" わたしのおむすびを食べて自殺を思いとどまった青年がいます。おむすびの何が、そんなにその人を動かしたのかと思っていたら、「おむすびがタオルにくるんであったから」と言うのです。"
青森県・岩木山の麓に「森のイスキア」という施設を作られて、そこを訪ねる方々を、心くばりのおむすび作りでもてなしされている、佐藤初女さんという方の言葉に興味が湧きました。
「たかがおむすび」あまり考えて作ったことがありませんでしたから・・・。
お米の洗い方、水加減、握り方に至るまで、ひとつひとつ略さずに全部心を入れてやるそうです。
一粒一粒が呼吸できるように圧をかけて、おむすびは指ではなく、やはり掌で握るのがいい。
真ん中に、まるでおむすびのへそのようなくぼみを入れる。これを初女さんは、「たなごころ(手の心)」と言うそうです。
最後に、ご飯が見えないくらいに、おむすび一面に四角に切った海苔を貼る。
暖かさを閉じ込めるように、おまじないのように最後にキュ。これで出来上がり。
ラップを使わずタオルをかぶせておくと、熱を吸収してふんわりが長持ちするからだそうです。
『おむすびの祈り』という本によると、
私、”面倒くさい”っていうのがいちばん嫌なんです。 ある線までは誰でもやること。そこを一歩越えるか越えないかで、人の心に響いたり響かなかったりすると思うので、 このへんでいいだろうというところを一歩、もう一歩越えて。ですから、お手伝いいただいて、『面倒くさいからこのくらいでいいんじゃない』っていわれると とても寂しく感じるのです。」 (๑≧౪≦)ガーン
おいしく食べて心に深く残る。そのような料理を作ることは理想ですが
、
「今日も明日も毎日献立考えるのめんどくさい!でもとりあえず家族を食べさせなきゃあならないし・・・。」そんな義務感で料理している私に、警告されているような言葉でした。
なんの飾りもない梅干のおにぎり一つでも、心がこもっているから悲しい人の心を癒したり、時には自殺しようとする人を留まらせたりと、食べた人を幸せにする不思議な力があるのですね。
