とした情報発信トレインを運転しており、10002次車の1101編成を起用して車体に特別ラッピングを施しています。

緑をベースにカラフルな横縞模様が入る装いが一際目を引く1101編成。このカラーリングは、江ノ島を始めとした沿線に広がる植物の新緑から紅葉まで、1年間の季節の移ろいを表現しているのだそうです。

情報発信トレインに起用された1101編成は、1000形の2次車に当たり天井を冷房準備仕様とした車両で1981年に落成しました。翌年の1982年に冷房化を実施しています。走行機器・外観は先に登場していた編成と大差ありませんが、前照灯の設置場所の切れ込みの角部分に丸みがついたのが外観上の識別点です。

車内は通常の広告は一切掲出されず、沿線の風景写真で統一されており、ドア上の液晶画面に表示する内容も観光情報のみを表示します。ドアステッカーもこの編成でしか見られない、えのんくん仕様のものが新たに用意されました。

冷房準備車として落成したため、車内と天井には風道と共に首振り式扇風機も設置され、改造工事施工後も存置されました。しかしこれ以降、冷房装置搭載に当たってはラインデリアを標準装備するようになったことから扇風機が撤去されるようになりました。この為、最期まで非冷房だった初代500形が引退してからは江ノ電唯一の扇風機装備車となっています。

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