Guitars On Broadway

洋楽とエレクトリックギターの旅路

マーク・ホイットフィールド

2008-10-07 17:54:55 | JAZZ

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Markwhitfield

ジャズギタリスト、マークホイットフィールド1990年のデビュー作品 「The Marksman」。

丁度ジャズギターを聴き始めた頃、華々しくデビューしたギタリストなので思い入れも強い。ジョージベンソンやプロデュースがトミー・リピューマなど大御所達がバックアップして作った作品。なのに参加ミュージシャンは学生仲間のミュージシャン達。固めのスクエアな演奏だが既にギターは歌っている。クレジットにはジョージベンソンのダンブルアンプを使用したとか書かれている。やっぱりベンソンクラスはダンブルか・・・ ギターの音が良いはずだ!

この後のセカンドアルバムは大御所ミュージシャンで固めたがこのアルバムの方が断然いい。

グラントグリーン、ベンソン、ウエスモンゴメリー直系だが真っ黒ではない。ストレートジャズを完璧に弾きこなすテクニックとジョーパス、メセニー系の甘いトーンがスムース過ぎる感じはあるがこのスピード感とコードワークは最高にカッコいい。

4,5年前にディナーショーでマークのエレクトリックバンド編成の演奏を見たが、ザラついたファンクと滑らかなギターが妙にマッチしていてワウまで踏んでいた。1部と2部の間に会場の出てきて料理をつまんでいたときに「グレイト!マーク!」と声をかけたら「どうも」とお辞儀をしていた小柄なナイスガイ。

この赤いフルアコいいな。


ナイス!グリーン

2008-08-27 23:22:15 | JAZZ

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こんな熱い音源があったとは。グラントグリーンの脂の乗り切った頃のライブ盤は「Alive」と「live at the lighthouse」の2枚があるがそれを超える内容だ。1曲目からアタリと予想がつく。ジャズファンクというより真っ黒いジャズロックだ。時は1971年の1月のデトロイトのクラブ・モザンビーク。グリーンももちろんだがツインサックスとのバトルはジャズに近い。ジャズとニューオリンズファンクを融合したような アイドリス・ムハメッドのドラムがかなりのタイトさをキープしている。素晴らしいのが当時20歳ロニー・フォスターのオルガン。この時期のライブ盤では全てプレイしている。フレーズも真っ黒け。グリーン自身も40歳と絶頂期。熱くて当然だ。マスタリングも原音に着色しないで楽器の生音を忠実に再現している分生々しく緊張感が倍増する。

60年代はそれまで裏方楽器のギターが脚光を浴びた時代だった。トラッドスタイルのバーニーケッセルやケニーバレルの人気にウエスモンゴメリーの登場と火がついた。この時期グリーンはブルーノートの売れっ子セッションギタリスト。リーダーアルバムもかなりの数リリースしていたが真に開花するのは60年代中盤、ヴァーブに移籍してからのジャズファンク路線からだ。アーシーな黒さはグリーンの右に出るものはいなかった。ウエスでさえブルースフィーリングはグリーンにかなわない。そんなグリーンに対して正当な評価がされ始めたのはグリーンが亡くなってから10年以上過ぎた90年代に入ってからというのも残念だ。

このグリーンを当時追っかけていたのはジョージベンソン。グリーンのフレーズをよりテクニカルにスムーズにしたスタイル。それはマークホイットフィールドへと受け継がれていった。しかし、グリーンの太さ、粘り、フレーズの存在感に誰もかなわない。最小限の音とリズムの切れが真似できないオリジナルのスタイルを作っていった。

オルガンとギターは同じアンプリファイドだから相性がいいのに決まっている。特にグリーンは数々のオルガン物を作っているがどれも傑作だ。現在のソウライブやJAM化したジョンスコもみんなこのグリーンのタッチを再現したいのがわかる。今のオルガンはデジタルシンセだから何かピンと来ない。オルガンジャズファンクはやはりこの時代の産物なのか。しかし、カッコイイ!


ハイラムブロック

2008-08-19 20:33:54 | JAZZ

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ハイラムブロックがお亡くなりになりました。線の細いジャズ・フュージョンギター界に唯一、ブラックロック魂を放出していた異端児。大阪生まれというのもこのキャラクターの元になっているのかも。しかし、残念である。サポートにまわっての的確なプレイはロック、ポップス系のミュージシャンからも絶大な信頼があった。

しかし、この「ジャコパストリアス・ライブインニューヨークシティ Vo2 1986」は大変なアルバムだ。ジャコとハイラム、ケンウッドデナードとの完全トリオ編成の大ジャムセッションのオンパレード。演奏テクニックに裏打ちされたボーダーラインを超えた演奏の凄まじさ。オールディーズからロック、レゲエ、ジャズまですべてバトルだ。ジャコパストリアス研究家がカセットウォークマンで録った音源がリアルに狭いライブハウスの雰囲気を再現している。同じシリーズでのVo4も同じメンバーでこれまた凄すぎる内容。この高速「ティーンタウン」は何を考えているのか?JAMの緊張感とはこういうものかと再確認できる。それにしてもジャコのベースの太さ、ノリ、テクニックは最高だ。この人を超えるベーシストを捜すことくらいナンセンスなことはない。ハイラムも最後はBOSSのエフェクター全てオン状態でイってしまう。 合掌。

ストラトに2つのハムバッカーを載せることに決めた。