むらやわたる57さい

千文字小説の未来について

超IQ研究所クラスター㊼

2019-08-12 11:08:16 | 小説
 昭和四年八月未明。北京で石材屋の社長が、道路工事現場で、なに者かに石材で殴られて死ぬという事件が起きた。凶器の石材は重さが一五㎏ほどあり、運搬用の重機などは使用してないため事件として公安(中国の警察)が状況を調べている。事件当時は昼食時間で社長が五人の作業員に、昼食を届けにきていたようだ。作業員の話によると社長は自転車できていて、作業員は全員石材をはめ込む境界付近で、食事中で「帰ったと思った」と言う。社長は完成した道路に自転車をとめて近くで、死んでいる。凶器の石材は、自転車のそばに並べて置いてあった物だ。公安は石材屋に行って奥さんから事情を聞く。奥さんは「うちは建築じゃなくて道路用石材の会社です」と言う。建築用と違って車輪がからまわりしないように、表面がでこぼこした石材を使うらしい。公安は石材加工場の従業員を見たが一番大柄な男で、身長一m八〇㎝ぐらいで動機がなさそうだ。公安が声をかけると、「ここは昔の処刑場あと地でよく幽霊が出ますよ」と言う。公安が「どんな幽霊が出るんだ」と聞いたら、「SF小説の作家だった人で宇宙人と戦う方法を説明します」と言った。公安が奥さんに幽霊のことを聞くと、奥さんは「以前『画家の幽霊がいる』と言って、画家の人が手つだいにきてましたけど『へたくそで使い物にならない』と言って帰ったわ」と言う。公安が思い出したように「道路工事でトラブルがなかったか」と聞いたら、奥さんは「ないわ」と言いながら、なにかのちらしにペンで線を書いて「犯人はきっとこいつよ」と言った。世界革命集団の、文字の下に線が引かれたちらしだ。性能不明で高額な機械が数点書いてある。公安は自ぶんの手帳に書いた「透明人間になる装置」と、「瞬間移動できる装置っ」と「時空を越える装置」を使って、社長の殺害現場を見た。ちらしを持ってきた男が犯人みたいだ。公安はちらしに書いてある住所へ行く。外に荷車をとりつけた自動車がある。玄関を入るとなかは納屋のようになっていてへんてこな装置が並んでいた。公安は発電機に、燃料を入れている男に「世界革命集団か」と、声をかける。男は「われわれは人類に有益な発明を・・」と言う。そこには高さ二mぐらいの電動昇降機があった。公安が「石材屋の社長を殺しただろ」と聞いたら、男は「あれは事故だ」と答える。公安は男を逮捕した。昇降機は重量品を持ち上げて押し出す構造だ。「売り込みに行ってた」と言っている。