2040年、日本は最貧国に転落する
〇 南米、東南アジア、アフリカ・・・・多くの国が消滅させられた
前回、フィリピンを例に挙げて、欧米列強がアジア、アフリカ、南アメリカの国々を植民地統治してい
った様子を、すなわち、そうした欧米列強による植民地統治によって、いかにしておびただしい数の国が
滅び去ってきたのかを描写しました。
要するに16世紀から欧州人は、アジア、アフリカ、南アメリカの人々をまるでゾウやライオン等の
動物のように扱い、何の哀れみも憐憫もなく、ただただ象牙を取ったり剥製にしたり自分たちのために
どうやれば利益を得られるかを考え、現地にあったあらゆる国を崩壊させ、その国の土地と人々を好き
勝手に利用して搾取、収奪、略奪の限りを尽くしていったわけです。
・・・・・・・・・・・
なお、こうした16世紀から、おおよそ18世紀、19世紀まで進められたスペインやポルトガル、
そしてオランダやイギリスの植民地政策の展開は一般に「重商主義」と呼ばれ、主として資源や強制的な
労働による農産品を搾取するという形で、植民地を「原料供給地」と見なして利用することが横行しました。
ですが、19世紀頃から「資本主義」が欧州で浸透していってからは、イギリス、オランダ、フラン
ス等の列強が自国の経済成長、あるいは不況対策のために、その不況を導いている需要不足を埋め合わせ
るべく、植民地から「需要」を外需として獲得し、商品や資本を輸出していく方向へと植民地政策がシフ
トしていきました。
このように、資本主義列強が、主として自国の過剰な生産能力の吐き出し口として世界中の国々を侵略
し、崩壊させて植民地化し、その国の政治・社会・経済体制を好き勝手に組み替えながら、「労働力」「土
地」を好き勝手に使いつつ、「資本」「商品」を輸出していくという植民地政策を、列強同士が互いに競争
し合いながら進めていったわけです。こうした欧米列強の対外膨張主義は一般に「帝国主義」と呼ばれて
います。
ただし、この「帝国主義」は、第二次世界大戦終結後につくられた「国際連合」を中心としたいわゆる
「戦後レジーム」が構築された時から、あからさまな形で進められることはなくなっていきました。
それぞれの植民地は、一応形式上は「独立」していったのです。
先に述べていたフィリピンも、第二次大戦が終わった翌年に独立したと紹介しましたが、そうした独立
は世界中の植民地で一気に進んだのです。
〇 日本の「植民地化」はすでに始まっている
ただし、「独立」したからといって、その国の人が万事ハッピーというわけにはいきません。
そもそも宗主国側が、アジアやアフリカ、南アメリカにおける植民地支配を取り止めていったのは、
慈善に満ちた心持があったからでも何でもありません。
二度の大戦を経た欧米列強の宗主国たちは、もうこんな戦争はコリゴリだと考え、それでも、戦争を
しない形で、より「平和裏」に植民地支配を続けられないかと考え始めたのです。その結果、彼らが
第二次世界大戦後に少しずつつくり上げていった体制こそ、政府の後ろ盾を持つ巨大企業たちが経済
侵略を繰り返す「グローバル資本主義体制」なのです。それは、新しいタイプの帝国主義、すなわち
「新・帝国主義」と呼称すべきものです。
かつての帝国主義の帝国とは、イギリスでありフランスであり、そしてアメリカでした。それに準ず
る地位を占めていたのが、ロシアであり日本でした。
今、世界を席巻しつつある新・帝国主義の帝国とは、アメリカ、そして中国です。そしてどこが植民
地となっているのかと言えば、アフリカ、アジアそして南アメリカの国々です。ただし、かつての
帝国主義の時代にはむしろ宗主国側の位置を占めていたにもかかわらず、今日の新・帝国主義において
搾取される側の植民地となってしまっている国が一つだけあります。それが、我が国日本です。
つまり、我が国日本は、グローバリズムという新・帝国主義の中で、アメリカ、そして中国という
二大超大国の植民地となり、激しく搾取・収奪され始めているのです。
