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平安京の大極殿や内裏は今どうなっているか?_京都ブラ歩き

2019年02月28日 | 城・屋敷・歴史遺産

京都の西陣へ行く機会があり、少し時間もあったので、内野(うちの)と呼ばれる平安京大内裏の跡地を歩きながら訪ねてみました。

  • 大極殿・内裏・建礼門といった平安京の中心施設の跡地には石碑だけがひっそりとたたずむ
  • 鎌倉・室町時代には荒地として放置され、京都の町の重心が東へ移動していった痕跡でもある
  • 秀吉の聚楽第や昔あった寺の名前など、町名にのみ往時の記憶が伝えられている


平安京の敷地はほぼ完全に市街地化されているため、平城京のように大極殿が復元されて往時の空間を体験できるようなことはありません。しかしそれも京都と奈良が歩んできた歴史の結果です。


朝堂院跡

平安京の中心の大内裏(だいだいり)は、現在の千本丸太町交差点付近にあった大極殿を中心とする南北1.4km/東西1.2kmほどの長方形の敷地でした。現在の地図で説明すると、東南角に二条城、西北角のすぐ北に北野天満宮があり、京都御苑よりは一回り大きいサイズです。

大極殿跡のすぐ西にあり、1/1000サイズの平安京の復元模型が展示されている平安京創生館には、現在と平安時代の洛中の地図を重ね合わせて見ることができる「平安京オーバレイマップ」端末が設置されています。ネット上でも公開されており、京都の歴史を知るにはとても重宝する地図です。

【立命館大学アート・リサーチセンター,歴史都市防災研究所】平安京オーバレイマップ


大極殿跡(公園は工事中で入れませんでした)

二条駅のすぐ北にある、大内裏の正門・朱雀門(すざくもん)跡には行けなかったので、千本丸太町交差点のすぐ西にある朝堂院跡と、すぐ北にある大極殿跡から行脚を始めました。

政庁エリアである朝堂院(ちょうどういん)は大極殿から南に広がっており、石碑は跡地の北端に建っていることになります。大極殿(だいごくでん)は実際には平安京の中心・朱雀大路に相当する千本通の真上にあったため、千本通から西に入った内野公園の中に石碑が建てられています。

大極殿跡の石碑は京都に数ある跡地の石碑の中でも際立った大きさです。平安神宮は当初、明治時代の創建時、実際に大極殿があった跡地に復元して造られる計画でした。用地買収ができなかったため岡崎に建設されましたが、そんなエピソードもあるほど、大極殿は京都人にとって原点のような存在です。

千本丸太町交差点の北西角には大極殿跡の発掘調査で確認された正確な位置などの結果がパネル解説されています。ほとんど市街地化されているため発掘調査が中々できない京都で、史実が確認できた貴重な調査結果となります。


内裏跡

朝堂院の北東には天皇の居住エリアである内裏(だいり)がありました。下立売通りの山中油店の敷地に内裏跡の解説パネルが設置されています。パネルは厳密には内裏の少し外側に位置します。ピンポイントに石碑やパネルを設置しようにも、土地所有者の許可がないとできません。発掘調査ができず場所が特定されていない場合もあり、石碑やパネルはあくまで”おおむねの位置”と考えなければなりません。


山中油店、江戸時代を彷彿とさせる町屋建築が美しい

内裏のさらに北東、大内裏の北東角にあたる位置に、秀吉は聚楽第(じゅらくだい)を築きました。内野は室町時代にはおおむね北野天満宮が所有する農地となっており、内野は500年の時を経て政治の中心地に返り咲くことになります。

聚楽第は秀吉が京都の拠点として築いた豪華絢爛な邸宅で、現存していれば狩野永徳らの障壁画に埋め尽くされた、とんでもなく極上の文化財になっていたことは間違いありません。しかし聚楽第は秀次事件の影響もあってわずか8年で取り壊されます。桃山時代の内野の輝きは、そんなはかないものでした。聚楽第跡の石碑は中立売通に通ずる東西二つの門の跡地に建てられています。



跡地の石碑や解説パネルにほぼどの通りを歩いていても確実に出くわすほど、京都市内にはたくさんあります。著名な寺社や邸宅の名前が付いた町名表示パネルに出くわすことも頻繁にあります。「平安京オーバレイマップ」はもとより、通常のGoogleマップでも最近は跡地の表示が充実してきました。スマホにナビを命じれば、迷うことなくたどり着くことができます。

ブラタモリの人気の影響でしょうか、全国の町で街歩きツアーがずいぶん盛んになってきました。京都でも毎週末を中心にあちこちで行われています。ブラタモリ的街歩きにはこうしたツアーに参加するのもおすすめです。

【まいまい京都】町歩きツアーがとても充実

こんなところがあります。
ここにしかない「空間」があります。



京都にのこる歴史の痕跡ガイドの決定版

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平安京 大極殿跡【京都市観光協会サイト】

聚楽第跡【京都市観光協会サイト】

※公道から石碑やパネルを、いつでも無料で拝観・見学できます。敷地内に立ち入ることは多くの場合できません。



◆おすすめ交通機関◆

JR嵯峨野線「二条」駅下車、徒歩12分
地下鉄東西線「二条」駅下車、1番出口から徒歩12分

JR京都駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:20分
京都駅→JR嵯峨野線→二条

※この施設には駐車場はありません。


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