幻影の地誌
茫々の草生う邦に降りたちぬ
人影の消えてひさしき黄昏の都市が浮かべる鐵の薔薇 (鐵=くろがね)
天王寺警察署刹那陰画で立つ (陰画=ネガ)
水近き鐵工廠の閃光に真昼の大気暗さ増しゆく
プラットホーム
行く春を近江の人が飛びすさる*
枝を踏む音を背中に量りつつ姿薄めるメコンの河岸
真中を落ちてゆくとき閉じる空
かしましき鴎の声を引きつれて干潟の光のなかに溶けゆく
(* 行く春を近江の人と惜しみける 芭蕉)
(2004 関西文学47号)
茫々の草生う邦に降りたちぬ
人影の消えてひさしき黄昏の都市が浮かべる鐵の薔薇 (鐵=くろがね)
天王寺警察署刹那陰画で立つ (陰画=ネガ)
水近き鐵工廠の閃光に真昼の大気暗さ増しゆく
プラットホーム
行く春を近江の人が飛びすさる*
枝を踏む音を背中に量りつつ姿薄めるメコンの河岸
真中を落ちてゆくとき閉じる空
かしましき鴎の声を引きつれて干潟の光のなかに溶けゆく
(* 行く春を近江の人と惜しみける 芭蕉)
(2004 関西文学47号)
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