・・・続く
〇 南米、東南アジア、アフリカ・・・・多くの国が消滅させられた
前回、フィリピンを例に挙げて、欧米列強がアジア、アフリカ、南アメリカの国々を植民地統治してい
った様子を、すなわち、そうした欧米列強による植民地統治によって、いかにしておびただしい数の国が
滅び去ってきたのかを描写しました。
要するに16世紀から欧州人は、アジア、アフリカ、南アメリカの人々をまるでゾウやライオン等の
動物のように扱い、何の哀れみも憐憫もなく、ただただ象牙を取ったり剥製にしたり自分たちのために
どうやれば利益を得られるかを考え、現地にあったあらゆる国を崩壊させ、その国の土地と人々を好き
勝手に利用して搾取、収奪、略奪の限りを尽くしていったわけです。
・・・・・・・・・・・
なお、こうした16世紀から、おおよそ18世紀、19世紀まで進められたスペインやポルトガル、
そしてオランダやイギリスの植民地政策の展開は一般に「重商主義」と呼ばれ、主として資源や強制的な
労働による農産品を搾取するという形で、植民地を「原料供給地」と見なして利用することが横行しました。
ですが、19世紀頃から「資本主義」が欧州で浸透していってからは、イギリス、オランダ、フラン
ス等の列強が自国の経済成長、あるいは不況対策のために、その不況を導いている需要不足を埋め合わせ
るべく、植民地から「需要」を外需として獲得し、商品や資本を輸出していく方向へと植民地政策がシフ
トしていきました。
このように、資本主義列強が、主として自国の過剰な生産能力の吐き出し口として世界中の国々を侵略
し、崩壊させて植民地化し、その国の政治・社会・経済体制を好き勝手に組み替えながら、「労働力」「土
地」を好き勝手に使いつつ、「資本」「商品」を輸出していくという植民地政策を、列強同士が互いに競争
し合いながら進めていったわけです。こうした欧米列強の対外膨張主義は一般に「帝国主義」と呼ばれて
います。
ただし、この「帝国主義」は、第二次世界大戦終結後につくられた「国際連合」を中心としたいわゆる
「戦後レジーム」が構築された時から、あからさまな形で進められることはなくなっていきました。
それぞれの植民地は、一応形式上は「独立」していったのです。
先に述べていたフィリピンも、第二次大戦が終わった翌年に独立したと紹介しましたが、そうした独立
は世界中の植民地で一気に進んだのです。
〇 日本の「植民地化」はすでに始まっている
ただし、「独立」したからといって、その国の人が万事ハッピーというわけにはいきません。
そもそも宗主国側が、アジアやアフリカ、南アメリカにおける植民地支配を取り止めていったのは、
慈善に満ちた心持があったからでも何でもありません。
二度の大戦を経た欧米列強の宗主国たちは、もうこんな戦争はコリゴリだと考え、それでも、戦争を
しない形で、より「平和裏」に植民地支配を続けられないかと考え始めたのです。その結果、彼らが
第二次世界大戦後に少しずつつくり上げていった体制こそ、政府の後ろ盾を持つ巨大企業たちが経済
侵略を繰り返す「グローバル資本主義体制」なのです。それは、新しいタイプの帝国主義、すなわち
「新・帝国主義」と呼称すべきものです。
かつての帝国主義の帝国とは、イギリスでありフランスであり、そしてアメリカでした。それに準ず
る地位を占めていたのが、ロシアであり日本でした。
今、世界を席巻しつつある新・帝国主義の帝国とは、アメリカ、そして中国です。そしてどこが植民
地となっているのかと言えば、アフリカ、アジアそして南アメリカの国々です。ただし、かつての
帝国主義の時代にはむしろ宗主国側の位置を占めていたにもかかわらず、今日の新・帝国主義において
搾取される側の植民地となってしまっている国が一つだけあります。それが、我が国日本です。
つまり、我が国日本は、グローバリズムという新・帝国主義の中で、アメリカ、そして中国という
二大超大国の植民地となり、激しく搾取・収奪され始めているのです。
・・・続く