棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

桜の森の満開の下

2008-04-19 17:20:22 | 創作活動
アトリエからは、内も外もサクラ(賢犬の名前)・桜

この時期になりますと毎年のように「桜の絵」に挑戦しています。
冬眠していた制作欲が、桜の開花とともに、体内から燃え上がってきます。
毎年違った感性と意図での製作は「桜の花」にたくした、私の小宇宙表現です。
桜の花木は風景としてではなく、私の心象なのです。

桜は本当に不思議な花木で、古木・若木。見る時期、時間。晴れ曇り。
これほど千差万別に観えるのは、花木の大きさや、白系のため様々な光を反映するからでしょう。

初々しい乙女が一変し、妖艶な女になったり。気品の在る老女のごとくあったり。
まるで幼稚園のごとくざわめいたかと思うと、能舞台の、凝縮された静と動を感じさせたり。

スケッチに出かけ、今まで気がつかなかった夕刻、池に写る逆光の桜に、冬眠の間沸々としたものが、湧き上がってきました。
今年もようやく筆をとりはじめましたが、今までとは違って、桜の木の存在感よりも、光の中に溶けていきそうな夕刻の風情をベースにした、色に訴えないものにしたいと思っています。
これから幾日かかることなのでしょう。
製作過程のなかから、次第に作意がねられていくのです。

坂口安吾の「桜の森の満開の下」 
最後に男が妖艶な桜に飲み込まれ、溶けていくが、男は至福の世界にいざなわれて行く。
そんな、すごい桜が描きたいですねー。


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