鶏・魚・野菜など小麦粉や片栗粉などを薄くまぶして油で揚げたものが唐揚げ。味も多様です。
一方、似ているけれど、鶏や魚の食材で、野菜はあまり使わないものに、竜田揚げがあります。
竜田揚げは、しょう油やみりんで作ったタレに食材を漬け込んでかたくり粉をまぶして揚げた料理。
調理した後の色が唐揚げより濃い色になっています。
「竜田揚げ」の由来は二つあり、一つは戦争による食糧不足によって誕生したというストーリー、旧日本海軍の艦船の「龍田」説。
船員の食事に安く手に入ったクジラ肉で作った唐揚げを出したところ、とても好評だったことから、その軍艦の名前をとって広まったというもの。
もう一つには秋と深い関係があります。
「ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは」在原業平
百人一首で見かけます。
「竜田」とは奈良県の竜田川のことで、紅葉の名所とされている場所です。
油の中で材料が赤く色変わりする様子、赤褐色の揚げ物が、竜田川の水の中の紅葉を連想させるという事で「竜田揚げ」と呼んだという説です。
なぜか竜田揚げを見た瞬間に「紅葉」のイメージが思い浮かぶようになって来ました。
カリッと揚げるには、温度を180℃でキープすること。
揚げ方として、1個ずつ入れ1分30秒ほど揚げて取り出し、バットの上で4分休ませ、再び油の中に入れ40秒ほど揚げ周りがカリッとなったら取り出す。
片栗粉のほうがかりっと上がりやすいといわれるのは、片栗粉はジャガイモからでん粉のみを抽出しているのに対して、小麦粉はでん粉の他にグルテンというタンパク質が含まれるからだそうです。