Guitars On Broadway

洋楽とエレクトリックギターの旅路

YAMAHA Revstar 2 ワイヤリング

2025-02-25 18:11:27 | GUITARS

オリジナルレブスターの配線は白と赤のビニール線でピックアップはG&B製のヤマハオリジナル。早速、ピックアップと配線材、ポット、ジャック交換です。ピックアップはセイモアダンカンのホールロッタハムバッカーのセットにして配線材はビンテージウェスタンエレクトリックのブラックエナメル。ボリュームを絞ってもハイがそのままで減衰します。ミッドハイがストレートに出てモダンなハムバッカートーン。これはこれでいいのですが王道のレスポールサウンドとは別の雰囲気になっていきます。滑らかなフラットでゲインが高くクリーンでの解像度は抜群ですがクランチでのミッドレンジが暴れません。フェンダー系のシングルコイルPUでのバイト感はウエスタンのブラックエナメルの右に出るものはありませんがハムバッカーには勝手が少し違います。

そこでハムバッカーには避けて通れない現行の1芯USAブレイデットシールドワイヤーに交換。ホールロッタハムバッカーはタップにも対応の4芯なのでピックアップケーブルもブレイデッドに。やはりハムバッカーはシールドワイヤーの方がいいですね。ミッドハイの噛みつき感やグラッシー感の暴れたトーンは狙い通りでハイの成分が減った為、サウンドは太く感じます。ボリュームポットの減衰に絡むトレブルは早めに落ちるのでトーンの効きが上がったような感じも。レスポールをイメージするトーンにはシールドワイヤーは必需ですね。ケーブルをこれにするとPUの弦との距離がトーンに及ぼす影響を露骨に感じ取れます。単独PUのパワー感とMIXのクリスピー感の両立はこれまた沼感を誘発。

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YAMAHA REVSTAR RSP20CR

2025-02-21 14:37:04 | GUITARS

世界のヤマハがエレクトリックギターを発売して50年目を記念して2016年にリリースされたREVSTAR。ヤマハ往年のデザインを継承していますが全く新しく作り上げた代物。非対称のダブルカッタウェイと2ハムバッカー、マホガニーバックにメイプルトップとなるとヤマハSGと同じレスポールのイメージが根底に感じられます。薄めのボディ、ライトなコンター加工、肉厚なネックグリップと非常に弾きやすくバランスもいい。弾き心地に全く癖がなく物足りなさを感じられそうですがビンテージのニュアンスもありモダンさもある抜かりのないデザイン。既存のビンテージモデルの焼き直しや突飛なモダンさを追い求めてないですが妙に納得してしまうギターに仕上がっているところが流石の楽器作りの伝統があるヤマハです。

さて、このレブスターはセミホローボディの現行モデルではなく初期型の完全ソリッドボディのタイプ。ウエイトはレスポール程は無いですがしっかりした感じ。このストラップピンの位置でもネック落ちが無くが固定されます。しかし、数年でセミホロー化されたチューンナップは軽量化を狙ったのかもしれません。オクターブチューニング可能なバーブリッジは傾きを防ぐため、上下の調整ネジで弦高調整が出来ます。オリジナルのピックアップはヤマハオリジナルデザインの韓国G&B製。この個体はセイモアダンカンのWhole Lotta Humbuckerセットを搭載。ポット、スイッチ等の電装系の交換を施しレスポールをイメージしたトーンに。

ヤマハ伝統の詰めが効いたデザインと作りは地味ながらも弾き手にストレスを与えません。70年代からの名器SGのニュアンスを踏襲しながらも現代の細かなチューンがギブソン・フェンダー規格からの脱却を実現したギター。ギターからのイメージが薄い分、オールラウンドのジャンルで対応できるスタイルで錆びたような銅製のピックガードがビンテージ感も演出。現行の新デザインもまた格別です。

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Bob Burt Custom Amp

2022-01-26 22:43:42 | AMPLIFIERS

チューブアンプの原点回帰とも言うような最小限のレイアウトでチューブトーンを満喫できるアンプがこのボブバートカスタムアンプ。ボブバートといえばランドグラフ直系のハイエンドペダルメーカーとして有名ですが本業はアンプキャビネット製作。この個体は6V6GT、12AX7、5Y3各1本のフェンダーチャンプやプリンストンスタイルのオリジナルアンプです。キャビネットはデラックスより一回り大きく12インチスピーカーがゆったりと鎮座する雰囲気で無垢マホガニー単板をフィンガージョイントで組上げた渋い一品。

