町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

導入絶えて久しい都営三菱ふそう・エアロスター

2021年03月31日 | 都営バス

三菱ふそうの大型路線バスであるエアロスター(2代目)1997年より本格的な量産型ノンステップバスがラインナップに加えられていますが、20105月よりワンステップ仕様車の改造扱いとなる大型ノンステップ車が追加されました。第一号車は神奈川中央交通に導入されましたが、都営バスにも同年度に85台が一気に導入され主力車両になりました。

2010年下半期に導入された内の1台であるV361号車(LKG-MP37FKF2010年式)。先述の通りワンステップ車をベースにした為、車高が従来のノンステップバスよりも高くなっています。中扉上部の照明はオプションでしたが、この車両からメーカー標準装備になりました。

同型式で2011年導入のW401号車。この代から早速マイナーチェンジがあり、正面に掲出しているノンステップバス表示の差し込み口が右から左に変更され室内照明のLED化、また車内確認ミラーや冷房装置の吹き出し口の形状変更などが実施されています。

側面窓の天地寸法が拡大され天井が高くなったことで開放感のある車内になりました。通勤ラッシュ対応の為、後部の座席配置は1人掛けとし通路幅を確保しています。

車内前部に設置している液晶画面の停留所名表示器。かつては2段表示のLEDによるものでしたが、2016年までに年式に関係なく全車両が換装されました。文字のみだったLED式に比べて、大幅に表示する情報量が増えています。

現在のところは、いすゞ車と燃料電池バスのトヨタ車が中心になりつつありますが、2020年10月14日に路線バス新車の入札公告が公開され、11月27日に三菱ふそうバス・トラックが落札したことで実に8年振りに三菱ふそう車が導入が再開されることになりました。都営バスで現行モデルのMP38系列は初の事例になるので、実車の登場に期待が掛かります。

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都営バスに残る西工ボディーの日産ディーゼル車

2021年03月29日 | 都営バス

都営バスに於ける日産ディーゼル車は、ツーステップ車時代から長らく富士重工業製ボディを架装して来ましたが、2000年度導入の中型CNGノンステップバスより西日本車体工業の車体も採用されるようになり、中型車限定で導入していましたが2003年からは富士重工業のバス事業撤退により、日産ディーゼル製大型ノンステップ車は全て西日本車体工業の96MCボディで導入されています。

錦糸町駅前で待機中のS683号車(PKG-RA274KAN2008年式)。この前年に導入されたP代車では冷房装置にサーモキング製を搭載し、S代への移行直前に導入した分からデンソーに変更していますが、このS代車からはデンソー製冷房装置に統一されました。

2010年導入の同型式をリア部から。P代までは横長タイプだったナンバープレートを照らす灯火類が二灯式になりました。PKG-からは殆ど同じように見える西工ボディーですが、細かい箇所に差異があるのも特徴です。

比較に西工ボディーの日産ディーゼル車の中では初期に導入された北自動車営業所のKL-UA452KAN改・2003年式。側面窓が大型の固定式になっており、印象が大幅に異なります。登場時は方向幕を装備していましたが、2007年にLED式の行先表示に換装。

国土交通省の定める標準仕様ノンステップバスに準拠する車内設備。後部の座席配置は2人掛け座席で手摺り類は全てオレンジの被覆が施されています。

富士重工業製ボディーの車両は全廃されて久しいですが、西工ボディー車は比較的多くの数が導入されており、今しばらく活躍する姿が見れそうです。しかし最新の車両でも10年が経過していることから順次淘汰されることが予想され、日産ディーゼル車の消滅もそう遠くないことと思われます。

 

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カラフルデザインで異彩を放つ東急8500系・Bunkamura号

2021年03月05日 | 東京急行電鉄

2018年、大量に活躍している8500系の本格的な置き換えに着手すべく2020系の運転が開始されましたが、同年の422日から東急文化村に関連する広告電車として、85008637Fによる「Bunkamura号」が運用を開始しました。この編成は文化村のラッピングを前にドア部を赤・緑・黄・青の4色で装飾して運用に入り大きな話題を呼びましたが、広告電車となった現在もカラフルな装いで一際目立ち、独特の存在感を放っています。

東急ケーブルテレビジョンの広告電車として青帯が巻かれ、その後先頭車にシャボン玉の装飾を施して貸切広告電車TOQ-BOXとして運用されて何かと注目される機会が多かった8637Fですが、8500系の置き換え再開と同時期の運転開始だったこともあり引退前の花道といった趣です。

Bunkamuraとは株式会社東急文化村が運営する渋谷区の複合文化施設で、東急グループの文化戦略を担う中核企業ですが、敢えて最新の2020系や主力の5000系ではなく引退を控えた8500系を起用する辺り鉄道マニア目線では非常に英断ですね。

