土塊も襤褸も空へ昇り行く:北村虻曳

随想・定型短詩(短歌・俳句・川柳)・写真
2013/11/11開設

アイロニカルな遠近法 (10句)

2015-07-25 | フォト・エッセイ


  <アイロニカルな遠近法>  北村 虻曳
懐中のマナーモードが身を焦がす
無理筋をごまめかざして嘆じたり
ほろほろと死体が増える月の裏
雪原に煙を上げる不等号
一息に川を描いて立てかける
棄教してゆらぐ天蓋仰ぎ見る
はい醍醐(チーズ)、立ちたる棺に稲光
蜘蛛歩むサロメの腰のあざとして
青銅の鱗一枚掻き落す
火花散る皿の滑落勝鬨橋
       続 豈五十六号所収(一部改)

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