幕末気象台

おりにふれて、幕末の日々の天気やエピソードを紹介します。

西郷勝会談 桜がすくった?江戸の町 慶応 四年三月十四日(1868年4月6日)

2010-03-06 13:56:57 | Weblog
 春一番が過ぎますと、次に待たれるものは桜の開花です。
盆栽の桜が咲きましたので、なんとなく心も浮き立って参ります。

そう言えば、桜の花咲く頃、重要な 会談がありました。
薩摩藩高輪屋敷の西郷と勝の会見です。
おかげで、江戸城は無血開城江戸の町は、火災を免れました。

西郷と勝の会談の日は慶応四年の三月十三、十四日の二日間で西暦に直しますと1868年4月5、6日にあたります。

 各種の日記から三月十四日のお天気デ-タをひろってみますと、
江戸の「幸若実日記」では、両日ともに晴天となっております。
また、板橋の記録がある「永井弘衛日記」でも両日晴
神奈川県生麦の「関口日記」の記載も晴天です。

各地のデ-タから天気概況を申上げますと、三月十三日は北日本を中心に雨や曇りとなっていて、おそらく北海道の北を低気圧が東進しそれ伴う前線が北日本を通過したと考えられます。

十三日の夜から十四日朝にかけて、北日本を中心に弱い西高東低型となり青森、函館で曇り、山形県川西町で雪となっていますが、江戸では低気圧の影響は少なく、十三日から次第に高気圧に覆われて十四日は春日和となった模様です。

翌十五日京都では「桜花微開」の記事がありますから、平年値で三日ほど早い江戸の桜もほころび初めていたことでしょう。
ちなみに十四日、四国の丸亀市では、15度となっております。

会談二日目は、春日和で、西郷さんの心持も良かったことでしょう。
江戸の町を救うために、高輪の桜が一役かったのかも知れません。


コメント (2)
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