Guitars On Broadway

洋楽とエレクトリックギターの旅路

スティーブガッド 70STRONG

2015-04-09 16:50:24 | 音楽

名盤の裏には必ずこの人ありという先駆者のスティーブガッド。リーダーアルバムもかなりありますがこの御年70歳を記念したアルバムが一番カッコ良かったりする「70STRONG」。タイトルもかなりイカしてます。2013にリリースした前作と同じメンバーでの濃厚なジャムセッション。素晴らしいプレイの応酬ですがギタリスト的にみるとやはりマイケルランドーはいいです。ストラトキャスターとフェンダーアンプだけの生々しい音。クリック頼みの角々を合わせていくチープな演奏ではありません。楽器と楽器の空間が広くゆったりとしたグルーブとライブ感。このレベルの人たちにしかできない演奏です。よくある大御所のリーダーアルバムは腕利きの若手とコラボしてバランスを取りますが全員大御所での熱いジャムは真似が出来ない領域。

最近のガッドというとクラプトンやジェームステーラーらのロックフィールドでの活動が多いですがインストでたっぷり叩き込んでいるのがやっぱり絵になります。ブラシワークでのサイドラインはやはりこの人のオリジナルです。エフェクトを最小限に抑えたスッピンのドラムサウンドがこんなにもスリリングで素晴らしく奏でるのは流石ガッド先生。現在のテクニカル大御所ドラマーもみんなこの方から始まったようなもの。そこにクランチした太いストラトキャスターの音がカッコいいのなんのって。ブルースロックギタリストの久々のいい仕事を聴いたような感じです。

メンバーそれぞれの音数の少ないソロが緊張感を増しインストなのに歌のある渋いロックアルバムのような質感。

上質なフュージョンとはこれですね。


ロベンフォード Into The Sun 

2015-04-09 10:31:00 | 音楽

久々のナイスなジャケットのロベンフォードの新譜「INTO THE SUN」。最近は年1回の新譜をリリースという精力的な活動のロベン先生。ギターオジサンのアイドル的な位置に君臨し確固たる地位を築いていますが内容は常に新しいアメリカンブルースロックの追及です。ここ2作品はアメリカ南部のルーツに傾倒していましたが2007年リリースの「Truth」のようなコンテンポラリーブルースでロベンオリジナルな世界を展開しています。

同じ70年代から活躍のジャズフュージョンギタリストはみなレイドバックしていく中、還暦をとっくに過ぎているのによりロックしてくるギターにオジサン達は熱くなるのです。79年のスティーブクロッパープロデュース作「The Inside Story」でフュージョンギタリストの中ではファンキーでポップなアルバムでブレークしてから90年代に入ってブルース回帰したブルーラインの結成とパターンやスタイルにこだわらない活動には目が離せません。ダンブルサウンドというハイエンドギタートーンのジャンルを築いた張本人でもあり音楽、ギター、機材といつもチェックしていないとならないギタリスト。

新譜の「INTO THE SUN」は生のバンドサウンドに刺さりこんでくるギターとポップでメロディアスな歌声は健在で、玄人のゲストミュージシャンとのJamもバランスが絶妙で相手をうまくフューチャー出来るロベンの人間性を垣間見れます。しかし、このご時世なのにトータル時間40数分とは短い。それは無駄なインプロビゼーションとかライブテイクを挟んでボリュームを上げる昨今と真逆を行くコンセプトと作品重視か何かと長年のフリークは考えます。どちらにしてもこのクラスのアーティストになればどことなくオーバープロデュース的な作品やゲストに頼るようになってきますがオリジナルなブルースと生演奏にこだわったスタイルはテクニカルなブルースロックギタリストの最終地点かもしれません。

ロベンからすると後輩にあたる名セッションギタリスト、マイケルランドーもレネゲイド・クリエイションで共演して以来ギタートーンが絶妙なクランチに変化してきているのはロベンの影響も匂わせます。そんなマイケルランドー参加の名演アルバムの紹介はまた次の回で。

 


マーシャルクラス5とBB-2

2015-03-27 11:05:56 | 音楽

製造販売が終わってしまったマーシャルクラス5。後半はヘッドとキャビネットがセパレートになったりと試行錯誤していましたが努力の甲斐なく終了。マスターボリュームの無い1チャンネルのバルブアンプとして昔のプレキシの雰囲気の味わえるモデルでしたが部屋での使用では大き過ぎるしフルバンドでは今一つ足りない音量という微妙な扱いに意外と短命。音はみずみずしいクランチで申し分のないトーンなので何とかバンドで使用する為、周辺機材とともにセッティングし直してみましょう。

現在ではハンドワイヤードシリーズがマーシャルのハイエンド小型アンプのトップに君臨しています。音は同じクォリティでローコストのクラス5や限定の1Wシリーズ等のほとんどが姿を消してHWシリーズに集約したようで価格は別物。そこが残念ですがその時代のスタンダードモデルをリリースする前にいろいろ出して市場のリサーチをかけるマーシャル特有のやり方です。

