詩歌探究社 蓮 (SHIIKATANKYUSYA HASU)

詩歌探究社「蓮」は短歌を中心とした文学を探究してゆきます。

詩歌採集 その207 原田泰治

2016-01-29 09:29:24 | 詩歌採集




沼や水田の多い地方では、ひときわ美しい蓮田を見かける。
夏の青空や入道雲とみようによく合う。
それは、水田に突き出た葉の上に咲く花のせいだろう。
うす紅色の花は開花の時「ポン」と音をたてるという。
土の中ではレンコンが収穫の時を待っている。
レンコン掘りは、手間のかかる苦しい仕事だ。
でも、この蓮の花を朝もやの中で見ると、その苦労も忘れてしまうほど、神秘的な風景なのだそうだ。


(原田泰治「蓮の花・石川県白山市」日本郵便切手解説帳より)



「蓮」トートバッグ

2016-01-28 13:59:20 | 詩歌探究社「蓮」情報



先日お知らせした「蓮」オリジナルトートバッグ、
「可愛い」「カッコイイ」「使いやすい」と大好評です
まだ若干ですが、残っております
(3000円でお分けしております)
ご希望の方は下記のアドレスまでご連絡ください

詩歌探究社「蓮」
bungaku-hasu@tbz.t-com.ne.jp


「蓮」同人の糸田ともよのブログ「夜光席」でも
きれいな写真で紹介されています

糸田ともよブログ「夜光席」
http://melharp.asablo.jp/blog/



「蓮」6号印刷中・6号の一首・一句

2016-01-26 09:30:57 | 詩歌探究社「蓮」情報



「蓮」編集部では、現在6号の印刷中です

「蓮」6号より同人の作品を一首(一句)ずつ紹介します

石川幸雄 
短歌「火や水や月に喩えて」
落下するスローモーション物語が不意に途絶える華麗を思う            

糸田ともよ 
短歌「あしたしたたる」
こおりのしんばるがうたれはくめいにきらめくはへんあびながらあう
(氷のシンバルが打たれ薄明に煌めく破片浴びながら逢う)


大政建夫
俳句「谷戸日和」
   銀河濃し一村なべて鍵要らず

岡 貴子
短歌「喜寿と古稀」
朝なさな塩水のみてたまゆらを海をよぶごとまなこつぶりぬ

佐藤 薫
短歌「横濱DOLLE」「てをひらくまじ」
白シャツはまた雨に濡れ岸上のひとつの歌を空に唱へり

佐藤よしみ
短歌「風のさやぎに」
火傷痕うすれてもなお疼きいる昏き記憶に光る飛行機

橋淑子
短歌&書「われの証明」
致死率の百パーセントとう毒を呻り呻りて生くる一生(ひとよ)か

萩谷孚彦
短歌「蝶々」
吐息をば軽く吹き上げ前髪をゆらして君はうるさいと言う

布々岐敬子
短歌「無題」
畑から呼び出されたり初雪の降りたるあした野沢菜を採る

前川 博
短歌「私は空箱なり」
パンドラの匣をあけてはいけません〈わたしはあなたあなたはわたし

村田奈菜子
短歌「矛と盾」
デパートのトイレで泣くとは思はざり母の背に似る後ろに立てば

山中もとひ
短歌「憶えていますか」
乾かないペンキの上の足跡よどこかの猫の青い足裏

森 水晶
短歌「青空」
青空にパラソル振ってさようならはじめから冗談だったと笑い                 


6号は3月15日(実際には2月の半ばにお届け)発行です
今回は82頁とボリュームもあり、充実した内容で永久保存版です!
お楽しみに


「蓮」ご購入その他、お問い合わせは
詩歌探究社「蓮」アドレス
bungaku-hasu@tbz.t-com.ne.jp



詩歌採集 その206 石川幸雄

2016-01-25 18:33:09 | 詩歌採集




工場の戸締り終えて月を探すのど飴を噛む雨音のみぞ

   (石川幸雄『百年猶予』)



詩歌採集 その205 森 水晶

2016-01-25 18:29:16 | 詩歌採集



多くの鳥の中からみつけるのは簡単でした折れた翼を
  
    (森 水晶 未発表)



詩歌採集 その204 小柴節子

2016-01-20 18:14:16 | 詩歌採集



ひと夏を生きるとは一生を生きること花のごとかる傷口ひらきて   

    (小柴節子『にゅうろんの茎』)

詩歌採集 その203 小柴節子

2016-01-20 18:09:48 | 詩歌採集



選ぶとは他のすべてを捨てること 鳴く蟬時雨悔いなしと鳴け

   (小柴節子『夏の舟』)



詩歌採集 その202 大野誠夫

2016-01-20 09:44:56 | 詩歌採集



くぐみ鳴く雌がその夫の山鳩の飛びくる待ちて連れ立ちゆけり

   (大野誠夫『水観』)



蓮の歌 その31 引田部赤猪子

2016-01-19 14:04:21 | 蓮の歌


 日下江の入江の蓮 花蓮 身の盛り人 羨もしきろかも
   
   (引田部赤猪子『古事記』)



