周平の『コトノハノハコ』

作詞家・周平の作詞作品や歌詞提供作品の告知、オリジナル曲、小説、制作日誌などを公開しております☆

#151 『「ねぇ、元気?」』

2015年05月30日 | 作詞作品集
「ねぇ、元気?」って君に聞く
遠く離れてても
君は そう 
私の一番の友達
「元気だよ」っていう
君からの返信
それこそが私の
元気になる


君はあの日 遠い街へ
夢の荷物 背負(しょ)って旅立って

隙間空いた
君のいた場所と
私のこの胸

文字だけじゃ寂しい
今のつながり
君の顔が見えないから

「ねぇ、元気?」ってすぐに聞く
ホントはね 私が
元気じゃないくせに
隙間を埋めたくて
「平気」ってすぐに言う
ホントはね 全然
平気じゃないくせに
ヘンな私


辛い日には 君を想う
余計辛くなったりするけど

いつかどこか
また君に会える
その時のために

頑張って笑顔を
作ってみても
君の声が聞きたくなる

「ねぇ、会いたい」と文字打つ
独り言のように
会えないと知ってて
送ってしまうけど
「そうだね」と優しく
返してくれる君
それだけで私は
笑顔になる


きっと目に見えてる
この距離ほど心は遠くない
別の道だって
違う未来(あす)だって
心はいつも一緒に隣にいるよね

「ねぇ、元気?」って君も聞く
たとえ どこにいても
君は そう
私の一番の友達
「元気だよ」って そう
胸張って言えるように
君みたく私も
頑張るから

小説第5弾続編『夢の続きの夜行バス』~後編~

2015年05月17日 | 小説
10年前の上京とは訳が違う。

夢が叶う事が決定している上での上京なのだ。

上京したらとりあえずは二瓶のアパートに居候させてもらい、落ち着いたら自分でアパートを借りて、いやマンションを借りて、いやマンションを買って一人で住んでやろうと思う。

メジャーデビューすれば、自ずと大金も彼女も欲しいものは何でもセットで付いてくるに違いない。

一人の男との出会いがここまで人生を大きく変えるなんて…。

彼も一人では無力だった。俺も一人では無力だった。
お互いに長い年月を無駄に過ごしてしまった。

しかし、そんな二人が力を合わせれば、こんなにも簡単に夢は実現できるのだ。
これまでの10年間がバカみたいに思えた。

俺は一刻も早く東京に着きたい気持ちだったが、バスは焦らない。
栃木県内の佐野サービスエリアで2回目の休憩をとった。
俺と二瓶が初めて会話を交わした思い出の場所だ。
俺が気になった女の子との会話のチャンスを二瓶に妨げられた因縁の場所だ。

俺はさっさとトイレを済ませ、自動販売機でコーラを買い、バスへと戻った。

全乗客がバスへ戻ったことを乗務員が確認し終え、そろそろ発車すると思われた瞬間…

事件は起きた。

「おい!乗客を殺されたくなかったら俺の言うとおりにしろ!」と運転手と乗務員に向かって怒鳴る男の声がバスの前の方から聞こえた。

おいおい、嘘だろ? バスジャックか!?

その男は運転手に拳銃を突きつけ、こう言った。

「今から高速道路を逆走しろ!北へ向かってバスを走らせろ!」と。

おいおい、冗談じゃないぞ。

俺はこれから夢の実現に向かって東京へ行くのだ。
盛岡へ逆戻りしたところで、また無職の腐った俺に戻るだけだぞ!

それよりもバスジャック犯なんかに殺されて夢が終わるなんて冗談じゃない!!

だからとりあえずは運転手にバスジャック犯の言うとおりにして欲しかった。

バスはやがてゆっくりと動き出し、本当に高速道路を逆走し始めた。
そのバスを避ける反対側からやってくる車たちが窓から見える。

俺はこの状況がニュースになっているのか知りたくて、犯人に気付かれないようにこっそりとポケットからスマートフォンを出し、テレビのニュース番組を見た。

まだ夜明け前だが当然、緊急特番だ。

まさに俺が乗っているバスの上空を飛んでいるヘリコプターからの映像が流れている。

犯人が誰なのかはもう判明しているようで未成年ではないため名前も顔も公表されている。

どうやら犯人は犯行直前に日本のどこかでバスジャックを行うと警察に対して犯行予告を出していたらしい。

犯人は俺や二瓶と同い年で、岐阜県出身らしく、名前は「叶 歩夢(かのう・あゆむ)」というらしい。
犯行の動機は「俳優になりたいという夢がなかなか叶わない腹いせ」というふざけた理由だ。

