棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

クマのプーさん

2012-10-05 08:44:38 | 山郷の暮し
くまのプーさん と言えばいの一番にぬいぐるみが思い浮かぶでしょう。
布団の中にまだ眠っているプーがいたり、箪笥からみおろしている愛らしいプーも・・。
世界的なベストセラー「クマのプーさん」「プー横丁にたった家」の作家、A・A・ミルトンは児童作家とともに偉大なユーモア作家であり、戯曲やエッセイなど、イギリス的なユーモアにあふれた作家だという。
 石井桃子訳のクマのプーさんを読むたびに、うまい文だなーと思いつつも???がつきまとう。
訳が悪いのではなくプーのひとり言や仲間との会話が「単純明快なこども言葉」だけに、なんとももどかしくなり、挙句はわからなくなってしまう。
ジャック アンド ベティー 程度の英語では原文に対応できようもないが、大文字にしたり、あえてつづりを変えて別な意味を含ませていたりするようだ。
詩人でもあるクマのプーが口ずさむ詩は、イギリス英語文学の韻を重視しているようだ。
ようだ・・ようだ・・としかいえませんが、読み進むうちに「これは単純な児童文学ではなさそうだ」と気ずいてから、ときどき借りてきては読んでいた。

物語そのものはまったく単純ですが、作者のミルトンは只者ではないとわかってきます。
言葉遊びのようなこともあり、それが大変な意味を暗示していたり。

コリャーー哲学だよ!!と感じたころ、図書館の大人のコーナーで「クマのプーさんの哲学」なる本を見つけたのが、数年前だった。
1955年にイギリスで出版され、またたくまに世界的なベストセラーになったという。
著者・ジョン・タイアマン・ウイリアムズ は演劇および英文学と歴史の研究家。
クマノプーさんを、西洋哲学を論じる「偉大なクマ」に仕立て上げた魔術師と称されています。

ryusun

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