離身律 I
おぼろ雲広がる空の陽のありか鶴さしかかり光に溶ける
雲の吊る梯子をつたい人降るやがて始まる文字を携え
旅人の行き交う姿遠景に熱き豆降る始原のアジア
二滴三滴窓刷く雨か玄界灘に黄色が動く
光河より Harley-Davidson 流し来る頭蓋に著き萍つけて
夕暮の夏の畠に祖母立ちて牛の頭の釣瓶引きおり
風すじに筵がよじれ乾きたる夏は終らん地平の雷に
海溝の深き磐より生まれたる闇迫りあがり真昼を踊る
空を飛ぶ小さき姿で不時着し畝の間で蟻と争う
縄抜けて不明なりしを雲一頭伊賀は上野のちゃぶ台につく
な寄りそ私を覆ふまくなぎに高圧電気通電中(こわいでんきがながれています)
外套のポケットの闇へ身を投じ世界曳きこむクライン・ボトル
三日月の番える矢先は正確に地底を降る赤き円盤
橋落ちるランプの光砕けたり影を負い立つ老都稀物(ロートレアモン)
鉄塔にちろちろ燃える炎がのこり龍昇りたる暁の丘
おぼろ雲広がる空の陽のありか鶴さしかかり光に溶ける
雲の吊る梯子をつたい人降るやがて始まる文字を携え
旅人の行き交う姿遠景に熱き豆降る始原のアジア
二滴三滴窓刷く雨か玄界灘に黄色が動く
光河より Harley-Davidson 流し来る頭蓋に著き萍つけて
夕暮の夏の畠に祖母立ちて牛の頭の釣瓶引きおり
風すじに筵がよじれ乾きたる夏は終らん地平の雷に
海溝の深き磐より生まれたる闇迫りあがり真昼を踊る
空を飛ぶ小さき姿で不時着し畝の間で蟻と争う
縄抜けて不明なりしを雲一頭伊賀は上野のちゃぶ台につく
な寄りそ私を覆ふまくなぎに高圧電気通電中(こわいでんきがながれています)
外套のポケットの闇へ身を投じ世界曳きこむクライン・ボトル
三日月の番える矢先は正確に地底を降る赤き円盤
橋落ちるランプの光砕けたり影を負い立つ老都稀物(ロートレアモン)
鉄塔にちろちろ燃える炎がのこり龍昇りたる暁の丘