頭にきた俺は思わず犯人に向かって叫んでしまった。

「おい、お前! 夢が叶わないからって他人にあたるなんて最低だぞ!」と、どうやら火に油を注いでしまったらしい。

すると犯人は、「なんだテメェ!殺されたいのか?」と俺に拳銃を向けながら怒鳴ってきた。

「夢はあきらめなければいつか叶うんだよ!!」と俺は燃え滾る炎の中にさらにダイナマイトを放り込んでしまったようだ。

「そんなの嘘だ!!何を根拠にそんな事を…」

「お、お、俺が根拠だ!!」

「はっ? ふざけてんじゃねぇぞ、テメェ!!」

犯人はそう叫ぶと、俺に向かって発砲した。

バーンッ!!

終わった。
今度こそ終わった。
やっぱり俺の夢は叶う事のないまま終わるんだ。
俺の意識はだんだんと薄れていった。

バーンッ!!

もう一発鳴った。
これでとどめだ。

でも今度はさっきの発砲の音とはちょっと違い、盛岡の実家の俺が今日まで3ヶ月間引きこもっていた部屋の引き戸を強く開ける音に聞こえた。

バーンッ!!

さらにもう一発鳴った。
もうどうせ死ぬんだから撃たなくても良いのに…

でも今度もまた最初と2回目の発砲の音とは違い、盛岡の実家で何もせずに3ヶ月間も引きこもっていた、どうかしている俺の頭を母が強く叩く音に聞こえた。

「ちょっとあんた! 何やってるの! 初日から遅刻するわよっ! 今日は3ヶ月もかけてやっと決まったバイトの初日でしょ! さっさと起きなさい!」

<完>

小説第5弾続編『夢の続きの夜行バス』~前編~

2015年05月16日 | 小説
俺は今、3ヶ月ぶりに夜行バスに乗っている。

3ヶ月前とは逆に盛岡から東京へ向かってだ。

理由も逆。夢の終わりではなく始まり。

いや、夢の続きと言った方が正しいだろうか。

理由を話すと長くなるのでやめておきたいが、その理由を話しておかないと読者は訳が分からないだろうし、前編後編に渡る予定のこの続編小説の尺が埋まらないので、やっぱりちゃんと話しておこうと思う。

3ヶ月前、あの夜行バスの中で出会った二瓶一之という同い年の男とFacebookでつながり、それから音楽話に花を咲かせた。

どんな音楽を聴くだとか、誰のCDを買うだとか、誰のライヴを観に行っただとか、どんなアイドルが好きだとか、どんな顔がタイプだとか、夜行バスで一緒だった女の子の事だとか…

もう後半は音楽とまるで関係ない。

やはりあの時、二瓶一之は仙台の実家に一時帰省していて、普段は東京に住んでいる。
コンビニで週6~7ペースでアルバイトをしながら。
やはり音楽活動でなかなか芽が出る事はなく…。

そんな彼でも俺より数倍マシだ。
俺は盛岡の実家に帰ってから3ヶ月無職だったのだから。

彼とつながってから3週間ほど経ったある日、彼から突然「ねぇ? 僕とユニット組まない?」と誘ってきた。

無職で暇な俺にとって、断る理由は「ちょっとウザい」以外には特に無かったので誘いに乗ることにした。

彼が曲を作り、俺が歌詞を書き、それを彼が歌い、俺がアレンジを加える。

そんな流れでわずか1ヶ月の間に4曲のオリジナル曲を作り、それを二瓶がいくつものレコード会社に売り込んだ。

その中の1社から「すぐにでも会いたい」と二瓶の元へ連絡が入った。

俺は盛岡に住んでるので、とりあえずは二瓶が一人で、そのレコード会社のプロデューサーと会ったのだが、その場ですぐにメジャーデビューを約束され、俺にも東京へ出てきて欲しいと言ってきたのだ。

そんなバカな? 
こんなにうまくいって良いのか?
怪しいレコード会社ではないのか?
と色々疑ったが、調べた結果怪しそうなレコード会社ではなかったし、こんなチャンスは俺にも二瓶にも二度とないだろう。

