労働基準局の窓口相談の実に65%が、低賃金・不安定雇用の非常勤職員だという。同じく労働局の労働相談員(30歳)は、社会保険労務士の資格をもつが、1年更新で月収は12~13万円。
ブログ「シジフォス」さんからの転載です。
<転載>
公務非常勤労働者は「正規化」すべき
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昨日10/5付けの朝日新聞「働く」の欄で竹信三恵子さんが「専門職エレジー③」として、公務職場における非常勤職員の現実を描いていた。冒頭は、求職者があふれる首都圏のハローワークで、相談者からどなられる就職相談員(50歳)の姿を描いている。昨年3月、勤め先の倒産から、キャリア資格を生かし緊急雇用対策の一環として採用された。週5日、1日7H半の契約で賃金は手取り月21万円。しかし、再来年には仕事は無くなる中で、子どもを抱え悩んでいるというが、このような労働基準局の窓口相談の実に65%が、低賃金・不安定雇用の非常勤職員だという。同じく労働局の労働相談員(30歳)は、社会保険労務士の資格をもつが、1年更新で月収は12~13万円。
竹信さんによれば「資格や専門職がもてはやされる時代だが、行政の資格職は、公務員の定数削減のため、枠外の短期契約による働き方が増え続けている。」 しかも、現実はさらに悪化を続け、アウトソーシングが全盛となりつつある。この朝日紙上でも紹介されているが、公立図書館の司書は、「指定管理者制度」の導入の中で、利益を上げるために、さらなる人件費削減や入札で不利になるためもめごと厳禁など、次々にしめつけられ、なおかつ利用増だけは目標とされるようになり、「非常勤時代は、まだ恵まれていた」と愚痴がでるという。
9月28日の都議会本会議では、共産党都議が都立施設の図書室に勤務していた臨時職員の司書の労働実態を暴露した。1~2ヶ月ごとの更新を繰り返しながら、5ヶ月働き、1ヶ月失業を繰り返すなかで、なんと20年間働いているという。この都議会本会議質問を報道した「赤旗」によれば、東京都の臨時職員の時給は、交通費込みの約900円で月額約14万円。交通費・国保・国民年金などを引けば10万円程度にしかならず、それを1回2ヶ月ごと更新での6ヶ月以内の雇用としている。専門職ゆえに20年間も雇用され続けていたのだろうが、このケースの場合は逆に資格が仇となったのかもしれない。しかし、そのまま放置し続けていた正規職員の姿は想像がつく。待遇是正より雇用を優先した結果なのだろうが、実効ある「責任」はたらいまわしにされたのだろう。
「官制ワーキングプア」なる言葉と実態については、よく知られるようになったが、残念ながら是正の動きは拡がらない。それどころか、公務員叩きは強まる一方だ。しかし、少なくとも公務の世界では法遵守とあるべき労働を維持していただきたい。日本における労働環境是正は、時短や機会均等・男女平等など公務職場を手本として民間に波及させていった。もちろん労働組合がきちんと職場にあったからであり、会社優先の企業別労働組合でなかったからできたのだが、今、それが崩れつつある。JRを含めて民営化に伴い何が進んだのかは、本来、もっときちんと検証されなければならない。死屍累々たる労働者の犠牲の上に、「官から民へ」が進んでいる…。
ブログ「シジフォス」
http://53317837.at.webry.info/201010/article_6.html
ブログ「シジフォス」さんからの転載です。
<転載>
公務非常勤労働者は「正規化」すべき
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昨日10/5付けの朝日新聞「働く」の欄で竹信三恵子さんが「専門職エレジー③」として、公務職場における非常勤職員の現実を描いていた。冒頭は、求職者があふれる首都圏のハローワークで、相談者からどなられる就職相談員(50歳)の姿を描いている。昨年3月、勤め先の倒産から、キャリア資格を生かし緊急雇用対策の一環として採用された。週5日、1日7H半の契約で賃金は手取り月21万円。しかし、再来年には仕事は無くなる中で、子どもを抱え悩んでいるというが、このような労働基準局の窓口相談の実に65%が、低賃金・不安定雇用の非常勤職員だという。同じく労働局の労働相談員(30歳)は、社会保険労務士の資格をもつが、1年更新で月収は12~13万円。
竹信さんによれば「資格や専門職がもてはやされる時代だが、行政の資格職は、公務員の定数削減のため、枠外の短期契約による働き方が増え続けている。」 しかも、現実はさらに悪化を続け、アウトソーシングが全盛となりつつある。この朝日紙上でも紹介されているが、公立図書館の司書は、「指定管理者制度」の導入の中で、利益を上げるために、さらなる人件費削減や入札で不利になるためもめごと厳禁など、次々にしめつけられ、なおかつ利用増だけは目標とされるようになり、「非常勤時代は、まだ恵まれていた」と愚痴がでるという。
9月28日の都議会本会議では、共産党都議が都立施設の図書室に勤務していた臨時職員の司書の労働実態を暴露した。1~2ヶ月ごとの更新を繰り返しながら、5ヶ月働き、1ヶ月失業を繰り返すなかで、なんと20年間働いているという。この都議会本会議質問を報道した「赤旗」によれば、東京都の臨時職員の時給は、交通費込みの約900円で月額約14万円。交通費・国保・国民年金などを引けば10万円程度にしかならず、それを1回2ヶ月ごと更新での6ヶ月以内の雇用としている。専門職ゆえに20年間も雇用され続けていたのだろうが、このケースの場合は逆に資格が仇となったのかもしれない。しかし、そのまま放置し続けていた正規職員の姿は想像がつく。待遇是正より雇用を優先した結果なのだろうが、実効ある「責任」はたらいまわしにされたのだろう。
「官制ワーキングプア」なる言葉と実態については、よく知られるようになったが、残念ながら是正の動きは拡がらない。それどころか、公務員叩きは強まる一方だ。しかし、少なくとも公務の世界では法遵守とあるべき労働を維持していただきたい。日本における労働環境是正は、時短や機会均等・男女平等など公務職場を手本として民間に波及させていった。もちろん労働組合がきちんと職場にあったからであり、会社優先の企業別労働組合でなかったからできたのだが、今、それが崩れつつある。JRを含めて民営化に伴い何が進んだのかは、本来、もっときちんと検証されなければならない。死屍累々たる労働者の犠牲の上に、「官から民へ」が進んでいる…。
ブログ「シジフォス」
http://53317837.at.webry.info/201010/article_6.html