9000系と同時期に増備された為、同系に準じて設計変更された車内。以前に記事にした編成とは異なり扇風機や箱型の吹き出し口が姿を消しラインデリアを設置しています。また、座席の中仕切りや袖仕切りは新製時から設置されました。ドア窓もガラス押さえが変更されて車内側に段差が出来ています。

2005年初頭に交通バリアフリー対応で設置された車内案内表示器。ドアチャイムと共に乗り入れ先を含全区間で現在も稼働していますが、残念ながら自動放送装置は更新が見送られたようで使用停止になってしまいました。

いよいよ引退が近付いて来た8500系ですが、車齢が9000系とほぼ同期の8637Fは最後の方まで残存することが予想され暫くは楽しませてくれそうです。

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2代目リゾートライナー、ディズニーリゾートライン100形(Type-C)電車

2021年03月03日 | モノレール・新交通システム

東京ディズニーランドを周回しているディズニーリゾートラインでは2020年よりType-Cと称する新型車を導入し、2001年開通時からの初代車両の置き換えに着手することを発表しましたが、現在までにイエローの第1編成とピンクの第2編成が導入され運用を開始し、代替で初代車両(Type-X・10形)の第2編成と第5編成が廃車になっています。

202073日より運用を開始したType-Cの第1編成。形式は100形で車体色は黄色で初代車両よりも色が濃くなり2色構成になりました。側窓も寸法が更に拡大されています。

202173日より運用開始のピンクの第2編成。設計に当たってはバリアフリー対応と共に「いつでもどこでも だれにでも ディズニーの世界観を提供したい」をコンセプトに掲げています。

ミッキーマウスをモチーフにしたロングシートの車内設備。初代10形は座席の中央部がラウンドした独特な座席でしたが、乗車時間が短い為に流動性に配慮しています。扉は化粧板が省略されステンレス仕上げですが、モザイク模様の加工が施されています。

車内案内表示器は液晶式で、下部には開扉方向がイルミネーションで表示されます。戸閉装置は特にメーカーからの発表はないものの、JR東日本E235系と同様の動作音を発する為、富士電機製ラック式戸閉装置を採用したと思われます。

今後2024年までに順次置き換えを実施する計画ですが、次は何色の編成が登場するのか楽しみですね。

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新世代の燃料電池バス、トヨタ自動車製"SORA"(都営バス)を見る

2021年03月01日 | 都営バス

東京都では水素エネルギー社会の実現に向けて、燃料電池自動車の普及に向けての取り組みを行っており、20173月にトヨタ自動車製の燃料電池バス(トヨタFCバス)を都営バス深川自動車営業所に導入しました。このFCバスは燃料電池自動車である「MIRAI」で確立したトヨタフューエルセルシステムをベースに開発され、エネルギーの高効率化やCO2などの有害物質を排出しない走行性能を実現しています。この時点では実証実験を兼ねていた為リース形式での導入(20191月に返却)となりましたが、2018年より日本初となる型式認証を受け量販型燃料電池バス「SORA(ソラ)」として販売が開始され、営業での運用実績がある都営バスが導入第一号になりました。

深川自動車営業所に所属するD106号車(ZBC-MUM1NAE2019年式)。全長は10.5メートルで在来車と変わりないですが、外観は非常に斬新で窓と車体がブラックアウトされています。中扉は戸袋式の引戸ではなくプラグ式を採用した為、側面はより平滑な印象になりました。

東京ビッグサイトを後に東京駅へ向かうD109号車、上のD106号車の一ヶ月後に導入されました。愛称であるSORAの由来はSky()Ocean()River()Air(空気)の頭文字で、水と空気の循環を表しています。

江戸川自動車営業所所属のE130号車をリア部から。車体の造形は従来車と比べて立体的でルーフ前部には水素タンクを10本、後部にはMIRAIと同じFCスタックを2基搭載しています。大容量の外部給電システムも同様に備えており、災害時には電源車としての利用も可能にしました。車両価格は1台当たり1億円という驚きの価格ですが、国や自治体からの補助金の対象になる為、一般的な大型路線バス同様の価格で導入可能とのことです。

車内設備。FRP成型の座席で欧州車のような雰囲気が漂っています。向かって左側は車椅子・ベビーカーのフリースペースで、横向き座席は収納式になっており、普段は乗客が自ら引き出して利用します。

現在は民営の路線バス事業者でも導入が進められ、その姿を見る機会も増えて来ましたが今後は車両そのものやエネルギーコストの低減など課題もあり普及までにはまだ時間が掛かりそうですが、首都圏を初めとした大都市での更なる増加に期待したいところです。

 

 

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