Guitars On Broadway

洋楽とエレクトリックギターの旅路

Trixie Whitley

2012-12-19 17:05:05 | ROCK

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YouTube: TRIXIE WHITLEY -Fourth Corner- Backstage De Roma

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YouTube: Trixie Whitley LIVE, "Undress? Your Name" with Passion at the keyboard, Nashville, TN

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YouTube: Trixie Whitley - "Breathe You In My Dreams" (Anton Coene Clip)

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現在は女性アーティストが主役のような気配がある。人間の内面に迫る音楽を生み出すパワーは圧倒的に女性かもしれない。その静かなパワーの濃度が桁違いに違うアーティストがまた一人登場。ベルギー生まれのシンガー「トリクシー・ウィートリー」。

前の記事にも書いたダニエル・ラノワのバンド「BLACK DUB」のヴォーカリスト、トリクシー・ウィートリーのソロアルバム。2012年リリースの「Live At Rockwood Music Hall」と「The Engine」の2枚。どちらもデモ音源ライクとライブ1発録音だが楽曲のクォリティーの高さ、生々しさ、パワーと申し分ない作品。ピアノ弾き語りでここまで緊張感の高いものは珍しい。裏でブライアン・ブレイドやダニエル・ラノワが絡んでいるが彼女の完成度にあまり影響していないようだ。

ギミックなしの録音が逆に存在感を増しているがこれがメジャーから出るとセンスの悪い万人向けの音作りで曲もつまらないものになってしまうのがよくある話。トリクシーの場合、他人に作られたポップな雰囲気になることはなさそうだが。

それにしても楽曲のスケールは大きい。形だけのブルースをプレイしているよりブルージーで黒い。ここ10年に出たアーティストの中でナンバー1と断言できる。カッコよさはトラッドロックフリーク世代も嫉妬するほど。

日本人には縁遠いアメリカ、ヨーロッパ音楽の根幹を彼女から味わえるようだ。じっくりオーディオの前で嗜めることができるROCKは久しぶりですがMP3ダウンロードでしか手に入らないのは残念だ。

オフィシャルサイト http://www.trixiewhitley.com/


BLACK DUB

2012-12-18 21:09:08 | ROCK

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YouTube: Black Dub - "I Believe In You" Live Off The Floor


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YouTube: Black Dub - "Nomad" Live Off The Floor


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YouTube: Black Dub "Surely" Live on SiriusXM

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少し前の2011年リリース作品。名プロデューサー、ギタリスト・シンガーのダニエル・ラノア率いる「BLACK DUB」のファーストアルバム。80年代から大御所ミュージシャンの名作をプロデュースし、自らアメリカンルーツなソロ作品を出し続けてきたがここにきて南部スワンプ、レゲエ、ブルース、ファンクを独特の空間系エフェクトで包み込んだ傑作アルバム。

現在、ジャズ、ロックで引っ張りだこの名ドラマー、ブライアン・ブレイドとP-90搭載54年レスポールのラノアのギターがシンプルでダークな質感を一層高めている。これだけでも素晴らしいのにこの100倍素晴らしいのがヴォーカルの歌姫トリクシー・ウィートリー。彼女のストレートだがシックなブルースロックヴォーカルをこのサウンドに溶け込ませるラノアのセンスに脱帽する。だが何回も聴いていくうちにトリクシーを主役にするためのバンドをラノアが作ったようにも思えてくるようだ。

このバンドと並行して活動しているトリクシーのソロ作品もこれまた傑作。正式な音源は流通していないが2013初頭にデビューアルバムがリリースされる。彼女自身ギター、ドラム、ピアノとマルチプレーヤーだがソングライティングのセンスの高さは群を抜く。有りがちなルーツに固執しているわけでもなく、オリジナル性ばかりを追いかけることもない塩梅が素晴らしい。20代前半のパワーと往年のワビサビもあるから洋楽フリークにはたまらない。70年代ブルースロックとフォーキーさがヨーロピアンでコーティングされている感じというのもベルギー生まれということから納得。

当分の間、トリクシーから目が離せない!


