町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

1編成のみのYOKOHAMA NAVYBLUE 相鉄8000系8709F

2023年11月13日 | 相模鉄道

東京都心部への直通を控え、SOTETSU DESIGN BRAND UP PROJECTの発足で9000系は第一編成の9701F(2020年廃車)を除いてYOKOHAMA NAVYBLUE化され活躍が続く一方、相鉄の主力車両であった8000系に対しては施工されず、その動向が注目されましたが2020年に入り8709Fに初めて施工されました。9000系に比べると工事内容が大分簡素化されており、初期車6編成が廃車になる中で残存する後期車に順次及ぶものと予想されましたが、意外にも202310月現在も他編成は2007年からの相鉄グループカラーで運用されており、8709F8000系列で唯一のYOKOHAMA NAVYBLUE編成として運用されています。

車体カラーと車両番号フォント変更の他、前照灯の移設と運行番号表示器と種別・行先表示器が一体型のフルカラーLED化され大幅に外観の印象が変わりました。なおこの編成はYOKOHAMA NAVYBLUE 化に先駆け20173月にVVVFインバーター制御装置・補助電源装置を更新しています。

現状他の編成はグループカラー塗装のまま前照灯移設と前述の種別・行先表示一体化、また自動放送装置新設が実施されたのみで運用が続いており、中途半端な装いですが工事内容の簡素化や他編成への波及の遅さを見るに予算面での折り合いが付かなくなっているのかも知れないですね。

9000系と比較して大分内容が簡素化された印象の車内。グレー系のカラースキームを採用してはいますが、淡いピンクの化粧板のドア部分はそのままの状態にされており、室内でやや浮いている印象が否めません。

セミクロスシート車両の車内。9000系で採用されたボックス席部分の大型仕切りとして革張りシート、また強化ガラス製妻面貫通扉も見送られ、ドア以外の化粧板とシートモケット交換の施工に留まっており予算を削った跡が窺えます。

ドア上の車内案内表示器も9000系は液晶画面に換装され全ドア設置に改められましたが、8000系は従来のLEDスクロール表示のまま存置されました。どうにも中途半端な状態に見えますが、これ程時間が掛かると直通車両との識別の意味でもう現状維持でも良いのでは?という気がして来ます。

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6両編成単独専用になった小田急3000形リニューアル車(ドア交換編成)

2023年11月05日 | 小田急電鉄

小田急1000形の更新工事と未更新車の廃車が完了すると、次の対象は30003次車以降へと移ることになり、3次車の3265Fが最初の編成として202112月に運用離脱し大野工場へ入場しました。主なリニューアルの内容はVVVFインバーター制御装置、補助電源装置、電動空気圧縮機の更新と新宿寄り先頭車の自動分併装置撤去、加えて車内では側面ドア、座席の交換とLED表示器を17インチ液晶画面に換装、全車両に車椅子・ベビーカーのフリースペースの新設を実施しています。3265Fの後を追うように3266Fも入場しますが、こちらはドア交換を省略しており営業運転開始は3266F2023324日で、先に出場し試運転を繰り返していた3265Fは同月31日となり施工と復帰の順序が逆になりました。2023年度施工分は4次車3268F3267Fとなり、前者はドア交換省略の一方で後者はドア交換が実施されるなど、元々バリエーションが多かった3000形にまた新たな形態差が生まれました。

江ノ島線内運用に入る3267F。この編成は車内案内表示器がそれまでのLEDスクロール式から15インチ液晶画面1台設置に改められ、更に2015年には液晶画面を17インチの三菱電機セサミクロに換装する初の仕様でした。1000形を始め他形式との併結も頻繁に見られましたが、今回のリニューアルで自動分併装置が撤去され多摩線・江ノ島線・小田原線相模大野〜小田原間での運用に就いており都心方面へ姿を見せることは無くなりました。

一番最初に更新を受けながら出場後は試運転を繰り返し、2編成目の3266Fより後から営業運転入りした3265F。この編成は防音カバー試験車で後に全密閉式主電動機に換装された為、4000形に酷似した磁励音を発している特徴ある編成でした。写真は新宿寄り先頭車ですが自動分併装置撤去で小田原寄り先頭車同様のスカートに改められています。

リニューアル後の車内。ドアが5000形に類似した窓形状で手掛けが片側にのみ設置されるタイプになっているのが分かります。クッション性に乏しく評判が悪かった座席も交換され座り心地は改善されました。全車両に施工できないレベルで内容が複雑だった1000形の反省を踏まえているのかドア以外はイメージを大きく変えておらず、筆者はドア交換の話題を聞いた時にもしや5000形に近いカラースキームになるのでは?と思っていただけに期待外れな点です。

ドア上のお馴染み17インチ液晶画面。変わりないようですが、開閉時のチャイムが三菱電機汎用チャイムからオリジナルタイプに変更されています。また、元LED表示器搭載車は非常用ドアコックを座席下に設置する関係で鴨居部に蓋が無く、新たな形態差となりました。

