持ち運びがスムースで音量もそれなりにあるアンプはギタリストの理想です。プレイする音楽によりますがここ最近はもっぱらフェンダージャパンのFAT3。小型キャビネットなのにしっかり12インチスピーカーとスプリングリバーブでオールチューブサーキット。30年前のアンプなので入手しにくいのが問題ですが同じバンドのギタリスト用にと探していたらこのFAT3とほとんど同じ大きさのキャビネットのアンプがこの「サイドキックチューブ30R」。
30Wのミディアム出力のトランジスタアンプですがリードチャンネルには12AX7経由のプリチューブサーキット付。当時のカタログをサイトで調べても1986~87年くらいの短い時期のアンプ。この時期はUSAフェンダーブランドのトランジスタアンプを日本で再現するという大きなテーマがありました。また、実践的な30w~50wクラスはツインリバーブの音量が根底にあるように思える位のスケールがありフェンダーアンプという歴史を継承する心意気が伝わるクォリティが感じられます。製造は日本のエルク製。パワー部がトランジスタでも変にクリップしないのでキャビネットの割にはかなりの音量を出力します。スプリングリバーブも本格的な響き。オールトランジスタのリズムチャンネルでもキンキンしない太いクリーンが実はオーバードライブペダルとの相性がよくなります。チューブプリを経由するリードチャンネルはリバーブがキャンセルされ懐かしのブギーを彷彿させる3ヴォリュームコントロールに成り代わりドライブトーンを演出。トラッドフェンダーというよりブギーのマークシリーズを狙った質感があるのはこの時期特有です。今にして思えば懐かしい線の細めな80年代の歪。ドライブを下げてクランチ的に使うとクリーンでも常に12AX7を経由して自然なコンプレッションがキープされます。ヴォリュームを上げて多少オーバーロードさせてもトランジスタ特有の割れる感じは無く、しっとりするのは12インチスピーカーをチョイスしてあることが大きいでしょう。このキャビネット容量だと普通10インチですがギリギリ12インチを収めたのが全体の音質に影響を与えているのは明白です。またこの時期はミュージックマンのアンプに代表されるようにプリチューブ、パワートランジスタというハイブリッド回路が流行始めたとき。現在のハイエンドアンプのように音質を求めてオールチューブ回路&PTPがスタンダードになっていますが、技術的には1950年代と同じなレトロな仕様で何も発展していません。真っ先にハイブリッド設計をしたのがレオフェンダーでしたから基本的に半世紀以上進化していないのがギターアンプの世界です。
90年代にはアンプ製造が次第にアジア各国に移っていきますから純粋なメイドインジャパンのアンプ製造も意外と短い期間ということになります。この時期本家USAフェンダーからも新商品がリリースされていてビンテージリイッシュが発売される少し前の混沌としていた時期でしたがフェンダーブランドのコンパクトトランジスタアンプを日本で製造し世界へというような重要な時期でもありました。
日本が誇るトランジスタアンプの代表格JCとは全く別でダークな60年代のブラックフェイス時期のトーンを世襲しています。最近の小型ハイエンドアンプはヘッドルームを小さくして真空管の歪をより効率的に出力させるデザインですが生バンドでは音量が全く足りません。この時代はまだ高性能なドライブペダルが少なかったこともあり歪がアンプの付加価値として重要だったことも裏付けます。クリーン設定だと50wクラスの音量が味わえ空間系エフェクターとの相性も問題なし。現在では小型トランジスタアンプがアジアメイドの家電のような作りに成り代わってしまっていますがこのアンプはまだ日本の町工場の匂いを感じ取れます。
90年代に入るとワザとらしいヴィンテージリイシュのUSA・Fenderがスタンダードになっていきましたが、80年代のフェンダージャパンアンプのほうがよりヴィンテージの風合いがあり機能的だったことが今になって確認されたのが面白いですね。
フロントPUで弾くと
低音がえげつなくつぶれます。
個体差なのか故障なのか
それともこんなものなのか
いかがですか??
あまり大きな音はだしていません。
出している音量や周辺機器によっても変化しますが
バンドのリハでも十分な音量が出ます。
チューブは歪を主体にしているのでコンプ感が
多目ですね。クリーンな設定でボリューム6あたりで
ビリビリつぶれる感じがあればスピーカーが不良の
可能性があります。
よろしくお願いいたします。
逆に大きな音を出していないので
小さな音だとしんどいのかなと思いました。
コンプ感と言うより
どうしようもないファズを踏んだときのような
ブーミーな音になるんです。
そんなことはありませんか?
もし、「ぜんぜんうちのは調子いいよ」
と言うことならちょっと修理に出そうかなと。
その症状はスピーカー不良の可能性が高いです。
スイッチ・ヴォリューム系統の接触不良にも
そのような感じが出ることがあります。
修理に出すのがいいと思います。
よろしくお願いいたします。
SPも2種類性格の違うヤツを
新品で買って交換してみましたが
状況は変わらないので
やはり修理ですね
ありがとうございました。
残念でしたね。古いアンプは可能性のある
箇所をつぶしていくしかありません。
治った状況をまたレポートしていただけたら
幸いです。
じつは20wを手に入れまして
同様に試してみたのですが
おなじでした(笑)
まあ、クランチとかで楽しもうかと
思っています。
まったくもっていかなったブースターなども試してみようかなと。
ところで、ちょっと助けてください。
このアンプのリバーブが壊れてしまいまして
調べたのですが規格も型番も
なにも書かれていません。
もしよろしければ
お持ちのアンプを見てみていただけないでしょうか?
この頃のフェンダージャパンのアンプは
国産のオリジナルのリバーブですね。
初期のジャパンのアンプにはUSAと同じ
アキュトロニクスを使用しているときもありましたが。
リバーブケーブルの不良の可能性もありますが
中身の断線もありますね。現在のアキュトロニクス
は韓国に移ってまだ代用品がありますので
交換がよろしいかと思います。
リバーブボックスで型番表記はありません。
この頃のフェンダージャパンは
ほとんど同じリバーブを使用しているようですね。