一方的解雇に抵抗して闘った吉村木工所争議 1925年の労働争議 (読書メモ)
参照 協調会史料(株式会社吉村木工所労働争議ニ関スル件 東京)
吉村木工所争議
東京月島の株式会社吉村木工所は、煙草専売局の木工指定箱などの製造会社で、労働者は約70名。1925年5月30日、会社は、不況を理由として19名に解雇通知をだしてきた。しかし、14名労働者はこの解雇を認めず、解雇手当受領を拒否した。
6月1日、造機船工労組に集合した14名は、「解雇手当150日分」等の要求を決議した。また交渉委員を選出し、工場を訪問し抗議した。3日、14名は午前7時に出勤する労働者に紛れ工場に入り込み、工場事務所まで押しかけた。9日も同様に労働者に紛れ、工場に入ろうとしたが、この日は守衛と事務員によって阻止された。工場の労働者12.3名が解雇された者たちに同情し、サボタージュ闘争に入った。
4日、争議団は社長宅と重役自宅に押しかけた。
7日、午後3時から深川の労働会館において「失業者救済演説会」を開催した。ここには工場の一般労働者も参加した。
6月10日、「解雇者一人に付き2週間分の解雇手当支給と14名全員に1200円」支給することで最終的に合意しストライキは解決した。