土塊も襤褸も空へ昇り行く:北村虻曳

随想・定型短詩(短歌・俳句・川柳)・写真
2013/11/11開設

京都の路地奥

2014-06-26 | 随想
京都の路地は何度も書かれていることであるが、ちょっぴり付け加えたい。京都の路地を入るとやはり驚くべき光景に出会う。しかし長く住み込んだ人に教えてもらわないとなかなか発見できない。

歌人の川田一路さんに教えてもらった、三条河原町近くの細い路地に沿った古本屋や花屋などは印象深い。花屋は今ネットで見ると「花政」さんであろう。店頭が茂った庭園の入口のように感じられた。
彼の懐は深いのでまたどこかを案内していただきたいものである。

快速のメディア研究者:村上直之さんは、病気でも私を追い抜いて見えないところへ行ってしまった。生前、彼に教えてもらったところも多くあるが、千本中立売近くのパン屋「はちはちインフィニティ」さんはその一つ。
千本中立売といえば、私の学生時代には近くに千中ミュージックと言うストリップ劇場があった。更に昔には五番町に遊郭があったことで有名である。
そんなわけで、ここもかなりの繁華街である。彼は気に入って、近くに住み、メール・アドレスに gobancho を入れていた。
しかし、このパン屋さんのある区画はがらっと雰囲気が変わる。昼なお暗き樹木に囲まれている。おそるおそる進んでゆくと写真のような建物があり、勝手にドアを開けて入ると、掘りごたつのあるカフェとなっている。売り物のパンは、ライ麦の入ったずっしりと重いドイツ風のパンである。コリアンダーやキャラウェイ入りもある。好きな人の好きなパンである。
昼はオープンサンド&スープ1080円の食事もできる。ベジタリアン対応。チーズとパンでビールやワインも飲めるよ。むろんコーヒー、紅茶、ジュース、ケーキもある。
来合せた見知らぬお嬢さんと暗くて静かな森を見ながら会話になることもある。落ち着いた場所で、ここにいると彼が「おや、何やってるんですか」と現れそうだ。
場所は難しい。車は不可。Google の航空写真を見ると凄さがわかるよ。こんなところ、いつまでも残ってほしいものだ。個性派の店だから、営業日、時間はよく見て下さい。

<京都の路地奥>

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1 コメント

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移転 ()
2017-11-06 19:23:35
このカフェは http://hachihachi.org/ に移転しました。グーグルで旧所在地を覗くと、もとの鬱蒼たる雰囲気は残っています。航空写真で上京区山王町にある木立です。
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