先日99歳を迎えられ、いまだ現役の新藤兼人監督の談話を聴いた。
乙羽信子さんは「好かない男が山ほどの砂糖を運んできても、好いた男の塩のほうが甘い」 と自伝の中で言っていた位惚れこんでいたという。
70歳で亡くなられた奥様の為に新藤監督は二人が入る墓を建てたという。
「百万回、感謝の言葉を言っても言葉は消えてしまうので、そこに〝天″と彫りました。二"と"人"、(ふたり)を合わせると〝天″という字になるでしょ。乙羽さんはまんさらでもない風に笑ってましたよ。」と。
天という字は「二」と「人」を合わせた字で、”二人で悦ぶ”からきたもので、元々は好色な僧侶たちの隠語から転じた言葉と言われているよう。
二人にはお子様はなかったですが、
天という字は「二人」と分割でき、父親と母親二人がいなければ生まれない。
「生まれてきたものは天からの授かり者である事を強く自覚して、感謝しなさい」という教えのようでもあるようですね。