読書の森

暗き世に



オール讀物の短歌、俳句選は必ず読んでいる。
短歌も俳句も入り口に足を踏み入れた事もないが、鑑賞するのは年季が入っている。
単に歳を取ってるだけだが。

さて、今月号、武田弘之先生の選ぶ短歌に圧倒された。
世界只者でない、と今更ながら思う。

世の動き、人情の機微、愛憎、全て読み込む短歌や俳句の描く世界は一編の小説の如しである。



天から紹介する。

「暗き世に 点りて さくら前線が
北へ咲き継ぐ 花のまほろば」

まほろばとは桃源郷のような素晴らしい所という意味である。
日本はまほろばの国と言われた。
緑豊かで気候温暖、人の心も穏やかだった。

それが一転、自然も社会も荒れてまほろばが幻に変わった様相を呈する。

それは日本に限らず、世界を覆う暗い雲が
ある。
自然災害の増加、国際的なテロなど、今までにない異変が続き、人の心は暗きに走りがちである。

そんな世に、今年も柔らかく淡いピンクの桜の花は一斉に開いてくれる。
ひと時のまほろばが北へと続く。

雄大な歌でありながら、繊細優美である。

^_^
なんか文藝春秋社ばかり贔屓にして下心有りと思われそう。
まず今、教養娯楽費が限られてる所から雑誌は一冊に絞ってます。
それでオール讀物を選ぶのは、単にある連載小説のその先が知りたいからだけです。

読んでいただき心から感謝です。ポツンと押してもらえばもっと感謝です❣️

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「書評」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事