明日へのキックオフ

2012-04-23 01:13:49 | ROCK

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「明日へのキックオフ」なんていう責任感のない邦題がついた1977年リリースのロッドのソロアルバム。これを最高傑作といっている人も多いと思いますが私もその一人。前作の「セイリング」やこの後の「アイムセクシー」等のヒット曲が無い意外と地味なアルバムだが捨て曲無しの高純度の曲満載の傑作品。

ドラム:カーマインアピス、ベース:フィルチェンと聞いただけでアタリと推測される内容だが、プロデュースがトムダウドの全編アメリカ南部のバンドスタイルのポップアルバムで仕上がっている。よく聞くとその筋のプロフェッショナルがしっかりと作り上げた内容だ。ロッドスチュワート自身ハリウッドの派手な芸能人的に見えるがそこはジェフベックグループ~フェイセズと渡り合ってきた列記としたブリティッシュブルースのハープ&ヴォーカリスト。

イギリス勢のミュージシャンが皆アメリカ南部の土臭いサウンドを求めていたのは60年代後半。クリーム解散後のエリッククラプトンが大西洋を渡ってデレク&ドミノスを結成してあの傑作アルバムを出したのも裏にはこのアルバムのプロデューサー、トムダウドがいました。時代的にもその純粋なサザンロックサウンドの最終地点がこのアルバムです。

32歳の円熟期に入りかけたロッドの傑作バンドサウンドが堪能できる会心作。


ショーケンと井上堯之

2012-04-22 02:03:26 | ROCK

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ショーケンこと萩原健一は最近では団塊の世代のアイドルになっていますが日本における偉大なロッカー、ショーケンのロックフレーバーを最大に演出したのは大御所、井上堯之氏。

日本でのROCKはグループサウンズから欧米とはまたフィルターを2~3枚通したような独特の歩みで展開していった。現在のJ-POPと呼ばれるジャンルとはまったく別のよりリアルな海外ロックの洗礼を受けている。この60年代~70年代は歌謡曲の中のロックという立ち位置が一般的でそのポテンシャル最大に生かしたのがショーケンだった。今思ってもロックドラマの金字塔「傷だらけの天使」の音楽を担当した井上堯之のサウンドトラックは当時のR&B、ファンクフュージョンだった。その後、80年代の「アンドレマルローバンド」で名手、速水清司とのツインギターでよりバンドスタイルのサウンドをプロデュースした。

20年以上前、とあるブリティッシュバーで井上堯之氏が打ち合わせで来店していてそこのハウスバンドのギターを借りて数曲プレイし、私も若気の至りで井上氏にビールをご馳走すると帰り際に両手で「ビールご馳走様」と固い握手をしていただいたのを覚えている。芸能界の一線でロックしてきた手に重さを感じた瞬間でした。


本物到来

2012-01-19 00:02:41 | ROCK

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最近には珍しく、見てはイケないものを見てしまったような衝動に駆り立てられる映像作品。最近では若者にクラシックロックという意味不明なカテゴリーに区別されているリアル70年代の極上ROCKが生で味わえる。それもつい最近の実況録音映像版。

70年代後半からの日本の音楽シーンの裏で活躍している職人たちが自由に好きなロックをJAMしている。セールスや時代を超越した真のバンドマン達のドキュメンタリー。演奏者たちを今さら説明することも無いだろうが、長年のキャリアのテクニックを披露するだけの作品になっていないのがVo、Guのカズ南沢の存在だ。彼を中心としたサザンブルースロックからAOR、ブリティッシュブルース、フュージョンと70年代の一番美味しいグットミュージックのオンパレード。それもほとんどがカズ南沢のオリジナルだ。生楽器のアンサンブルの太さ、ドライブ感、緊張感を知ってしまったらPCで作られた音楽の何と陳腐なことか。

ドラマー青山純のメソッドDVDの一つなのだが数々のテクニック、経験を積んでこの削げ落ちたビートを刻むというドラマーにとって大変高度なテーマの濃い内容の作品だがギタリストにとってみても素晴らしい。日本のトップギタリスト今剛のロックギターが全編にわたって響くマニアにとってみても珍しい映像かもしれない。それに絡みつくカズ南沢のブルース。日本人離れしたブルースフィーリングとフィンガーヴィブラート。たまりません。54年製ギブソンレスポールの粘るP90を聴いてしまったらレスポール熱にスイッチが入ってしまいました。

日本人がこのあたりのルーツロックをプレイすると必ず企画モノ的な匂いがあったり、聴いているこちらが恥ずかしくなるものがほとんどだったがやっと本国アメリカと同じテンション、いやそれ以上の大人のロックを聴くことが出来る作品に出会えたような気がします。

音楽マニアは必見。