先輩たちのたたかい

東部労組大久保製壜支部出身
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栗林商船と萬成汽船の「船員の勤続手当廃止」反対闘争の勝利―1928年の労働争議(読書メモ)

2024年12月02日 05時00分00秒 | 1928年の労働運動

上・船夫組合大会(組合名不詳)

上・協調会史料より(栗林商船 萬成汽船両株式会社ノ勤続手当廃止問題ニ関スル件1928年8月11日)

栗林商船と萬成汽船の「船員の勤続手当廃止」反対闘争の勝利―1928年の労働争議(読書メモ)
参照・協調会史料(栗林商船 萬成汽船両株式会社ノ勤続手当廃止問題ニ関スル件1928年8月11日)

 1928年7月1日以来船員の勤続手当を廃止してきた栗林商船と萬成汽船の両会社に対して、東京港に入港していた両社所属の乗組員がたちあがった。8月10日、栗林商船の大連丸、雲海丸と萬世汽船の興進丸の三隻の日本海員組合の乗組員が勤続手当存続を叫びストライキを決行し、三隻とも出帆不能となった。

 最初に栗林商船の大連丸全乗組員23名中19名が、雲海丸同22名中16名がストに立ち上がった。同じく東京港の神祐丸と会社雇船大寿丸の少なくない乗組員も同僚たちのストライキに同情して下船してしまい、これらの船も航行不能となった。

 この乗組員のストライキに激怒した栗林商船はスト参加全員を雇止め解雇し、急遽関西方面でスト破りのための非組合員を募集し、またスト(停船)船の貨物を他の会社の船で運ばせようと必死に手配した。

 同じく7月より船員の勤続手当を廃止した東京日本橋の萬成汽船に対し、日本海員組合芝浦支部は手当の存続を要求し団体交渉を申し入れたが、萬成汽船会社は交渉を拒絶してきた。8月10日萬成汽船の興進丸の乗組員27名全員がストライキに突入した。興進丸も航行不能となった。

 日本海員組合芝浦支部は、横浜支部などの応援を受けスト参加組合員の結束につとめた。

 8月12日大阪逓信局長の斡旋により、以下の条件で解決した。どの船も同日無事に港を出帆した。
解決条件
一、雇止めは撤回し、犠牲者は出さない事
一、勤続勤務手当は存続し、7月1日に翻り支給する事
一、停船に関して組合は遺憾の意を表する事
以上


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