そんなわけで、俺は今、人生2度目の上京の夜行バスの中なのである。

そう、夢の終わりではなく、夢の始まりの、夢の続きの夜行バス。

(後編へ続く)

11th distribution 『WWW-World Wrong War-』

2015年05月15日 | オリジナル楽曲
2015年一発目となるオリジナル曲配信です♪

タイトルは『WWW-World Wrong War-』 

※「ワールドロングウォー」とお読みください。

高校1年の頃からこれまでに57曲のオリジナル曲を作ってきましたが、自分でも意外ですが初めての反戦ソングというか、戦争を歌った曲です。

他の方の曲に反戦の内容の歌詞を付けた事はありますがオリジナルでは初です。

2015年に入ってから日本人が海外で犠牲になる事件が続きました。

それを受けてネット配信オリジナル曲第11弾となる今作はこういう曲にしようと決めました。

今作もまた驚くような音で曲がスタートしますが、聴いていただけたら嬉しいです♪

オリジナルの楽曲をアップしている音楽配信サイトmuzieの周平のページです↓
ここで今回の新曲『WWW-World Wrong War-』も聴けます♪
http://www.muzie.ne.jp/artist/r016691/

次のオリジナル曲配信は秋ごろを予定しています。
内容は全くの未定です。

#150 『WWW-World Wrong War-』

2015年05月15日 | 作詞作品集
世界はひとつにはなりはしない
綺麗事を並べても
そもそも価値観や正しさが
それぞれ違うのだから

隣の部屋の住人とさえも
仲良く出来ない社会
隣の国なんかと仲良しに
なれるわけもない世界

自分と違う正義を互いに消し合ってたら
そう やがていつか この惑星(ほし)に
ひとりもいなくなるぞ

意味の無い血や涙が
国や宗教の狭間
今日もまた無駄に流れる
昔から性懲りも無く
強さを誇示するために
弱さが犠牲にされる
人の命や その未来を
奪い去る権利など誰にもない


世界がひとつにはなれないなら
もしもだけど いつの日か
宇宙人が攻めてきた時には
僕ら 瞬殺だろうね

でも その前に笑われるだろう
同じ惑星に生きるのに
くだらない理由で仲間同士
争ってる愚かさを

他人の脳みその中 覗けないもどかしさ
そう 抱えながら この惑星は
明日(あす)も回り続ける

正義面した悪魔に
一度きりの人生の
ピリオドなんか打たれたくない
ましてや無意味になど
人を傷つけた事で
本当に気が済んだか?
信じる神は微笑んでるか?
そんな事 知り得ないし知りたくない


意味の無い血や涙が
広い世界のどこかで
今日もまた無駄に流れる
きっと明日も明後日も
正義面した悪魔に
まだまだ続くドラマを
撃ち斬り(打ち切り)なんかにさせたくない
ましてや無意味になど死にたくない

#149 『Ride out Good-bye』

2015年05月01日 | 作詞作品集
※この歌詞は仮面ライダーGIRLSというダンスユニットから2015年4月26日に脱退された、仮面ライダーキバ担当の名倉かおりさんへのメンバーからのメッセージソングの歌詞コンペ用に書いたため、それに関連するワードがいくつか含まれております。


アクセルを全開で走り出した
行き先も分からないままに

道の途中 私たち何度も
ぶつかったり泣き合ったりしてきたよね

迷った時 頼ってきた道しるべは
いつも あなたのキバってる姿

笑顔でRide out
あなたの新たな夢のために
手を振って見送るよ 次の分かれ道
卒業Good-bye
私たちだけでも大丈夫
そう だから いつも
あなたは前だけを見ていて


強がって そんな事 言ったとこで
あなたには見透かされてるね

出会いから今日までの道のり
仮面の裏 心の中 見られてきた

辛かったり楽しかった日々の記憶
猛スピードで走り抜けてゆく

笑顔でRide out
あなたの選んだ道のために
本当は寂しくて仕方ないけれど
卒業Good-bye
私たちだけでも走れるよ
そう だけど 明日(あす)も
あなたはずっと仲間だから


新しい春の風のかおり
私たちの前をかけ抜けてゆく
遠くからで良いから見守っていてね
私たちも応援してる

笑顔でRide out
あなたの新たな夢のために
手を振って見送るよ そのうしろ姿
卒業Good-bye
私たちだけでも大丈夫
そう だけど いつか
みんなで またどこか走ろう