マーシャルを手にするギタリストすべてがそのディストーションを求めます。小型コンボアンプはヘッドルームを低く設定しチューブ独自でのナチュラルな歪を求めますが飽和状態も早くスピーカーにもプレッシャーを常に与えるのでチューブだけではないスピーカーやキャビネットの余計な歪も演出してしまう傾向にあります。無理にフルアップさせずにオーバードライブさせるペダルとのコンビネーションで滑らかにブーストさせるほうがコンボアンプにはマッチングが良さそうです。そこでチョイスするペダルが大変重要。クランチさせた歪にトーンを変えずにサスティーンを流し込むペダルは意外とありません。ペダル単体で音作りを完結してしまうようなペダルは歪に別な周波数の倍音を載せてしまうので、どうしてもクリーンブーストまでの許容範囲が必要になってきます。そのあたりをつくにはケンタウルスの右に出るものは無いのですがそれ以外で捜すと難しい。マッチするのはブースター的なアイテムですが意外とハイエンドブースターは個性が強くて大失敗な目に合うのも数知れず。70年代の大好きなホワイトブルースのマーシャルプレーヤーはゲルマを使ったファズやトレブルブースターを使っていますが。

そんな中、ペダルを夜な夜な物色していたら2~3度しか使わなかった本家マーシャルのブルースブレーカーⅡが出土。これがなかなか良くて驚きです。フェンダークリーンにコンプレッションさせる程度の歪だと倍音にチリチリしたノイズが乗っかるので疎遠になっていましたがそこは同じメーカーのブツです。クリーミーなディストーションが素晴らしく、極太のクリーンとギターのボリュームコントロールだけで全て完了してしまいました。ペダルは弾いた一瞬で判断してはいけません。時間の経過とともに周辺機器とギター、ピックやタッチで評価が180度変化することがあります。だからキリが無いのかもしれませんが。

クラス5はチューブの交換とスピーカーケーブルの交換。いつものベルデンですが気持ちローエンドがスッキリしたような気がします。しかし、マーシャルのペダルは人気がありません。リサイクルショップで悲しい価格ですからガンガン入手出来ます。

 

 


シルバースターとアビゲイル・イバラ

2014-09-25 09:45:29 | 音楽

1950年代からフェンダーのピックアップを作り続けていたアビゲイル・イバラが引退したとサイトに書かれていました。フェンダーの経営自体が様々なオーナーになりつつも50年以上同じ

セクションで現役だったということ自体が素晴らしい。彼女の名前がフューチャーされたカスタムショップ69ストラトピックアップを最近弾いていなかったトーカイ・シルバースターに搭載してみました。

ピックアップの位置によって出力を調整してリアPUにもローエンドを適度に与えるのが主流のようですが、このモデルは全て直流抵抗6.0k以下の同じ出力。そのためリアPUがブライトでクランチ

サウンドの咬みつきは最高です。初期のヘンドリックストーンをイメージしていますが、センターやフロントPUのアコースティック感もありトラッドなラージヘッドサウンドを堪能できます。テキサススペシャル

のようなファット感に慣れてしまうと使い方に違和感がありますが、ミッドにポイントがあるブライトがストラトらしさを強調しますね。

ワイヤリングも新調してコンデンサーはオールドのオレンジドロップの0.022。

 

しかし、イバラ女史が引退してもフェンダーのピックアップセクションの後釜はホセフィーナという女性の職人さん。ワイヤーを巻く微妙なテンションはやはり女性でなければ駄目のようです。機械で表現できない

技があるんですね。

怒られそうですがオッサンが巻くPUは繊細なトレブルが失われるような気が。

 

 

 

 

 

 

 

 


Fender Twin Reverb Restore Diary #2

2014-09-20 12:50:52 | 音楽

アンプのクリーニングといっても全て分解しないと中身の状態がわかりません。特に金属パーツはかなりのダメージです。

出来るだけオリジナルパーツで復活させたいですが、既にメッキが落ちているものは現行の交換パーツで代用します。外装のトーレックスは張替せず強力な洗剤と歯ブラシで

こそぎ落とします。ヤニとホコリで化学変化したベタつきはかなりのしつこさ。磨いて拭取りを4セットです。キャビネット内部とバッフルボードは洗えないので軽く拭取り後、再塗装

でカビ臭さはかなり減少。スピーカーユニットも錆で塗装が落ちて白っぽくなっていたのでこれも艶消しブラックで再塗装。ネジの錆も完璧ではないですが全て落とします。

 

海外サイト等、いろいろ見てみてもビンテージアンプの中で一番ヤレているのがツインリバーブです。こんな状態で売っていいの?というようなモノも数知れず。

しかし、そこまでやるならトーレックスの張替までアメリカンの方たちはやってしまいます。気のせいかもしれませんが現行の交換パーツも70年当時のモノより

薄く軽く出来ているような気がしますね。音を出せるのはいつの日か。