名盤の裏には必ずこの人ありという先駆者のスティーブガッド。リーダーアルバムもかなりありますがこの御年70歳を記念したアルバムが一番カッコ良かったりする「70STRONG」。タイトルもかなりイカしてます。2013にリリースした前作と同じメンバーでの濃厚なジャムセッション。素晴らしいプレイの応酬ですがギタリスト的にみるとやはりマイケルランドーはいいです。ストラトキャスターとフェンダーアンプだけの生々しい音。クリック頼みの角々を合わせていくチープな演奏ではありません。楽器と楽器の空間が広くゆったりとしたグルーブとライブ感。このレベルの人たちにしかできない演奏です。よくある大御所のリーダーアルバムは腕利きの若手とコラボしてバランスを取りますが全員大御所での熱いジャムは真似が出来ない領域。
最近のガッドというとクラプトンやジェームステーラーらのロックフィールドでの活動が多いですがインストでたっぷり叩き込んでいるのがやっぱり絵になります。ブラシワークでのサイドラインはやはりこの人のオリジナルです。エフェクトを最小限に抑えたスッピンのドラムサウンドがこんなにもスリリングで素晴らしく奏でるのは流石ガッド先生。現在のテクニカル大御所ドラマーもみんなこの方から始まったようなもの。そこにクランチした太いストラトキャスターの音がカッコいいのなんのって。ブルースロックギタリストの久々のいい仕事を聴いたような感じです。
メンバーそれぞれの音数の少ないソロが緊張感を増しインストなのに歌のある渋いロックアルバムのような質感。
上質なフュージョンとはこれですね。