詩歌採集 その201 小笠原賢治

2016-01-19 10:20:24 | 詩歌採集



・・・人間は結局誰しも、その出口のない生をくぐり抜けていくしかない。
そしてその時々で、生のかけがえのない充実を、‘幸福‘や‘至福‘を、束の間でも見つけだすことができたらそれでよい、という結論しか出てこない。
・・・幸福よ!その歯は、死ぬほど優しく…。こうした瞬間ならば、何度か私にもないことはなかったのである。
  

    小笠原賢治『「幸福」の可能性』
   ※『菱川善夫著作集10』「解題」福島泰樹より



「蓮」6号目次

2016-01-15 20:14:38 | 詩歌探究社「蓮」情報



「蓮」編集部では、現在6号の校正中です

「蓮」6号の主な内容です

石川幸雄 
短歌「火や水や月に喩えて」
巻頭時評「カナリアはいま卒倒するか」
前号評「往復所感」・コラム・その他             

糸田ともよ 
短歌「あしたしたたる」

大政建夫
連載エッセイ「俳句の風景ー一茶と総の国」
俳句「谷戸日和」

岡 貴子
短歌「喜寿と古稀」
連載文章「‘特集記事‘でCHAT」

佐藤 薫
短歌「横濱DOLLE」「てをひらくまじ」

佐藤よしみ
短歌「風のさやぎに」
連載エッセイ「琉歌(うた)の見える風景」

橋淑子
短歌&書「われの証明」

萩谷孚彦
短歌「蝶々」
エッセイ「飛べないチョウチョ」

布々岐敬子
短歌「無題」

前川 博
短歌「私は空箱なり」
連載エッセイ「般若の言葉」
前号評「俳句遊苑」

村田奈菜子
短歌「矛と盾」

山中もとひ
短歌「憶えていますか」
評論「「信頼できない語り手」という娯み」
連載歌物語「ちぃ丸の建物語り」
前号評「批評の特権Ⅱ」

森 水晶
短歌「青空」
俳句「星月夜」
連載歌物語「水晶物語」 その他

その他、橋淑子書歌集『うつし世をともに在りたるもろもろへ』特集。
加藤英彦氏による書評、
石川幸雄による橋淑子インタビュー、
同人精鋭による一首評など大変素晴らしい内容です

また、昨年10月に開催された「山中もとひ『〈理想語辞典〉』を読む会の
レポートも掲載されます

編集部による「歌集標本」は道浦母都子の『無援の抒情』
「詩歌探究館」は赤塚不二夫です。
                 
6号は3月15日(実際には2月の半ばにお届け)発行です
今回は82頁とボリュームもあり、充実した内容で永久保存版です!
お楽しみに


「蓮」ご購入その他、お問い合わせは
詩歌探究社「蓮」アドレス
bungaku-hasu@tbz.t-com.ne.jp


蓮の歌 その30 山中もとひ

2016-01-12 09:16:56 | 蓮の歌



十月の蓮の大葉の枯れた縁かぜの渡ればなおも揺れいる
   
   (「憶えていますか」山中もとひ〉
   ※「蓮」6号



「蓮」誌のご購入について

2016-01-09 21:03:26 | 詩歌探究社「蓮」情報


同人誌「蓮」は現在、年三回(3月・7月・11月)の発行となっております
現在5号迄発行いたしました
11月15日付発行の5号以外にも
創刊号から4号まで、まだ若干の残部がありますので、
興味をお持ちくださった方は下記のアドレスまでご連絡ください
一部1000円(送料込)で、お分けいたします。
尚、年間購読は3000円(送料込)となります。

イラスト、写真を多く使用し、「見たことがないような詩歌の同人誌だ」とご好評をいただいております
ぜひこの機会にお手に取られてご覧になってください。

詩歌探究社「蓮」アドレス
bungaku-hasu@tbz.t-com.ne.jp



ブログについて(開設より約4ヶ月たちました)

2016-01-09 21:02:35 | 詩歌探究社「蓮」情報



ブログを開設してもうじき4ヶ月になります
いつもご覧になってくださいまして、ありがとうございます
開設当初は一日中、ほぼパソコンの前に座っていました
記事も毎日5,6記事投稿していました
お陰様で訪問者も増え、いろいろな会合などで
「ブログみていますよ」と声を掛けられることもしばしばです
ありがたく嬉しいことです

年明けて、諸々多忙になってきました
ブログの更新度数が少なくなっていることお詫びいたします
詩歌探究社、さらに飛躍の年とするべく、「蓮」誌編集に力を入れる他にも様々のアクションを起こしています
2016年の詩歌探究社「蓮」、どうぞご期待ください

ご感想、ご質問、ご要望などありましたら
下記のアドレスまで
bungaku-hasu@tbz.t-com.ne.jp



蓮の歌 その29 石川幸雄

2016-01-08 09:44:33 | 蓮の歌



大切とは焦がれて願うことならん様式美もて蓮はまた咲く

   (「蓮研究」石川幸雄)
   ※「蓮」創刊号より