旧約聖書における人間観(その4）・2015年6月20日（土）

旧約聖書の人間観（その4）
　男は自分のしたことの責任を女になすりつける。それだけでなく、あの女と一緒にしてくださった〔あなた〕が、また、ヘビを造った〔あなた〕が悪いのですと、暗に神に向かって非難していく。女も〔ヘビ〕のせいにする。
　罪を犯した〔男と女〕、彼らをそそのかした〔ヘビ〕に、神の罰が宣告される。その結果、ヘビは最も呪われて、きらわれ者となる。
　女には、〔あなたは苦しんで子を産む。それでもなお、あなたは夫を慕い、彼はあなたを治めるであろう〕(〔創世記〕3章16節）と宣告する。
そして男に対しては、〔地はあなたのためにのろわれ、あなたは一生、苦しんで地から食物を取る。地はあなたのために、いばらとあざみとを生じ、あなたは野の草を食べるであろう〕【〔創世記〕3章17節～18節）と宣告する。
　これまで見てきた創世記の物語は、たんに考え出された観念でもなければ無意味な作り話でもなく、長い歴史的経験と苦悩の体験から得た実際的な人間論である。