かつて地方の買い物の中心は、駅前商店街や大型ショッピングモールだった。
しかし、モータリゼーションの進展により、自家用車での移動が一般化し、広い駐車場を備えた郊外型店舗が支持されるようになった。
自動車でのアクセスが容易な場所に集中して出店する傾向がある。
駐車場の完備率も極めて高い。
スーパーマーケットやホームセンターと並び、ドラッグストアが乱立している。
「100m以内に出店」しているケースもある。
ドラッグストアの近くにドラッグストアがあるのがこの業界の不思議だ。
公共交通の衰退が進み、高齢者や免許返納者の移動手段が限られている状況に対応するため、調剤薬局を併設し、地域のヘルスケア拠点としての役割も果たすようになった。
「日常の移動距離を最小限に抑えたい」と考える消費者にとって、ますます欠かせない食品や日用品の購入も同時にできる。
日用品や食品を低い利益率で提供することで、顧客を店舗に引き寄せている。
医薬品や化粧品などの高利益率商品を提供することで、全体としての収益を確保しているからだ。
医療や健康という専門性を持ちながら、日常生活に必要な商品を提供する新たな業態として定着している。
高齢化社会に対応した地域医療拠点としての役割も果たし、ドラッグストアという位だから、いちばん売れているものは医薬品と考えるのが普通だ。
実はそうではなく、医薬品や化粧品など健康と美容のためのアイテムが売り場の基盤である。
食品の品ぞろえにおいても単なる価格訴求をせず、健康面や美容面を重視したドラッグストアならではの売り場づくりで、スーパーやコンビニなどの他業種との差別化を図っていきたいところだ。
これだけ数が増えれば、競争は激化するだろう。
それぞれの店舗・会社で差別化や強みがないと淘汰され、いずれまた店舗数は減っていくだろうと思うが・・・。