私のつれづれ草子

書き手はいささかネガティブです。
夢や希望、癒し、活力を求められる方の深入りはお薦めしません。

嗚呼、投信分配金

2012-02-12 | 6悩む
老後シュミレーションに入っている私は、生活の糧となる各種金融リスク商品をまんべんなくかじっている。

先週だったか、先月だったか、日経新聞に運用利益が出ていないにもかかわらず高分配になっている毎月分配投信の、是正を促す働きかけがあったという記事を目にした。

投資信託のタコ足分配については、かねてより承知していたので、多分これを機会に多少分配を下げてくる運用会社があるだろうと予測はしていた。

しかし「その指導待ってました!」とばかりの某ファンドの某商品の対応にいささか茫然とすることになった。

好配当を売りにしていたその投信の分配金は、半年前にも3分の1が減額となっていた。
今月も若干の分配減額がなされるだろうとは思っていたのだが、何と分配金は4分の1になったのだ。
25%の減額ではなく、75%の減額だ。

給与が20万円の人の手取りが、突然5万円になる状況。

投信はリスク商品だとうたっているのだから、至極当然の対応と言われればそれまでだが、何とも極端な対応である。
急激な変化は、健康にも経済にも甚だよろしくない。

…が、金融の世界は掌を返したような急激な変化が平然とまかり通る。

体質だろうか。
「どうぞ当行から借りて下さい」と頭を下げていた銀行が、あっという間に「貸しはがし」に走るように。
そして、豹変して早くなたを振るった方が傷は浅く立ち直りも早くなるということらしい。

年金財政の不安定化を見越して、国は何年も前からリスク変動を伴う収入確保の推奨をしていたと思う。
金融自由化が進み、証券会社も銀行もこぞって投資信託を売る。
不足する年金収入の補いとして、リスクはあるが自分で株式運用をするよりはプロに任せる投資信託での運用をお勧めするというものだ。

しかし、投資家を引き付ける金集めの顔と、実運用の結果を告げる顔は全く異質なものだ。

投信も株式投資と同様、基準価格が下がれば難ピン(安くなったところを更に買い取得単価を下げる方法)して、次の変化まで持ちこたえる余裕が必要となる。
しかし、老後資金を投信に託して生活を構築しようとしている御老人達にとって、そうした積極的変化は可能だろうか。
ある時突然、年金生活を支える収入が4分の1になったとしたら。

それがリスク商品であるとは100も承知であるけれども、余りにハイリスクであるような気がしている。
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