町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

栃木ローカルの新しい主役・東武鉄道20400系

2020年12月07日 | 東武鉄道

2017年からの70000系導入により、置き換えられ余剰になった20000系グループは余剰車を4両編成化の上、ワンマン対応改造を施工することが明らかにされ、20186月に新たに20400系となることが発表されました。同年93日からは8000系置き換えの為に宇都宮線を中心として運用を開始しています。改造種車により相違点が存在し、20410全車両20070系、20420先頭車20000系・中間車20070系、20430先頭車・中間車共に20050(先頭車は元5扉車)20440先頭車20000系・中間車20050(モハ23440のみ元5扉車)と多岐に渡るバリエーションがあることが特徴です。

全車3扉で整った外観ですが、先頭車は20000系、中間車は20070系で構成されている20422F。両者は戸閉装置の違いからドア開閉時の動作音が異なる他、元20070系はドアの取っ手が窓より下に設置されている為容易に判別可能です。外観の紺色の帯はSL大樹号をイメージしており黄色は警戒色として入れられたそうです。

20000系と20050系で構成される21442F1(写真手前から3両目)のみ元5扉車で、扉部分を閉鎖の上で開閉可能な窓を設置している為に改造車然とした外観が目を引きます。

白い化粧板とブラウン系の座席に一新され地下鉄直通用の70000系に近いイメージになった車内。寒冷地の運用に備えて側扉は半自動機能が追加され開閉ボタンが設置されました。全てのドア窓には広告代わりに半自動扱いを知らせる注意書きが貼られています。

車内案内表示器は2005020070系時代はLEDのものを設置していましたが、転用に際してコイト電工のパッとビジョンに換装されドアチャイムも東武鉄道オリジナルから旧営団チャイムに変更されました。これらは元20000系にも新規設置されています。

20400系列は宇都宮線の8000系の他、南栗橋〜新栃木間で運用されていた10000系列を置き換え、南栗橋発着の列車は朝夕を除き東武宇都宮方面の運転が基本になり6050系の運用も大幅に削減されましたが、2020119日からは更に新栃木〜東武日光間と鬼怒川線への運用拡大が発表されました。現在は新栃木〜東武日光間の1運用置き換えに留まっていますが、今後は急行・区間急行への進出も予定されており栃木以南で6050系の姿を見ることが出来なくなる日も近づいて来たようです。

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運用が減少する東武鉄道6050系

2020年12月01日 | 東武鉄道

2017年4月まで、東武鉄道には浅草~東武日光・会津田島間を結ぶ快速列車が設定されていました。3社5路線(東武伊勢崎線・日光線・鬼怒川線・野岩鉄道会津鬼怒川線・会津鉄道線)に跨る200キロ余りの区間を3時間以上かけて走行する私鉄随一の長距離列車であることと、6両編成の内、前2両会津田島行き、中間2両鬼怒川温泉(鬼怒川公園)、後2両東武日光行きのパターンを基本としており、分割と併合を繰り返す国鉄の急行列車を彷彿とさせる運転形態で知られた存在でした。その列車に1986年から用いられてきたのが6050系で、乗車券だけで利用できる充実装備のクロスシート車両として人気を集めましたが、現在ではその役割を特急リバティに譲り日光線南栗橋以北に活躍の場が限定されています。

朝の上り区間急行で運用中の6050系。南栗橋〜新栃木間は20400系によるワンマン運転が主体となり宇都宮線直通が基本になった為6050系運用は大幅に削減されました。2020年11月9日には20400系の運用拡大が発表され、日光線新栃木以北への進出と急行への充当も予定していることから、今後は6050系の南栗橋乗り入れも更に減少してしまいます。

廃止された快速の代替として新設された南栗橋発着の急行に充当されている野岩鉄道所属編成61101F。6050系は初代快速用6000系の車体更新車両ですが1985年に下回りを含めて完全な新規製造車が登場し、その内1985年落成の61101F1986年度に61102F1988年には拡大する需要に対応するために製造された7編成の内61103Fが野岩鉄道に譲渡されています。このあと1990年には会津鉄道の電化開業に伴い、61201Fが新製され譲渡されました。手続きを簡略化する為にこのような措置で登場した両社の編成ですが、特に運用上東武鉄道所属車と区別はされないことから、東武線内で完結する運用にも入ります。

関東私鉄では珍しいボックスシート主体の座席配置の車内。蛍光灯にはダイヤカット模様のカバーが付き、通勤車両と同じ両開きドアを除けば、どことなく急行型電車に近いスタイルです。朝の急行では南栗橋を出ると、栗橋・板倉東洋大前・新大平下・栃木・新栃木・新鹿沼・下今市・東武日光と特急並みの停車駅と所要時間(約1時間20分)で走破し、かつての長距離快速を彷彿とさせる走りを楽しめますが、今後は20400系の充当も増えて行くようです(2020年11月9日時点では急行・区間急行は全列車6050系を使用)。

6050系の特徴的な設備として、乗務員室仕切扉上に設置された行先表示器があります。これは快速で分割併合を行なっていた頃に旅客の誤乗防止を防ぐ為に設けられました。

長らく日光・鬼怒川へのアクセス列車として高い人気を誇っていた6050系ですが、既に足回りは6000系時代から数えると50年半ばの歳月が経過し、老朽化が深刻な更新車両には多数の廃車も発生しています。今後は新栃木以北で運用する為の新造車グループが残存することが予想されますが、残り少なくなった旅情を感じさせる近郊型電車なだけに、少しでも長く活躍してくれることを祈るばかりです。

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