アンプ部はハンドメイド感満載のPTP配線がビンテージ感を盛り上げます。コントロールは1V1Tのシンプルなレイアウト。5W前後の出力ですが12インチスピーカーとオープンバックのキャビネットからエアー感のあるゆとりのある音量で、決して部屋での練習用アンプではありません。整流管と6V6、1本なので小音量でもヘッドルームに薄っすらとコンプレッションかかり心地いい弾き心地で音量を上げるとディストーションが抑え気味のナチュラルなサスティーンの上質クランチがやってきて、コンプ感の少ないブースター系のペダルがあれば更に粘ります。ストラトキャスターのリアPUが極太で出力されますが、ハムバッカーもスムースに鳴ってくれるのは余計なチャンネルやエフェクトが無く真空管オンリーのヘッドルームの仕業でしょう。

フェンダー直系のミッドレンジに比重を置いたトーンセッティングなのでスピーカーをブルーススタイルのエミネンスではなくシンプルなアルニコスピーカーが程よく輪郭がシャープになるかもしれません。チューンナップを施したくなるアンプですがもう少しオリジナルのトーンを探っていきます。

レオフェンダーがツイードアンプをデザインした時点でエレクトリックギターのおいしいトーンは既に決まっていました。この基本になるシングルエンドアンプの構造を変えずにキャビネット容量、スピーカー形状で様々なバリエーションモデルを作っていったというのも豪華な時代。これはブラックフェイス登場の60年代からも統一感がありフェンダーアンプのイメージに絶対的なものをもたらしました。同じチューブレイアウトでもスピーカーのインチ違いで別なネーミングのアンプが存在するところにフェンダーアンプ地獄を誘発してしまった事実もありますが。

現行のアンプキャビネットのほとんどがMDF等の集成材系ですがフェンダーは70年代までパイン単板キャビネットのフィンガージョイント工法、バッフル板は合板のスタイルにこだわりました。それが立上りの早いフェンダートーンの基になっています。マーシャルアンプがバーチ合板を使い続けたのもトーンを維持する理由の一つでしょう。単板のキャビネットに貼り付けたツイードやトーレックスの柔軟性のあるカバーリングは耐久性を求められる旅行ケースにヒントを得た発想。それはレオフェンダー特有の実用性と洒落かもしれませんね。

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HERCO flex75 50

2021-07-16 10:21:20 | PICK

70年代後半からギターを弾き始めた人はピンと来ないギターピックが伝説のHERCO。60年代から活躍するギターレジェンドたちのお約束ピックですが当時はこれしか無いのと1枚25円程の値段がそうさせたかもしれません。

古くは戦前のアメリカのダンドレア社のセルロイドピックが化学素材のハシリのようですが1940年創業のハーシュマン楽器が1960年代に入ってナイロン製のピックとして作ったのがHERCOブランド。1966年にリリースしたボールゴールドがflex50、ハイヨーシルバーがflex75としてヒットしたのがその後のギターレジェンドたちのフェイバリットになったのとリンクします。海外での流通とは違い、70年代後半日本国内でHERCOピックを見かけたことは記憶にありません。ギター周辺アクセサリー製造の製造元は日本というのが60~70年代がピークで国内メーカーのピックが充実していてあえて海外のアクセサリーを輸入する必要も無かったのでしょう。事実、HERCOの鼈甲タイプピックは日本製だったようです。

海外でも少し遅れて1965年、スコットランドからカリフォルニアに移って立ち上ったのが現在の最大手ジムダンロップ。1992年にHERCOブランドを吸収しやっと世界で流通するようになりました。現在でも活躍の大御所ギタリスト等の若いころのインタビュー記事でも使っているピックは「ハーコの金、ヘルコの銀」なんていうのを読んでいた世代がオジサンになってやっと嗜むことができるようになりました。

新素材、新形状のハイエンドピックで溢れかえっている今日、自身もピックマニアとして地獄を彷徨っていますがこのHERCO flexを使ってみると今までいかにピックで弾かされているかを確認できます。スピード感、弦離れ、トーン等をピックに委ねること自体が違って見えてきます。さて、このHERCOはというとflex75が厚さ約1mm、flex50が0.6mmと数値よりかなり薄く柔らかいタッチでスタンダードのティアドロップ型と若干異なるスタイル。弦に引っ掛かるストレスが無くコンプ感があって無駄なパワーを弦に与えない感じです。アコースティックギターのストロークにはもちろん最高。ですが太いロックの音がするのは丸く形成された先が柔らかいのがいいのかもしれません。滑らかに太いトーンを求めるとピックと弦を平行に、鋭いアタックやスピードを出す場合角度を付けてヒットするといいですね。鋭く硬く厚いハイエンドピックはスピードを求めても右手の力が少なく済みますが音量は少な目、HERCOは滑らかなで音量は豊富にダイナミクスをコントロールできます。そして、驚きは耐久性。薄く柔らかいのに全く研磨されないのはナイロンプラスチックの配合由来か謎です。グリップメッシュが握りをタイトにしてどのフォームでも角度調整にも不思議とストレスを感じ取ることはありません。

