Guitars On Broadway

洋楽とエレクトリックギターの旅路

In the funk zone with George Garzone

2012-07-09 21:10:25 | FUNK

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ギター弾きの中ではあまりチェックしないメソッドDVD。「ジョージ・ガゾーン」というテナープレーヤーのペンタトニックスケールに焦点を絞ったもので、ギターはもちろん、黒いソロをとりたいリードプレーヤーにはもってこいの内容。たっぷりの2枚組でデモ演奏、レッスン、マイナスワンとジャズの視点からマイナーブルースを徹底的に解明しているのがわかりやすい。

ギターは我らのマイクスターン、ベースにジョンパティトゥッチ、ドラムにケンウッドデナードとくればガチガチのフュージョンファンクを連想してしまいますが、全て緩めのブラックファンクで統一され楽しそうなJAM。音数の少ないパティトゥッチのバッキングベースは必見です。マイクスターンは相変わらずソロの出だしにはBOSSのDS-1をしっかり踏んでいるのがいいですね。しかし、リズムが素晴らしいのなんのって。ドンカマに支配されない大人のファンクが全編にわたって繰り広げられます。

管楽器店にもあまり売っていないのがタマニキズ。


サイドメンギタリスト名盤 Vol,2  PHIL UPCHURCH

2010-10-29 19:33:46 | FUNK

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渋い!フィル・アップチャーチの1972年リリースの「DARKNESS, DARKNESS」。この時代とてもアンニュイなレコードを出していたBLUE THUMB RECORDSモノだ。

フィルアップチャーチは60年代からのブルース、ジャズ、ソウルのジャンルを超えたギタリスト。ジョージベンソンのサイドメンとして知れ渡ったがこの人も70年代前後の名盤ソウル作品には必ずからんでいた。60年代からソロ作品を出していてこの72年の本作が脂の乗り切った30歳の時にリリースした「DARKNESS, DARKNESS」。この時代特有なヨーロピアン的なジャケットにアフロヘアー。JB似なタフネスファンクの様相だが大変品のあるブルースギターが聴ける。

それもそのはず、プロデュースは天下のTommy LiPuma 、ホーンアレンジはNick De Caroと
BLUE THUMB の鉄壁のコンビ。バック陣はリズムギターにArthur Adams、ベースにChuck Rainey、ピアノにJoe Sample、ドラムにHarvey Mason、パーカッションBobbi Porterhall、エレクトリックピアノにDonny Hathawayと少数精鋭。メンバーを見ただけでもアタリの予感だ。

全体にタイトなファンクリズムセクションと大人のホーンアレンジの中で弾きまくるフィル。シャープな箱モノ系ギターのトーンたがギブソン程太くない。ジャケットを見ると60年代後半に数年だけ作られていたフェンダーのジャズギター、コロラド。この音かは不明だが実にソウルフル。ブルージーなシングルノートでひたすら弾きまくるが絶頂でコードソロになるところはやはりジャズギタリスト。フェンダープレベの枯れたパッシブトーンのChuck Raineyが素晴らしい。時代的にスタジオの空気が感じる一番いい71年の録音だ。

90年頃、小さいバーでオルガンのジミースミスの横で激渋なブルースギターを弾いていたときは既に白髪になっていた。

こんな熱い2枚組のアルバムがリリースされていた72年に万歳!


サイドメンギタリスト名盤 Vol,1  WAH WAH WATSON

2010-10-29 18:24:02 | FUNK

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何ともグルーヴィーな顔立ち。70年代のソウルからジャズフュージョンまでファンキーカッティングの嵐を吹き荒らしたWah Wah Watsonの唯一のソロアルバム「ELEMENTARY」。これまたファンキーな1976年のリリース。ハービーハンコックのもっともファンキーだった70年代の後半ほこの人の力が大きい。「ゴーストバスターズ」でブレイクしたレイパーカーJrとのダブルファンクカッティングの応酬のVSOPのライブは超有名盤。モータウン、スタックスと渡り歩いて、数々の名盤の後ろでのワウカッティングは大体この人であろう。

さてこの「ELEMENTARY」、ジャケットのインパクトほどまっ黒けではなく、程よくブラコン・ソウル風で歌モノ、歌モノ風インストと多様。時代を象徴するマウスワウを駆使した早弾き無しのネットり弾きまくるシングルノートは真っ黒。同年代のナイルロジャースのシャープなディスコカッティングより肉体的なコードワーク。この人が元祖と思われる「チュクチューン!カッティング」も連発してくれる。名前からしてワウの踏みまくりかと思われがちだがコード、シングルノート、エフェクティブと実に多彩なカッティングをする。ハンコックアルバムでも共同プロデュースに名を連ねるだけあってゲストミュージシャンを使ってのプロデューサー的な立ち回りだ。使用ギターがギブソンのフルアコ・バードランドというのもいい。歴代のファンクカッティングギタリストのJBのフェルプス・“キャットフィッシュ”・コリンズやアースのアルマッケイ等もみんなギブソンの箱モノのギターだった。

そのゲストがまたすごい。HancockはもとよりJoe Sample、Dave Grusin、ドラムにOllie Brown、Aaron Smith、ギターに相棒のRay Parker・Jr、David T.Walker、サックスはBennie Maupin、と当時の第一線のプレーヤーがそろっている。メンバークレジットをよく見るとベーシストがとんでもない。Louis Johnson、Willie Weeks、Wilton Felder、極めつけはJames Jamesonとベース弾きのバイブルになりそうなメンツ。しかし、みんなノーギャラ、もしくは酒代くらいでひきうけてる友情出演の感じもする。

これだけのメンツがそろってもどこかユルメな演奏。ディスコ前夜のブラックミュージックの凝縮盤。サイドメンのソロアルバムは往々にして微妙なモノが多いがこれだけのメンツでも歴史的な名盤にならないところがこれまたマニア向けの作品。楽器を演奏する者は是非チェックしてもらいたい音源。市場にあまり無さそうなので出会ったら即買い。