気持ちが表情と口調で演技する
形を変える雲よりも快適に
聞こえてきた言葉や視線の高さに
敏感に反応する研ぎ澄まされた心
雨上がりの虹に溶け込もうと
空気より軽い膜を張り
くるくる回りながら空を目指す
地上からは重なる高さでも儚さがそれを拒む
七色を虹に託して透き通ったままパチンと弾けた
連なる雲の一粒になるために
普段通りの生活が
人の数ほどあるように
普通も当たり前も
どれをとっても個性的すぎて
常識の範囲内の不確かさも加わり
生まれた瞬間から究極の配列を受ける
閉じ込められた結界の中で自由を得る
そして検索しやすいようにと
見出しでも名称でもひとつにしぼり
そこにまつわる意味も例文も
当てはまるモノを自己判断させる
洗いたての心
濡れたままでいいのか
早く乾かすべきか
涙未満の潤いならば
やわらかさを選ぶだろう
パリパリの乾きなら
鋭い弱さに破れてしまうかも
臨機応変がいつでも上手くいくように
柔軟も頑固も一緒の袋に入れて
自動のスイッチを押してみた
その させてくれてありがとう は
居心地の悪さを感じる
価値観の違いは大きな隔たりを生む
誰もが一糸乱れぬ行進に拍手を送る
そこに思考も損得も無く
感じたままの情景だけが映るから
けれど感情で生かされている者たちに
言葉通りの意味が伝わるとは思わない
なぜならそれぞれの能力に心があるから
ひとりひとりそれぞれが
似ているようで全く別物の
ひとりに多くのひとつが存在する
めでたしで終わっていても
必ず続きはあるもので
それぞれの感性に任せ
多様な終わりには制限がない
蜘蛛の糸は思ったより執念深く
場所を変えても離れはしない
木漏れ日の光を浴びても
澄んだ空気に溶け込んでしまう
昼の森は姿を変えて
木々の緑と空が似合う
闇の音は羽ばたきだと知り
さえずりに気持ちまで軽くなる
葉を叩きながらこぼれる雫に
天然のシャワーの気持ち良さで
顔を上げ両手を広げたら
解けた糸もキラキラ光った