1000形へのリニューアル施工完了から直ぐに3次車以降への施工になったことで、今後は機器が異なる12次車は現在のまま2000形などと同じように大規模修繕はせずに運用し廃車、編成も810両と6両、更に箱根登山線用4(うち8両固定編成予備2)に整理する方針が見えて来ましたが、平成の時代は頻繁に見られた異形式10両も見納めになろうとは、時代はすっかり変わったことを実感します。

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南武線新時代の幕開けを告げたE233系8000番台

2023年11月03日 | JR線

2010年代前半には続々と首都圏の主要路線へE233系の導入が実施され、世代交代が急速に進行しましたが、かつては他路線からの転用車が中心となっていた南武線にもその波は及び、2014年から同線向け8000番台の導入を発表し、同年104日から運用開始。それまで主力として運用されて来た205系と209系の置き換えが始まり、最後まで残った2092200番台置き換え用に豊田車両センターからの0番台を改造し転入させた8500番台の導入で2017210日から南武線の定期列車は全列車E233系化されました。

ラインカラーはJR東日本発足後の1989311日より導入の205系で採用された三色(黄色+橙+ぶどう色)の帯が引き継がれ、先頭車の乗務員室直後には「明るく弾み伸びゆく沿線」をイメージしたロゴと沿線の街並みを表現したイラストが入る楽しい雰囲気のデザインになりました。

同線から置き換えられた205系は廃車になる一方で新製導入並びに山手線から転属の0番台車はインドネシアへ譲渡された他、209系は最後まで残存した2200番台1編成が房総地区のジョイフルトレイン「B.B.BASE」に改造され何れも活躍中です。

路線別に座席モケットのカラーバリエーションが見られるE233系ですが、8000番台はラインカラーに合わせて模様入りの黄色+茶色系になり画一的な同系の中で他路線には無いオリジナル仕様とされています。

ドア上は当然のように17インチ液晶画面を設置しており、それまでは少数派の209系に次の停車駅を表示するLED式案内表示があったのみですから大変な進歩になりました。営業運転を開始した頃は他路線からの転入車が使用されているのは国鉄時代から沿線住民にとって周知の事実らしく、「南武線なのにTVが付いた新型車が入った」との会話を耳にしたものです。かつての各駅停車のみで新車導入が途絶えた期間を思うと、駅改良工事や高架線化なども併せて見違える程改善されましたね。

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新京成電鉄、親会社の京成電鉄へ吸収合併で解散・消滅へ。気になる在来形式の今後

2023年11月01日 | 京成グループの鉄道

20231031日の取締役会にて、京成電鉄は新京成電鉄を吸収合併することを発表しました。新京成電鉄は2022830日に東京証券取引所スタンダード市場上場廃止、91日より簡易株式交換により京成電鉄の完全子会社となっていましたが、吸収合併により経営効率化と意思決定の迅速化を目指すものとされています。これにより新京成電鉄は202541日で法人格が消滅、約79年の歴史に幕を下ろすこととなりました。現在の駅と路線は変わらず維持し、路線名については検討中となっていますが、全くの別名になることが予想されます。

ここでやはり気になるのが歴史的な経緯から三菱電機の電装品を採用し親会社とは大分異なる独特の所有車両ですが、ジェントルピンクで統一されたカラーリングなどは将来的にどうなるのか興味深い点です。なお、京成通勤車で普通鋼製車体の塗装車は3400形を残すのみでしたが、合併により8800形が最後の普通鋼製車ということになります。

リニューアル未施工の8800形は現在廃車が進められていますが、車内をリニューアルする一方でVVVFインバーター制御装置の更新が見送られた編成が現れた他、ドアの幅や位置が異なり京成千葉線直通も対応していない少数派の8900形など、新京成独自の形式は京成電鉄に編入されたら早期の内に見納めになるかも知れません。

本年開催の新京成サンクスフェスタで80000形の横に並べられた8804編成。この編成はドア交換を受けていますが車内と制御装置は未更新で既に休車扱いになっており、今後の廃車が見込まれます。80000形もベースになった京成3100形とは駆動装置や制御装置が異なりますが、こちらも3100形への編入などがあるのかどうか気になるところ。

原型ドアで残存する8805編成以外の未更新車車内。ドアのみがステンレス無塗装のメーカー標準品に交換され、1980年代テイストの車内では不釣り合いな雰囲気に。マスコットキャラクターの「しんちゃん」と共に、塗装が変化して新型車が入っても何故か変更されず、新京成を特徴付けるものの一つだった関東型ドアステッカーも京成電鉄編入で見納めでしょうか

消滅・解散まで残り約1年半となった新京成電鉄ですが、やはり長らく親しまれた社号・路線名の消滅というのは沿線外の筆者も一抹の寂しさを感じます。今後の路線名や在来車の処遇など、京成電鉄からの発表が待たれますね。

 

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