60年代当時の形状、厚さ硬さを復刻したモデルも数種類出ていますが基本は厚さ違いのナイロンピック。調べていくと自身が影響を受けたギタリストのほとんどがこのHERCOを使っていたことが判明し、音の太さ、トーンとピックの硬さは関係ないことを再確認しました。KISSのジーンシモンズがflex75をシグネチャーモデルにしているのも最高です。

自分に合うピックを探すよりピックに弾き方を合わせたくなるピックに出会った感じとも言えますね。

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EMG REVELATION SET

2021-07-09 15:49:42 | PARTS

このNEW CUSTOM TEのために9ヶ月待ってやっと到着したピックアップがEMGプラシャント・アスワニ・シグネイチャーモデルREVELATION SET。国内では在庫がほとんど品薄状態で注文したのが昨年9月、製造が今年の春というほとんど受注生産のような一品です。EMGのパッシブモデルなのでよりマニアックな立ち位置。ブラックポールピースがよりトラッドスタイルを彷彿させる雰囲気でルックスもグッと締まります。

当初搭載していたEMG H4Aは定番のアクティブ85のパッシブ版なのでコンプレッションが効いていてすべての周波数にミッチリと音が詰まっているEMG特有のトーンでした。このプラシャント・アスワニ・シグネイチャーは渋めのアルニコ2マグネットを使用しビンテージスタイルを世襲したスタンダードの風合いの音質。とはいってもEMGですからノイズの無さ、エフェクトとのマッチングは抜群です。歪みの質感はH4Aのミッドレンジを穏やかにし、トレブルの噛みつきが豊富になった感じで軽くクランチトーンでのビンテージ感と歪を注入した時のダイナミクスの反応はまさにトラッドパッシブ。

通常セットのピックアップはリア側が大きくフロント側が穏やかなトーンと出力の設定がなされています。しかし、このREVELATION SET PUはネック側の直流抵抗が若干高い設定。一見フロントPUがブーミーになるように感じますがそこがポイントです。2ハムのマイクセッティングの場合、リアとフロントのトーンキャラクターが異なっているほうがミックスポジションでのクリスピーさが増します。しかし、出力が違うと大きい出力側のトーンに全体像がシフトしていきます。出力が同じでブライトなリアとまろやかなフロントがミックスポジションでの理想ですがそれぞれ単体でのシングルノートの場合はベストとは限りません。また、ピックアップと弦の距離がそのピックアップのトーンのほとんどを作るくらい重要です。距離を近づけるとパワーが上がりますがそのパワーの大部分を占めるのが低音。フロントPUの出力のほうが大きいこのセットの場合、フロントPUを下げて弦との距離を大きくとってもローエンド維持したままリアPUとの出力バランスが同じようにもっていく設定かもしれません。フロントPUが弦との距離でのトーン、出力差の変化が大きく,バランス設定の幅を大きくとれることを想定したものと推測されます。これはあくまで自論ですけどね。ポールピースと弦との距離が1弦でどちらも2mmで抜群の設定が可能。チューニングに追い込む時間が無くなりました。

さて、PUマウントですがやはり男のダイレクトマウント。しかし、これは木ネジで直接ボディに打ち込むスタイルでコンディションがいつも同じバネで微妙な高さを調整するのと違い、PU底面に敷いたウレタンシートでクッションを付けるやり方ですから劣化でウレタンが縮むと調整不能になります。また、このEMGの場合PUの底にケーブルコネクターを配置しているのにウレタンで圧着しコネクターが曲がり接点不良が出てくる可能性もあります。そこでギター製作者のrunt guitars RUNT GUITARS後藤氏オリジナルのEMG専用ピックアップスペーサーがこの問題を解決しました。メープル削り出しの板の下にウレタンシート、ピックアップコネクターやポールピースネジにクリアランスを設け、ストレスフリーなケーブル取り回しを実現しました。PUと弦が限りなく平行に保たれるよう微妙な傾斜をスペーサーとPUの接点部部に設けています。

完璧だと思うEMGパッシブピックアップでも弱点はあります。フルテン状態のギターノブからギターボリュームを落としていくとトレブルの劣化が非常に大きく、スタンダードのパッシブPUとは操作方法を変えないとなりません。これはH4Aでも同じ状態でした。原因がピックアップに付いてくる純正ポットかピックアップの特性か定かではありません。アクティブEMGではパッシブとはトーンが違いますが純正ポットでもトーンはなだらかに変化します。ということはPU本体の特性かもしれませんが打開策はハイインピーダンスのボリュームペダルを使用すると全く問題なく解決しました。ボリュームと歪のダイナミクスをコントロールする方法が多少変わりますがそこは重要ではありません。元々がフルテンで奏でるように設計されたのがEMGなんでしょうね。

しかし、フルテン状態でもピッキングのダイナミクスがつけられ、ビンテージフレーバーなる不思議なピックアップがEMGパッシブのREVELATION SETです。

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