土塊も襤褸も空へ昇り行く:北村虻曳

随想・定型短詩(短歌・俳句・川柳)・写真
2013/11/11開設

双対  (18句)

2013-12-23 | 短詩
双対

 
 外側の汚れを内から拭ってみるか ★ 内側の汚れを外から拭ってみるか


  おずおずと地球を手繰る蝉の肢 ★ 一滴の宇宙をさぐるユーグレナ


    壁鏡雲を映して錆びてゆく ★ 湯玉来てブレイクダンス果てる箇所


手を伸べてガソリン噴けば宙ふかし ★ 一リットルの水から生れて宙に消え


   おぼろ月石段一つ消えており ★ 寂しさよ針穴抜ける駱駝いて


 壁際のテープ引っ張るはてしなく ★ 新聞紙板の隙間に戻りゆく


    雲の下駐輪場を抜けられず ★ 春昼をはぐれば床の下の雲


   棕櫚竹の枯れたる上を袋飛ぶ ★ 小屋消えて空を嚼んでる空がある


  天地のとほきはざまに葦あそぶ ★ 残照に係留された飛行船


           (宙=そら、天地=あめつち) 豈50号 (2010)

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4 コメント

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コメントについて ()
2014-03-24 10:24:37
このコメントに記入する際の手続きが難しくなったとのご指摘を受けて実験しています。
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コメントについて 続 ()
2014-03-24 10:34:28
別コメントのように届くようですが。
4ケタ数字(半角)は要りますが、URLは記入しなくてもいいようです。
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実験 ()
2014-03-24 11:10:57
双対・・対照(あるいは「対称」)的な世界のこと。
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二つの神話の交歓。 (寺岡良信)
2014-03-28 23:40:48
「天地のとほきはざまに葦あそぶ」「残照に係留された飛行船」

葦原中つ国は『古事記』の神話である。天孫族の末裔が農具を振るって大地を耕す列島は、水の国であり、葦のそよぎが豊穣を嘉している。一方、飛行船は、それが軍事的な目的を目指していたとしても、近代西洋文明が夢の中に産み落とした「無邪気な子どもらしい」憧憬とも言える。中学の運動会で吹奏楽部がよく『ツェッペリン伯爵』なるマーチを演奏していた光景を思い出す。夕焼けの中に置き忘れられた乳母車を、私が連想するのは「係留」という言葉が美しく、懐かしく使われているからであろう。太古と近代、極東と泰西の比較は、珍しくないが、それが神話につながる「憧憬」という心の作用から発想されているところに、詩が誕生したと、言うべきか。
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